なんてったってAKB48

No タイトル 作詞 作曲 編曲 原曲、備考
<昭和>
1 年下の男の子 千家和也 穂口雄右 lull キャンディーズ(1975)
2 UFO 阿久悠 都倉俊一 小森茂生 ピンク・レディー(1977)
3 チェリーブラッサム 三浦徳子 財津和夫 奥井康介 松田聖子(1981) 12/17先行配信
4 時をかける少女 松任谷由実 松任谷由実 田中ひなの 原田知世(1983)
5 なんてったってアイドル 秋元康 筒美京平 哥丸雄貴 小泉今日子(1985) 11/20先行配信
6 DESIRE-情熱- 阿木燿子 鈴木キサブロー 椎名和夫,久保田邦夫 中森明菜(1986)
7 じゃあね 秋元康 高橋研 田中ひなの おニャン子クラブ(1986)
<平成>
8 淋しい熱帯魚 及川眠子 尾関昌也 K3CP Wink(1989)
9 Body & Soul 伊秩弘将 伊秩弘将 金ア圭介 SPEED(1996)
10 LOVEマシーン つんく つんく 久保田邦夫 モーニング娘。(1999) 12/17先行配信
11 行くぜっ!怪盗少女 前山田健一 前山田健一 前山田健一 ももいろクローバー(2010)
12 君の名は希望 秋元康 杉山勝彦 杉山勝彦,YouSee 乃木坂46(2013)
<令和>
13 オトナブルー 新しい学校のリーダー達 yonkey YouSee 新しい学校のリーダーズ(2020)
14 可愛くてごめん shito shito 田中ひなの HoneyWorks(2022)

リリースデータ

2024年12月25日 初登場1位 売上21.5万枚 Total Producer:秋元康 EMI Records(ユニバーサル)

メンバー(独自表記)
8月に卒業発表していた込山榛香はこの時点で未だ卒業時期未定のままだが全員曲にも1人だけ参加していない事が明記されており参加曲なし。

13期 岩立沙穂、村山彩希
15期 福岡聖菜、向井地美音
チーム8 小栗有以、倉野尾成美、坂川陽香、下尾みう、橋彩音、徳永羚海、永野芹佳、橋本陽菜
ドラフト2期 千葉恵里
16期 鈴木くるみ、田口愛佳、長友彩海、武藤小麟、山内瑞葵
ドラフト3期 大盛真歩
17期 太田有紀、佐藤綺星、橋本恵理子、畠山希美、平田侑希、布袋百椛、正鋳真優、水島美結、山ア空
18期研究生 秋山由奈、新井彩永、工藤華純、久保姫菜乃、迫由芽実、成田香姫奈、八木愛月、山口結愛
19期研究生 伊藤百花、奥本カイリ、川村結衣、白鳥沙怜、花田藍衣
20期研究生 大賀彩姫、近藤沙樹、丸山ひなた

AKB48、10thアルバム。初のカバーアルバム。2018年1月の『僕たちは、あの日の夜明けを知っている』を最後にアルバム発売が途絶えていたため、6年11ヶ月ぶりのアルバムとなった。ベスト盤含めた通算カウントで10thアルバムと公式に銘打たれている。"アイドルタイムマシン"をコンセプトに昭和、平成、令和のアイドルソングを時系列にカバー。秋元康が作詞プロデュースに関わった楽曲も3曲選曲されている。「なんてったってアイドル」がリード曲として通常のシングルと同じような選抜メンバーによる歌唱で11月20日に先行配信されMVも制作された。12月17日には「チェリーブラッサム」「LOVEマシーン」が先行配信された。

初回盤は「AKB48劇場リニューアル前最終公演〜6843日目の記録〜」、「AKB48劇場リニューアル前最終公演〜6843日6552公演の思い出をありがとう。〜」から4曲のライブ映像を収録したBlu-ray付。応募抽選シリアルナンバー券・メンバーセルフィーカードデス1種をランダム封入。
通常盤はCDのみ。オリジナルトレカ1種ランダム封入。
Official Shop盤は「2ショット写真会」「1ショット写真付きオンラインお話し会」参加権利、メンバー個別生写真1種をランダム封入。
CDは3種全て共通。曲違いが生じないのは2012年の『1830m』以来となった。

基本的に原曲アレンジをそのまま打ち込みし直したような"アレンジ"というよりほぼカラオケ音源制作に近いようなコピーアレンジが施されており、「DESIRE-情熱-」の椎名和夫、「行くぜっ!怪盗少女」の前山田健一、「君の名は希望」の杉山勝彦など原曲の単独編曲者が併記されているかそのまんまになっている楽曲もある。原曲アレンジャーの名前がある曲と無い曲にどのような差があるのかは不明(原曲編曲者が参加しているかいないかに限らず全曲コピーアレンジである事に変わりはない)。また編曲者はいずれもいつもの常連作家陣ではなく、新規参加者となっている。

全員参加扱いの「LOVEマシーン」、選抜扱いのリード曲「なんてったってアイドル」以外は少人数編成のユニットかソロになっており、AKB48にしては珍しくメンバー個人個人をなるべく前に出そうとしたような編成。そもそも姉妹グループからも兼任や選抜で大量参加させて肝心のAKB48本体の若手メンバーをおざなりにしたのがAKB48本体の衰退のきっかけになったわけで、さすがにこれくらいは最低限しないとダメだろうという事を今更になってようやくやり始めた感じ。衰退期のエース格としてセンター経験もある小栗有以、センター経験はないが2011年から活動している古株で今作発売2日後に2025年6月での卒業を発表した功労者の村山彩希、今年加入の19期研究生の伊藤百花と3人にソロ曲を与え、キャンディーズは3人、ピンク・レディーとWINKは2人、SPEEDと新しい学校のリーダーズは4人、ももいろクローバーはオリジナルではなく5人編成の再録バージョンももいろクローバーZ仕様の5人…とオリジナルの人数に合わせていて個人個人のソロ歌唱も目立つようになっている。チーム制が廃止されていたのも良かったのかもしれない(チーム制が残っていたらチーム曲だけで枠を浪費してどこで誰が歌っているのか分からない大人数曲が増えるし…)。

ただ"アイドルタイムマシン"をコンセプトにしたといえば聞こえはいいが、原曲のコピーアレンジとそこに引っ張られてのコピー歌い回しが過ぎる完全なカラオケコピーカバーと化しており、こんなのは番組企画でやってせいぜい単発ライブと映像化、わざわざスタジオ収録音源を作品として残すような企画ではないような…。乃木坂46がやっている「スタ誕」シリーズみたいな冠番組をもう持てないからCDにしちゃいました的な1作だ。「Body & Soul」のイントロや間奏で出てくるメンバー以外のやたらパワフルなあのコーラスまで忠実にコピーしているのはちょっと笑えてくるし、「行くぜっ!怪盗少女」で"We are the ももいろクローバー"のところまでそのまま歌うのはどうなのか(さすがにその後のメンバーの名前を並べ立てる部分は今作の歌唱メンバーに変えている)。もうちょっと独自の解釈というか現代のAKB48っぽいアレンジに変えてもいいんじゃないかと思ったんだけど、新規のアレンジャーばかり起用している事からもコピー前提の企画でアレンジャーというよりコピー職人として呼ばれたのだろう

というわけでカラオケカバーアルバム…それ以上も以下でもない。昭和と平成&令和でちょうど半々になっていて一見バランスよく見えるが、昭和が70,80年代の2年代しかないのに対して平成&令和は80年代末〜20年代序盤までと3年代+2年代の一部に至っており、00年代がゼロだったり、最後のHoneyWorksはアイドルじゃないだろ…というところも含めてAKBの歴史と重なる部分は難しかったのかなと。リスナー層も後半はリアルタイムという世代は多そうだし。

一応ソロ歌唱多めだったり、そのソロ歌唱にあからさまなヘロヘロ歌唱が無くみんな一定以上歌えている印象。小栗有以なんか2017年にはソロコンサート、2018年には表題曲センターもやっていたのにソロ曲を発表するような枠も無かったので音源としてはこれが初ソロ。ソロ〜2,3人の少人数編成を任された人たちの単独の歌声がハッキリ聞けるのは今作唯一の醍醐味だろう。SPEEDだけは原曲の島袋・今井の当時の歌唱にパワーがありすぎて並の歌い手では到底及ばずヘロヘロに聞こえてしまうのは仕方ない…。ただこのままだとAKB48在籍時に残した目立つソロパートのある曲もしくはソロ曲が今作のカバーだけ…なんて事にもなりかねない。早速リード曲「なんてったってアイドル」センターに抜擢され、「DESIRE-情熱-」をソロ歌唱と今作で大活躍している村山彩希が発売2日後に卒業を発表してラストセンター&唯一のソロがカバーという事に…。

B0DJLW4CK5初回盤Blu-ray付  B0DJLW9V26通常盤 

印象度★★★☆☆

※今作はAmazon Musicのみで視聴したためCD(ブックレット)を手に取っていません。

2025.1.12更新

戻る