DOCUMENTARY of AKB48 to
be continued
10年後、少女たちは今の自分に何を思うのだろう?
<コンプリートエディション>
2011年1月公開。2010年のAKB48の活動を追ったドキュメンタリー映画。総指揮を岩井俊二、監督を寒竹ゆりが担当している。アイドルのドキュメントということもあってさほど大きなヒットにはならなかったようだが、4月には早くもDVD化された。一般発売されたのは2枚組のスペシャルエディション、オフィシャルショップ限定で4枚組のコンプリートエディションが発売された。
スペシャル、コンプリート共通
DISC-1
映画本編DISC-2
・「1ミリ先の未来」(NHKで1月8日に放送されたドキュメンタリーのディレクターズカット)
・映画のED「少女たちよ」ノンテロップバージョン
・映画の特報、予告
コンプリートのみ
DISC-3
・密着インタビュー完全版
大島優子、前田敦子、板野友美、小嶋陽菜、宮澤佐江、峯岸みなみ、北原里英、指原莉乃
・初日舞台あいさつDISC-4
・密着インタビュー完全版
篠田麻里子、渡辺麻友、高橋みなみ、柏木由紀、河西智美、秋元才加、横山由依
・1期生ある日の食事会(前田敦子、板野友美、峯岸みなみ、高橋みなみ、平嶋夏海)フォトブックレット、メンバー生写真(5枚ランダム封入)、予約特典で35mmフィルムブックマーク封入
DISC-1
2010年の活動に密着ということだが、基本的にTVやCDリリースに関してはテロップで表示されるだけで、PV撮影とかレコーディング、TV等のメディア向けの活動には触れていない。個別インタビュー登場メンバーも偏っているため、ドキュメントパートでもたまたま映りこんでいる以外でインタビューメンバー以外のコメントは無く、2010年最後のトピックであるじゃんけん選抜で1位の内田眞由美のコメントが出てくるような事も無い。またSKE48にも触れていないので、AKB48のCDやTV出演ではかなり目立っている松井珠理奈も全く登場しない。密着しているのはAKB劇場の公演であり、team A、team K、team Bそれぞれにスポットを当てている。CDやTVでしかAKB48をあまり知らないが、劇場公演こそが真髄であり、TVやCDとはまた違う活動のようである。元々基本的には入った順に構成されていたチームが完全にシャッフルされて新チームとして始動したのが、2010年という1年だったらしく、その変化と戸惑いに焦点が当たった内容になっている。その辺りを踏まえている劇場に足を運んでいるファンならそれこそ感極まって号泣してもおかしくないような内容だが、そこを知らないとそうだったんだぁ…となるものの、ある程度予備知識が無いと見ていてよく分からないと思う。
その合間合間に大島優子、前田敦子、板野友美、小嶋陽菜、宮澤佐江、峯岸みなみ、北原里英、指原莉乃、篠田麻里子、渡辺麻友、高橋みなみ、柏木由紀、河西智美、秋元才加、横山由依がそれぞれ様々な場所でインタビューを受けているという内容で、このインタビューでは個人個人のAKBにおける立ち位置や思い出、思いなどを真剣に語っており、2010年には限定せず、過去現在未来を見据えた話が聞ける。個人的に劇場公演はあまり知らないのでこちらの方が見ごたえがあった。少なくともこの映画を見れば、いかにメンバーが本気であるかは分かる。やがて人気が落ちていくであろうことにも触れているし、常にどうすればいいかをメンバーはそれぞれ考えている。複数商法だの実際は人気が無いんだろとか、もっと言えばアイドルをお気楽な商売だと勘違いしているような人でも考えが変わると思う。舞台挨拶で高橋みなみは「嫌いな人にも見てほしい」と語ったがその通りだと思った。
DISC-2
同じ2010年に密着した内容とはいえ、映画と重複が無い。NHKということもあって、紅白の舞台裏や、全国ツアーなどに焦点が当たっているほか、秋元のスキャンダル報道、卒業した小野にも少し触れている。それぞれのチームにもスポットが当たっているが、映画があくまでAKB劇場にほぼ限定するような形だったのに対して、映画で出てこなかったチームで回った全国ツアーの方にスポットを当てたり、個別インタビューは映画と同じ時に撮影したものが使われるも内容は被っておらず、基本的に映画とは別角度からのものになっている。こちらの方がメディア寄りというか、劇場公演を知らないTV向けという感じか。これもまた高橋みなみのリーダーシップや、メンバーの情熱を存分に感じられる内容になっている。努力する過程を見せるというのもアリだなと思った。DISC-3,4
映画で使用されたインタビューが短かったのでそれの完全版。ということだったが、実際には映画でもNHKでも未公開の部分だけが収録されている。そのため重複が無い。てっきり全て収録されていると思ったのだが各自10分前後くらいしかないし、完全版というよりかは未公開パートと言った方が正しいんじゃないかと思う。撮影時間に対してこれでもかなり削っていると思われ、特にせっかく地元に帰った柏木由紀、指原莉乃やスキー場まで行った大島優子なんかはもうちょっとその利を生かした内容が見たかった気がする。指原なんか祖父母に会って号泣しているだけでほとんど終わってしまい、語りが少ない。それとこのメンツの中に昇格したばかりの横山由依が入っているのは少し謎だ。昇格したばかりというポジションだから選ばれたのか。DISC-4の「1期生ある日の食事会」は小嶋陽菜が病欠欠席になってしまって参加していないが、1期生だけの何でもないトークが聞ける。特に真面目に語り合っているのではなく、本当に食事の場らしいどうでもいい話をしているだけである。メンバーの関係性が垣間見える感じでそれなりに面白い。映画本編のインタビューに呼ばれなかった唯一の1期生、平嶋夏海は初期から知っているファンでもない限りは、選抜経験もほとんどなく、さらに07年にはサポート役で当時3期メンバーで構成されていたteam Bに移動していたので1期だったの?という感じ。映画本編でも出番が無く、この食事会で明らかに唐突に出てきた感じはするけど、ここでもそこまで目立ってはいない。ただ1期生の中で唯一学業を優先してきて縁の下で支えるような活動をしてきていた平嶋のインタビューこそ、恐らく他の1期生や選抜メンバーとも全く違う話になっていただろうから是非聞きたかった。
今見ても真剣な思いが伝わる内容ではあるがサブタイトルにもあるように、10年後になってみるとまた面白いと思う。この時期にこういう形で思いを残せたのは良かったんじゃないだろうか。
なおコンプリートエディションは1万越えという値段を考えると、DISC-3,4の内容は少しボリューム不足に感じる。というのも明らかにまだ素材がたくさんありそうなんだよな…。
総合DVDチャート初登場5位(スペシャルエディション扱いになっているがコンプリートが加算されているかは不明)
5位(32,725)→8位(8,728)→12位(4,480)→25位(2,237)→30位圏外 売上4.8万枚
★★★★☆