次の足跡(Type-A,B)

劇場盤は15曲目に「散ればいいのに…」(新曲)を追加収録した1枚のみ。

リリースデータ

メンバー表記なし(各楽曲にカーソルを合わせると歌唱メンバーが表示されます)
これまであった全体メンバー表記が無くなった(マネージャーや制作スタッフ表記はある)。
総選挙とじゃんけん曲は順位、後はAKB48メンバー→姉妹グループメンバーのあいうえお順。
曲ごとの歌唱メンバー表記はあるが、チーム別の4曲とてんとうむchu!の合計5曲はグループ名の表記だけでメンバーが表記されていない(ここではwikipediaに従って追記している)
チームKの佐藤亜美菜は発売前の時点で卒業公演を終えているが、卒業公演と今作発売の期間から「共犯者」の収録時は在籍中であり、参加していると思われる。
AKB48から姉妹グループへ兼任している場合は特に表記していない。

AKB48、5thアルバム。オリジナルアルバムとしては3枚目。前作以降26th〜32ndまでのシングルA面7曲を収録。発売済みの「ハート・エレキ」「鈴懸(略)」の2作は未収録。DISC-1はシングル7作すべてと、その7作の劇場盤のみに収録されていたC/Wが7曲全て網羅されている。また劇場盤にのみ15曲目に新曲「散ればいいのに…」が収録されている。劇場盤はDISC-1のみ。一般発売では初の2種発売で、Type-A、BのDISC-2は全て収録曲が異なる。2曲のC/Wと9曲の初収録曲で11曲という構成。新曲もあるが、恒例の映画主題歌「After rain」を筆頭にCMタイアップ曲や、2012年の夏ドラマ「マジすか学園3」の主題歌・エンディングだった「ぽんこつブルース」「動機」など発表はされていたが音源化されていなかった楽曲がCD化されているものの、AKB48名義の作品では映像でしか収録されたことが無い「Sugar Rush」を筆頭にCM等で既にOAされているにも関わらず音源化されていない楽曲もまだ複数残っている。Type-Aのみ初回盤が存在し、収録時点で在籍していたAKBグループ257人のエア握手映像を延々収録したDVD付となる。3作連続でO社ミリオンを達成したが、発売パターンが1種増えたにも関わらず売上は伸びなかった。またO社初動96.2万枚に対して、劇場盤をカウントしないサウンドスキャンではType-A(初回、通常)、Bの3種合計の初動は17.6万枚だった。

DISC-1
新曲なしのシングルコレクション。売上の大半を占めている劇場盤のC/Wだけを網羅。前作でも同様に劇場盤C/Wだけ全作網羅していたがこれをする意味が分からない。最も中古市場とゴミ処理場で飽和投げ売り&投げ捨てされている盤に入っている曲だけをわざわざアルバムで網羅してもファンは大量に持っているのでは？劇場盤は一般流通はしないので一般発売作品のみを買うリスナー層と握手メインの層は別と考え、一般発売作品のみを買うリスナー層のみにターゲットを絞っているのだろうか？今作の劇場盤を大量に買うとさらに重複するので握手メインの層には嫌がらせに等しい気がするんだけど…。

劇場盤のC/Wは基本的には若手を起用するので当時の研究生、今作発売時点では峯岸チーム4になったメンバーによる歌唱だが、その時々の都合で構成が異なる。総選挙やじゃんけんがA面の時は不参加になってしまうメンバーを一挙まとめて参加させたり、48グループの若手で構成したり、選抜メンバーで構成したりもしている。劇場盤は全て未入手なのでPVが制作されて後のシングルの特典DVDに収録された「LOVE修行」以外は全て初めて聞いたんだけど、一応1本調子にはなってないし、そこそこにキャッチーでそれぞれに色があるアイドルポップが並んでいる。バラードの「大人への道」を最後に配置した事でなんとなくアルバムとしても綺麗に締めくくったような流れになっている。A面曲は実際の売上はともかく、TVでも大量に流れまくった曲たちだし、シングルを追う事が出来なかったリスナーにとってはシングルコレクション的な役割も果たしているので、とりあえずシングルだけ一気に聞きたいなら、中古市場で投げ売りされている劇場盤を入手するだけでもいいかもしれない。

DISC-2
AとBで全曲違うというジャニーズでもやった事の無いような圧倒的な複数商法。ここまで来ると潔いというか、アルバム2枚同時リリースみたいなものだろう。数曲違う程度よりは逆にマシかも。C/W4曲は別にいらなかった気がするが、ある程度の話題性を伴った重要な曲という事で収録したのだろう。思ったよりは多彩な曲が並んでいて聞いている間はそこそこ楽しめるが、聞き終えるとどれもAKB王道のアイドルポップだったという印象のみが残り、曲数の多さに消化不良に陥る。個人的には「マジすか学園3」を見ていた事もあり、島崎遥香のソロがあるType-Bの方を期待していてそっちはそっちで良かったんだけど、Type-Aもやたらセクシーな歌い方が何だか逆に笑えてくる「シャワーの後だから」、仕事しない父親(?)に死ねばいいと言い放つ「10クローネとパン」、警官を殴って鑑別所行きになって若さを削ったという衝撃的展開で少年院系アイドルポップという未開の地を開拓した「確信がもてるもの」といった3連発の歌詞が何だか凄く強烈だった。

一方で『次の足跡』と題しておきながら、ラストを飾るのは前田敦子の卒業ソングである「夢の河」って…。次どころか『過去の足跡』じゃないか…。こんな後ろ向きな終わり方でいいのだろうか。前田敦子は前作で「桜の花びら」をソロで歌ってAKB48としてのラストを飾ったはずだったのに、その後のシングルで「夢の河」を発表するという卒業展開を重ねて行い、さらに後のシングルでは「桜の花びら」のPVを過去映像で制作するなど卒業してからも卒業展開を何度も繰り返した。今作までの間に卒業していき、C/Wに収録していた篠田と板野の卒業ソングは今作にスルーしておいてこの期に及んでまた「夢の河」を収録するというのはさすがに前田敦子の足跡を引きずりすぎだ。ここは大島優子の卒業ソングで締めるのが妥当だったんじゃないのか？

そして歌唱メンバーに関してはJPN48化が極まり、最早「AKB48」の作品ではなくなってしまったのも非常に気になる。メンバーを組み合わせての楽曲が多いが、どれもJPN選抜となっており、肝心の純AKB48メンバーはチーム曲が1曲ずつあることで全員参加をかろうじて達成している。アルバムでこそ、出番の少ない非選抜メンバーに歌わせればいいのにこんだけ曲数があってもいつもの選抜メンバーと姉妹グループのトップの人たちだけで埋まってしまうなんてどうしてこうなってしまうのか。その辺りが原因でついにメンバー表記がされなくなってしまったのかもしれないが、これでは誰が在籍していて誰が卒業したのかすら今作では分からない。もう少しAKB48の作品としてAKB48のメンバーを大事にしてほしいと思う。

初回盤DVD付Type-A　　Type-A　　Type-B　　劇場盤　

印象度★★★☆☆

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