存在

No タイトル 作詞 作曲 編曲 備考
1 いつか… 秋吉契里 秋吉契里 C.crew  
2 僕がいなくても 秋吉契里 秋吉契里 C.crew 3rdシングルC/W
3 HAPPY BIRTHDAY FOR YOU 秋吉契里 秋吉契里 C.crew 1stシングル 100位圏外
4 熱くならなきゃだめこれも恋だから 秋吉契里 秋吉契里 C.crew 3rdシングル 100位圏外
5 存在 秋吉契里 秋吉契里 C.crew  
6 あなたをただ愛して ただそれだけで生きてゆける 秋吉契里 秋吉契里 C.crew 4thシングル 100位圏外
7 ねぇ… 秋吉契里 秋吉契里 C.crew 1stシングルC/W
8 愛なんて 秋吉契里 秋吉契里 C.crew 2ndシングル 100位圏外
9 雲の階段 秋吉契里 秋吉契里 C.crew  
10 運命の扉 秋吉契里 秋吉契里 C.crew  

リリースデータ

1997年12月10日 100位圏外 Produced by BMF Room Records

秋吉契里1stアルバム。97年2月デビュー。ここまでの4シングルからC/W含めて6曲を収録。2ndC/W「きっと忘れるための」、4thC/W「宇宙の法則」の2曲が未収録。Musicans枠で全エレキギターを中島正雄全キーボードを池田大介が演奏しているという表記があるが、何故か目次の作詞作曲編曲クレジットの部分にも"編曲 C.crew Daisuke Ikeda All Keyboards"と池田大介のみ重複してクレジットされている。この他「いつか…」のベースを徳永暁人、「存在」のブルースハープをTomohiko Katoh、「雲の階段」のコーラスをKyotaro Murakamiが担当。シングルは全て100位圏外、今作も100位圏外となりランクイン記録は残されていない。

C.crewというのが何者なのか謎だが、たぶん他での活躍ぶりから池田大介がアレンジを担当していて池田大介のキーボードと中島正雄のエレキギターを中心としてアレンジしているのでユニット名のようにしたのではないか。中島正雄のギタークレジットがAll Electric Guitarとわざわざエレキのみである事が表記されているが、実際にはアコースティックギターを主軸にしてエレキギターと一緒に鳴らしている曲がほとんどで、このアコースティックギターを誰が演奏しているのか記載されていない。表記が間違いでギターは全て中島正雄なのか、無表記で誰かが弾いているのか、本人の弾き語り系スタイルだったのか。本人露出もほとんどなく、名前以外は不明(04年死去発表時に享年35歳と公表された事で今作リリース時点で28歳だった事は判明している)なのでどういうパフォーマンススタイルだったのかは全く分からない。

そんなわけでサウンド自体は池田大介が当時ZARD、FIELD OF VIEW、DEEN等でアレンジしていた時の作風に近く、90年代のオケヒ連発の作風から脱却してロックバンドっぽいストレートなバンドサウンド風。アコースティックギターとピアノを軸にしてフォーク・ロック系のシンプルなバンドアレンジでまとめていて歌声もあまり大きな特色のない綺麗なお姉さん系なので音だけ聞くと割と爽やか。似たようなアレンジで統一されていていかにもビーイングなところはあるけど、個人的にこの時期の池田大介のアレンジがビーイング全体の中でも1番好みだったりするのでけっこう気に入った。

しかしこの人のシンガーソングライターとしての真髄はメロディーやサウンドよりも何よりも歌詞にある。1曲1曲とても言葉数が多いので歌詞カードもかなりぎっしりしているが、いわゆる情念系とでもいうべき独特の愛情表現や達観した視点など自身の感性を詰め込んだ言葉がつらつらと並んでいてひたすらに重い。当時売れなかったがこの歌詞の作風を評価する声が後年もじわじわ高まっていて知る人ぞ知る存在となっていったようだけど、確かにこの人は歌詞だなと思った。共感できるかは置いておいても言葉に重みがある。これで歌声が椎名林檎のようなすぐにそれと分かるほどの個性系だったらパッと聞きでも引っかかるリスナーが多かったんじゃないかとも思った。

存在

印象度★★★☆☆

2020.3.15更新

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