時のないホテル

Chorus Arrangements:杉真理(5,6)

リリースデータ

松任谷由実9thアルバム。前作から半年でのリリース。シングル「白日夢・DAY DREAM」「ESPER」は共に未収録となったが、B面(C/W)は収録された。「白日夢・DAY DREAM」はこのまま完全アルバム未収録となり、8センチシングルとして89年に再発されたのが唯一のCD化となりレア盤となっている。「ESPER」は3年後の14thアルバム『REINCARNATION』に収録されたがアルバムバージョンとしてリメイクされたものの、シングルバージョンは同じくアルバム未収録で89年の8センチCDが唯一のCD化のままである。ジャケットやブックレット写真はイギリスの高級ホテル「BROWN'S HOTEL」で撮影され、そのままツアータイトルにもなった。99年に松任谷由実以降の80年代までのアルバムは一斉にバーニー・グランドマンによるリマスターで再発され、これが現行盤となる。2013年には全オリジナルアルバムが廉価盤で再発されている。

全体的にどっしりとした貫禄のあるミディアムナンバーが並んでおり、軽快な曲は皆無。詞の内容も暗いものが多いため、少し重い感じがするアルバム。ブックレットにはBROWN'S HOTELの軽い紹介写真とユーミン本人のホテルへの思いが長々と綴られている(CD盤ブックレットではLPサイズをCDサイズに縮小しているためかなり字が細かく、歌詞カードは全て別紙で用意されているがこの部分はそのまま)。正直ホテルの異様なまでの高級感に対して死を思わせるような歌詞も散見されるような作風が剥離しまくりな気がするが(特にリゾートミュージック的な次回作以降のイメージで聞くと余計に…)。でも音がそこまで暗いわけではないのでなんか聞き終えて重かっただけでは終わらない統一感のあるアルバムだなと思う。

99年リマスター盤　　2013年廉価再発盤　

印象度★★★☆☆

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