ARTISAN(30th Anniversary Edition)

No タイトル 作詞 作曲 編曲 備考
1 アトムの子 山下達郎 山下達郎 山下達郎 20thシングル(カット) 最高18位 売上9.5万枚
99年再発盤 最高88位 売上0.2万枚
2 さよなら夏の日 山下達郎 山下達郎 山下達郎 18thシングル 最高12位 売上18.5万枚
3 ターナーの汽罐車-Turner's Steamroller- 山下達郎 山下達郎 山下達郎 19thシングル(カット) 最高30位 売上3.8万枚 アルバムバージョン
4 片想い 山下達郎 山下達郎 山下達郎  
5 Tokyo's A Lonely Town-トウキョウズ・ア・ロンリー・タウン- Pete Andreoli&Vincent Poncia 山下達郎 トレイドウインズ「New York's A Lonely Town」の歌詞改変カバー
6 飛遊人-Human- 山下達郎 山下達郎 山下達郎  
7 Splendor-スプレンダー- 山下達郎 山下達郎 山下達郎  
8 Mighty Smile(魔法の微笑み)-マイティ・スマイル- 竹内まりや 山下達郎 山下達郎  
9 "Queen Of Hype" Blues-クイーン・オブ・ハイプ・ブルース- 山下達郎 山下達郎 山下達郎  
10 Endless Game-エンドレス・ゲーム- 山下達郎 山下達郎 山下達郎 17thシングル 最高5位 売上18.0万枚
11 Groovin'-グルーヴィン- Felix Cavaliere&Eddie Brigati 山下達郎 ヤング・ラスカルズのカバー
<Bonus Tracks>(30th Anniversary Edition追加収録)
12 モーニング・シャイン 山下達郎 山下達郎 山下達郎 18thシングルC/W、3rdベスト『RARITIES』収録曲
13 アトムの子(Remix Version) 山下達郎 山下達郎 山下達郎 未発表ミックス
14 さよなら夏の日(Alternate Vocal Version) 山下達郎 山下達郎 山下達郎 未発表ボーカルテイク
95年2ndベスト『TREASURES』用に再録音したがお蔵入り
15 ターナーの汽罐車(Single Version) 山下達郎 山下達郎 山下達郎 19thシングル(カット) 最高30位 売上3.8万枚 シングルバージョン
エンディングに歌がひと節入る
16 さよなら夏の日(Original Karaoke)   山下達郎 山下達郎 カラオケバージョン 3rdベスト『RARITIES』初回盤収録
17 Endless Game(Original Karaoke)   山下達郎 山下達郎 カラオケバージョン 3rdベスト『RARITIES』初回盤収録

Adaptations by 山下達郎(5)

リリースデータ

1991年6月18日
1999年6月2日(再発)
2021年8月18日(30th Anniversary Edition)
初登場1位
-
初登場3位
売上71.0万枚
-
売上3.6万枚
Produced by 山下達郎 MMG
ワーナー
ワーナー

山下達郎10thアルバム。2年8ヵ月ぶりのオリジナルアルバム。前作以降の2シングルを収録。8月に「ターナーの汽罐車」、92年2月に「アトムの子」がシングルカットされた。「Tokyo's A Lonely Town」は「New York's A Lonely Town」のタイトルや歌詞を東京に置き換えたカバーでAdaptations by 山下達郎というクレジットがされている。90年代に突入し、完全にレコードからCDに切り替わったため今作ではレコードでの発売が無くなったオリジナルアルバムとしては3作連続の1位を獲得、さらに『FOR YOU』を上回り、当時の最大ヒットを記録した。現在はオリジナルアルバムで次回作『COZY』に続く2番目、ベスト盤『TREASURES』含めて3番ヒット作となっている。99年にレコード会社再編により他の作品と一緒に再発されている。

「アトムの子」で勢いよく始まる今作だがこの曲はアルバム制作中に手塚治虫の訃報を聞いて制作のタイムリミット10日前に急遽作り上げたという通常かなりじっくり制作する山下達郎としては突貫工事のような勢いで作られた楽曲だという。しかし逆にそのスピード感が他の曲にはない無二の勢いを生み出していて山下達郎の楽曲の中でも屈指の盛り上がる楽曲になっていると思う。続く2曲は後の『TREASURES』、『OPUS』にも収録された2曲が続くが、全体には落ち着いた曲が並び、明るい曲やノリのいい曲は皆無。どれもこだわりぬいた職人的な良さを感じる曲が続いていて名作であるのは間違いないとはいえ、1曲目だけ勢いありすぎ&冒頭にシングル曲を3連発で固めたのと(シングルカットが2曲ではあるけど)、続く4曲目「片想い」が渋いバラードで一気に落ち着きまくるのである程度じっくり聞きこむまでは序盤以外がどうしても地味に感じられてしまうアルバムでもあると思う。

生演奏で録音したもののパッとしないため打ち込みに変えたと語られている曲もいくつかあるように、この頃には打ち込みの機械的なリズムの方がしっくりくるところが大きくなってきていたようで1人演奏の楽曲が大半。ベースドラムが生なのは「Splendor」のみ(30th盤ボーナストラックの「モーニング・シャイン」もベースドラムが生)、「Endless Game」はドラムが生。カッチリとした音作りは職人的でありながらも、かつてに比べると正確すぎる機械のリズム隊は味気ないところもあり、難しいところではある。

30th Anniversary Edition
2021年には30周年を記念してのリマスター盤が発売された。新たにボーナストラック6曲が追加され、ブックレットには恒例の山下達郎による全体解説、楽曲解説が新たに掲載された。また当時は発売されなかったアナログ盤でも初めて発売された(ボーナストラック無しの11曲仕様)。リマスターは今回も菊地功が担当。

全体に大きく印象が変わるほどではないが、きっちりしすぎていたオリジナルよりはリマスター効果で打ち込みながらも多少は温かみのある響きになったかなという気もするが気のせいかもしれない

ボーナストラックに関しては初公開なのは当時制作しながらお蔵入りになったという「アトムの子(Remix Version)」「さよなら夏の日(Alternate Vocal Version)」のみ。4作のシングルC/Wのうち2曲はライブ音源で2曲が新曲だったが今作には何故か「モーニング・シャイン」しか収録されず、『アトムの子』C/Wの「BLOW」はスルーされてしまったのが残念。どちらも『RARITIES』にはきっちり収録していたのに…。この曲は次回作『COZY』のアナログ盤にリミックスして追加収録して、その後99年に『アトムの子』が再発された際にC/Wを差し替えて'98 REMIXとして収録し直した経緯があるので、山下達郎的には次回作『COZY』関連作という意識があって次回作ボーナス用に考えてあえて外した可能性もある。ただ『COZY』は98年なので30th Anniversary待ちすると2028年、本人75歳になってしまうが大丈夫なのか…25周年にしておけば2023年になるのでそのくらいでやっておいた方がいいかもしれな。ていうかカラオケ2曲も『RARITIES』初回盤収録済みだし、ボーナストラックは『RARITIES』とのダブりが多いな今回…。

というわけで初公開の「アトムの子(Remix Version)」「さよなら夏の日(Alternate Vocal Version)」だがさらっと聞いているとどちらもほぼ同じで違いは分からない。「アトムの子(Remix Version)」はリミックスというからにはもっと劇的に違うのかと思ったが忙しないドラムの抜き差しが異なるというものでかなり細かいこだわりだったようで正直そこまで気にならない部分だったりする。「さよなら夏の日(Alternate Vocal Version)」も95年に再録音したはいいけど当時を越えられなかったという事でお蔵入りしていたものだが、これも十分に良かったりして細部のこだわりの強さを改めて感じた。

B096G3R1WW30th Anniversary Edition   B096G254CL30th Anniversary Editionアナログ盤   ARTISAN99年盤  B00005HZ7791年オリジナル盤

印象度★★★★☆

2018.1.21更新
2021.9.20 30th盤追加更新

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