WHITE

リリースデータ

アンジェラ・アキ5thアルバム。前作から1年ぶり。前作以降のシングル「始まりのバラード/I Have a Dream」を2曲とも収録。今作はシングル含めてオリジナル5曲、カバー5曲で構成されている。「津軽海峡・冬景色」は石川さゆりの代表曲のカバーで今作のプロモーション楽曲となり、MVも制作された。「My Grandfather's Clock」は平井堅がカバーした日本語の「大きな古時計」ではなく、原題オリジナルの英語詞でのカバー。「Honesty」はBilly Joelのカバー。「モラルの儀式〜revival〜」と「HOME」は自身の過去の楽曲のセルフカバー。「HOME」は童謡「ふるさと」とのメドレー形式になっている。初回盤は「HOME SWEET HOME "5YEARS"〜ベストヒット＆オールリクエスト〜SPECIAL MOVIE」、「ワシントン・ナショナル・ギャラリー展ダイジェスト」、「始まりのバラード」MVを収録したDVD付。シングルではトップ10入りを逃したがアルバムではトップ10入り。順位は前作より1つ上げたが売上は下がった。「One Family」がNHKタイアップ(「宇宙の渚」テーマ曲)だったこともあって、6年連続の紅白出場を果たしたが、これが最後の紅白出演となった。また今作発売直前に妊娠を発表。年内は紅白出演まで活動を継続したが、2012年2月に出産して2012年前半は産休となった。

半分がカバーという事でオリジナルアルバムとしてはやや異色の作品となった。当時は最初からそういう構想だと語っていたが、後に前作までの充実感達成感による反動や東日本大震災の影響もあって新曲が書けないスランプ状態に陥っていたと告白しており、カバーやセルフカバーを揃えてようやく10曲のフルアルバムとなったのはスランプが影響していたようだ。このためやや散漫な印象もあるというか企画作品のようにも思えるアルバムになっているが、新曲はどれも充実していると思う。「始まりのバラード」は王道的なバラードではあるけど、新たなステージに向かおうとする決意(というか当時は願いだったのかもしれないけど)が強く出ていて非常に染み渡るものがある。単なる王道バラードに留まらないような力のある1曲だ。またカバーがシンプルなバラード系に集中しているのに対してオリジナル曲は比較的軽快な曲になっているので、「フリオ」や「目撃者」などのアルバムの新曲がけっこう光る存在感を発揮している印象。

「津軽海峡・冬景色」のカバーも悪くは無いんだけどこの曲のカバーをリード曲のようにして話題を引っ張るのは異色のカバーというインパクトだけで終わってしまっている感じもあってちょっと違ったんじゃないかなと思う。

初回盤DVD付　　通常盤　

印象度★★★★☆

2019.3.15更新

戻る