FROM ME TO YOU

No タイトル 作詞 作曲 編曲 備考
1 Merry・Go・Round YUI YUI YUI&northa+  
2 feel my soul YUI YUI 鈴木Daichi秀行 1stシングル 最高8位 売上10.8万枚
3 Ready to love YUI&yukamatsumoto COZZi COZZi  
4 Swing of lie YUI YUI northa+  
5 LIFE YUI YUI northa+ 3rdシングル 最高9位 売上4.5万枚
6 Blue wind YUI COZZi COZZi  
7 I can't say YUI COZZi COZZi  
8 Simply white YUI YUI northa+  
9 just my way YUI&yukamatsumoto YUI northa+  
10 Tomorrow's way YUI YUI 鈴木Daichi秀行 2ndシングル 最高15位 売上3.2万枚
11 I know YUI YUI 鈴木Daichi秀行 インディーズシングル『It's happy life』C/W
12 TOKYO YUI COZZi YUI&COZZi 4thシングル 最高15位 売上2.0万枚
13 Spiral&Escape YUI YUI Ikoman  

リリースデータ

2006年2月22日 初登場4位 売上29.3万枚 Produced by Yoshio Konno Sony Records

YUI1stアルバム。高校進学後、バイトと高校を両立する中で体調を崩して入院した際に音楽を続けるために中退を決意。そして地元福岡で西尾芳彦が主催する音楽塾ヴォイスの存在を知り入塾してギターと曲作りを開始。才能を見出されて04年にソニーのSDオーディションを勧められて受けたところデビューが決まった。04年12月に九州限定でインディーズシングル「It's happy line」をリリース後、05年2月に「feel my soul」でデビュー。4シングルをリリースしてメジャーデビューからちょうど1年後に今作となった。4シングルとインディーズシングル『It's happy life』C/W「I know」を収録。「It's happy life」は次のシングル「Good-bye days」C/Wに収録された。

全アルバムで今作のみ初回盤が無く1種発売だが、07年末ソニーのウィンタースリーブキャンペーン時に今作と次回作(通常盤)が選ばれ、“両面ダブルジャケット”スリーブ仕様で限定出荷されたためスリーブ付のものが少数存在する(現在は中古でごく稀に転がっている)。2008年まで断続的にランクインし続け、2010年に5thアルバム『HOLIDAYS IN THE SUN』発売時に1週再浮上したのが最終ランクイン、トップ10入りは最初の2週のみだったが300位以内に121週ランクインするロングヒットとなった。

次の2ndアルバムにかけて売上が大きく伸びたため、今作は広く知られる前みたいな扱いをされる事もあるが、デビュー時点で相当期待の大型新人として大々的に売り出されており、1st「feel my soul」から月9ドラマ『不機嫌なジーン』主題歌という破格の待遇だった。Mステ出演時の胡座ギター弾き語りパフォーマンス等も話題になり、その後も映画『HINOKIO』主題歌(ブレイク前の本郷奏多、多部未華子が主演)、アニメ『BLEACH』EDと続き、「TOKYO」が初のノンタイアップだった。CCCD喧騒が去った後でますますCD売上が全体に悪化していくという時代背景もあったが、派手な売り出しの割には月9と『BLEACH』が何とかトップ10入りまで当たったという程度だったので、もう1つ伸びきれていなかったところはある。今作も初動は6.8万枚だった。

高校中退してまで音楽の道へ進んだという夢への強い決意を押し出した今作はまだデビュー前に作られた曲も多く、まだ目指している途中ゆえにこの後売れた=叶ってしまって失われてしまったようなこの時にしかなかった芯の強さはあると思う。この点で今作が1番良かったと評する声もあるが、実際のところ本人の意向をやや増幅させてイメージ戦略を立てていた感じもある。シングル曲は夢追い系の強い歌詞が中心で、特に上京時の心情をそのまま描いた「TOKYO」は作曲が完全提供ではあるがネイキッドなサウンドも合わせてギター1本で夢に向かっていく10代の少女という凛とした佇まいが特に印象的だ。しかしアルバム曲は割とラブソング中心になっていて、夢や目標に向かっているばかりでもない。当時あまり笑わないイメージもあったせいか何となくストイックに夢へ向かう孤高なイメージで印象付けられていたが改めて聞いてみたら割とラブソングばかりだったので当時何を聞いていたんだろうという気にもなったが、それくらいストイックなイメージが印象付けられて売り出されていた。

楽曲自体は一定のトーンで統一されていてやや暗めの雰囲気でまとめているので、ラブソング多めだろうと全体のイメージに大きな違いは無いし、弾き語りから肉付けさせたようなひたすらにギター中心でジャカジャカとかき鳴らすようなイメージのサウンドも統一感がある。本人にも全曲ギター演奏クレジットがあるがアレンジャーのギター表記もあり、アコースティックとエレキの区分はされていないので、どっちが本人演奏でどっちがアレンジャー演奏なのかは厳密には分からない。普通にMVやTVで見られたようにアコースティックギターがYUIだとは思うが、ジャケ写やブックレットでは何故かYUIがエレキを抱えている…。また全曲バンドサウンド風なのに、半数程度はアレンジャーの1人オケ制作+YUIのギターとボーカルという構成になっていたりもして、サポートのバンドメンバーを起用した曲との起用方針の違いがあまりない。これは単に人件費を省エネしているだけのような気もするが、派手に売り出す予算があるならバンドメンバー起用できるくらいは回せばいいのに…。良くも悪くもその点で非常にライトな音触りにもなっている。こってりとしたストリングスバラードが大々的に流行ってきていた中でこのライトさが逆に聞きやすいというのはあったかも。いずれにせよ聴感的に残るのはギタージャカジャカイメージなのでそこの印象付けはバッチリだった。

B000E1NYLC

印象度★★★★☆

2020.9.12修正

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