LOVE HONEY
No | タイトル | 作詞 | 作曲 | 編曲 | 備考 |
1 | HONEY | aio | aio | aio×cap | |
2 | 私 | aio | aio | aio×cap | 24thシングル 最高27位 売上0.35万枚 |
3 | Queen | aio | aio | aio×cap | |
4 | TOKYO散歩 | aio | aio | aio×cap | |
5 | サクラハラハラ | aio | aio | aio×cap | 24thシングルC/W |
6 | HEART BREAK | aio | aio | aio×cap | |
7 | モノクロ | aio | aio | 笹路正徳 | |
8 | make up | aio | aio | aio×cap | |
9 | FrogFlag | aio | aio | 笹路正徳 | |
10 | HEY!BEAR | aio | aio | aio×cap | |
11 | スターターピストル | aio | aio | aio×cap | |
12 | 日々、生きていれば | aio | aio | 笹路正徳 |
ストリングスアレンジ:弦一徹(2)
リリースデータ
2017年4月12日 | 初登場23位 | 売上0.28万枚 | Produced by AIO | avex trax |
大塚愛8thアルバム。2年ぶりのアルバム。2月にリリースされたシングル「私」とC/W2曲のうちの1曲「サクラハラハラ」を収録。「私」は2年9ヵ月ぶりのシングルでドラマ『嫌われる勇気』主題歌ながら200位以内2週のランクインに留まった。しかし今作はさらにそれを下回り、2週目には217位まで吹き飛び、3週目には300位圏外となった。「私」にはドラマタイアップ効果はそれなりにあった模様。最上位盤はGOODS付属の限定盤でファブリック・スプレー「LOVE HONEY」が付属する。Blu-ray付、DVD付には「私」「サクラハラハラ」のMV、2月に行われたビルボードライブの映像、オフショット映像を収録。
エレクトロに突き抜けた前作とそれ以前を踏まえて融合させたような1作。基本的にはエレクトロ色の強い打ち込みナンバーが並ぶが、昨今の流行りのような電子音がブイブイ鳴り響くようなものではなく、音数は少な目でリズム中心でクールな質感のトラックが続く。またヒット期の「さくらんぼ」に代表されるようなポップなものや「プラネタリウム」に代表されるような王道タイプのバラードは明らかに意識して回避しているというか、もうそこに興味はない感じ。"女性"をテーマにしているが、イメージとしては「私」のタイアップ先であるドラマ『嫌われる勇気』と同じクールでやっていた『東京タラレバ娘』の主人公たちよりも年上の強い女性像。あのドラマでは女子会を開いている主人公たちに若い男がいきなりいつまで女子のつもりなんだ…という冷や水を浴びせるような台詞を送り、主人公たちが年を重ねている事に焦るという流れだったが、今作はそういう外の声なんか全く気にせずに堂々と女子会に恋に仕事に人生を謳歌している30代女子という感じ。
元々大塚愛はアイドル的イメージでブレイクし、その期待に応えるようなアイドル系のノリのヒット曲を量産しながらも結婚前の時期くらいから男性ファンをふるい落とし、女性リスナーだけにターゲットを絞ったような発言や作風へ向かっていき、復帰後はますますやりたいようにやった結果その傾向が加速した。今作は特に同世代の30代女性リスナー向けの要素が強い。女性向けコスメとアルバムを連動させたりしているのも分かりやすく女性向けだが、インタビューで女性リスナー向けに熱い思いを語った後に男性リスナーにはどう聞いてほしいか聞かれるとこのCDを女性へプレゼントしてくださいと言い放つ始末。ここまで来ると面白すぎる。もうかれこれ10年くらいアイドル視してくる男性ファンに一貫した態度取ってて正直かなり売れなくなった今でもそこはブレない。
曲調自体はクールな曲が多いながら様々な歌い方、ヒット期とは違う今なりの遊び心や、当時は見られなかった大人の一面を見せていて多彩で飽きさせない流れ。基本打ち込みばかりなのに突如生バンドにブラス隊まで導入したゴージャスなジャズナンバー「FrogFlag」が出てきたりするのも意外性があって面白かった。しかも歌詞に記載が無いもののこの曲、グワッ!グワッ!グワッ!ゲロゲロ!グワッ!グワッ!グワッ!ゲロゲロ!というカエルの声を大人っぽく連呼するコーラスが入っていてかなりインパクトが強い。笹路さんが編曲した残り2曲のうち「モノクロ」はピアノバラードだが、「日々、生きていれば」はピアノ、ウッドベース+ブラスのゆったりめのジャズとなっていて他の打ち込み中心の楽曲とは雰囲気が異なっているのもいいスパイスになっている。
コンセプトは個人的に性別対象外だったが音だけ聞いてもそれなりに面白く、統一感があったがほとんど同じ曲に聞こえてしまった前作よりも1曲1曲の個性が強い。基本的にやりたいようにやっているアルバムなので佇まいが非常に堂々としていると思う。売れてた当時毛嫌いしていた女性リスナーでもアラサー以上で女子会好きな女性なら共感するところが多いんじゃないかと思う。
印象度★★★☆☆
2017.7.19更新