月の円盤(初回限定盤B)

No タイトル 作詞 作曲 備考
1 佐々木健太 佐々木健太/藤森真一  
2 小さな哲学 佐々木健太 藤森真一  
3 シュート 佐々木健太 佐々木健太  
4 ルノの子 藤森真一 藤森真一  
5 プールサイドヒーローズ 佐々木健太 藤森真一 22/10/12配信シングル
6 ツキノフォン 佐々木健太 佐々木健太  
7 夏の金網 佐々木健太 藤森真一 21/11/4配信シングル、公式通販限定シングルCD

 

初回限定盤B DVD
No タイトル 備考
aobozu LIVE 2022 OTOMOTO〜百景'22〜
1   演奏前
2 雨の強い日に 2ndアルバム『ソーダ』収録曲
3 ハニービースマイル 3rdアルバム『ハナミドリ』収録曲
4 音楽室から見た虹 1stミニアルバム『ブルーメリー』収録曲
5 ジムノペディック 3rdアルバム『ハナミドリ』収録曲
6 柔らかいローウィン 3rdシングル『桜の足あと』C/W、3rdアルバム『ハナミドリ』収録曲
7 ハローグッバイ 4thシングル
aobozu LIVE 2023 OTOMOTO〜田中 NOT DEAD〜
8 低迷宮の月 5thアルバム『ミズカネ』収録曲
9 靄がかかる街 7thアルバム『ココーノ』収録曲
10 虫の勾配 2ndミニアルバム『S/Normally』収録曲
11 ポルツ 5thアルバム『ミズカネ』収録曲
12 夜はひらめく 6thアルバム『ノクティルカ』収録曲
13 プールサイドヒーローズ 22/10/12配信シングル

リリースデータ

2023年5月25日 初登場56位 売上0.1万枚 Produced by 藍坊主/時乗浩一郎 Luno Records/タワーレコード

メンバー

Vocal,Programming&Chorus hozzy(佐々木健太)
E.Guitar,Programming&Chorus 田中ユウイチ
Bass,Programming&Chorus 藤森真一

藍坊主5thミニアルバム。前作から3年10ヶ月ぶり。前作以降ドラムの渡辺拓郎が脱退を表明していたのと新コロ騒動による活動停滞により、2020年は新作発売は無かったが、2021年になって渡辺拓郎の脱退発表、7月に配信での最終ライブを決行。メンバーはバンド活動継続を強く表明、加えてファンの間では噂されながらも非公表だった藤森真一が平日会社員、週末バンド活動を行っている事を自ら公表した(ダブルワークは藤森のみで半月酒場(hozzy&田中ユウイチ)での活動は平日週末関係なくライブも行っていた)。やがて9月に3人体制になって最初の新曲「夏の金網」を配信&公式通販CDで発表。2022年には「プールサイドヒーローズ」が発表されるもなかなかアルバム制作に至らなかったが、2023年3月になって今作の発売が告知された。

事務所グッデイ時代の先輩バンドPICK2HANDSドラマーだったHAZEを新たなサポートドラムに迎えている。「プールサイドヒーローズ」はタイアップの関係から曲自体は渡辺拓郎在籍時に制作されており、この曲のみドラムは渡辺拓郎だとインタビューで明言されているもののクレジットはされていない

初回限定盤ALPサイズジャケットフォトアート仕様。ジャケットがLPサイズなだけで中身はCDであり、他に特典も付属しない(DVDもつかない)。"ラスター紙を使用し、レコードサイズのジャケットをアート作品としてお楽しみいただける作品。特殊パッケージ仕様による限定数での販売"とされている。
初回限定盤Bは2022年12月6日新宿BLAZE「aobozu LIVE 2022 OTOMOTO〜百景'22〜」から6曲、2023年3月26日キネマ倶楽部「aobozu LIVE 2023 OTOMOTO〜田中 NOT DEAD〜」から6曲を収録したライブDVD付
通常盤はCDのみ。

3作連続のミニアルバム、3作連続での時乗浩一郎プロデュース体制だがやはりドラム渡辺拓郎の脱退は大きい。ドラムの存在感はけっこう分かりやすく変わっていて渡辺拓郎のドラムはとにかく鬼神の如く迫力があったが、今作でのHAZEのドラムは比較的落ち着いて聞こえる。現状の藍坊主にはhozzyの喉の状況もあってもう全盛期ばりの高音でガシガシ押していくような曲はやれないだろうし、どうしても低めで落ち着いていくことは避けられないため、結果的には今の藍坊主、これからを考えてもHAZEのドラムスタイルはけっこうしっくり来るんじゃないかという気はしている。まあ4人時代のストックだったという「プールサイドヒーローズ」のこれぞ藍坊主っぽさは3人になって最初に発表した同系統の「夏の金網」より遥かにこれぞという感覚があるのも否めない。それでも「プールサイドヒーローズ」は過去のセルフパロディみたいな印象もあったので、3人での新たな藍坊主はこれまでとは少し違う道の先に期待できる未来もまだあるんじゃないかなとは思っていた。

とはいえ今作に関しては「卵」が新曲の中では最も王道的な楽曲ではあるが、期待を越えていくほどではないか…。前々作でhozzyのモチベーションの回復と時乗浩一郎との再会効果で息を吹き返し、前作は一段落ち、今作でさらにもう一段インパクトが落ちたな…という感じで段々にまた下ってきているようなイメージ。東日本大震災以降でもhozzyが影響を受けて調子を落としていたが2020年以降のhozzyはなかなか曲を書く気にならず藤森が地道に曲を書きあげていたという話も出ているようにhozzyのモチベーションはかなり繊細なようであの時ほど落ちてはいないようだが、それでも落ちてはいたようだ。今回単独作曲になっている曲は難解な雰囲気に戻っていたりもする。藍坊主はGOINGやLUNKHEADのように経営状況を明かしてはいないが、事務所代表のはずの藤森が週末ミュージシャン(平日フル勤務の会社員)になっている辺りからしてある程度お察しな感じの経営状況と思われる。メンバー脱退、新コロ活動停滞もあってさらに時乗浩一郎と再会して3作目となると時乗効果も薄れてきて…というところでまあ普通に前2作から緩やかに下に位置する1作という印象には落ち着いてしまう。2023年のアルバムの中ではそれでも上位だし、まずまずの期待通りの1作ではある。

初回盤DVDはDVDで2本のライブからの6曲ずつの抜粋で約1時間。MVやドキュメントまたはDVDではない冊子の別特典になる事が多く、純粋にライブ映像が特典映像になるのって初のDVD付だった『フォレストーン』以来だったりして…。最後のライブDVDも2015年の『ココーノ』を引っ提げてのトイズファクトリー時代最後にして現時点で最後のホール公演(渋谷公会堂)で、『Luno』の初回盤DVDの翌2016年のツアーはドキュメント映像だけだったのでライブ映像が商品化されるのが7,8年ぶりか。正直hozzyの声の調子は加齢に抗えずに悪化している印象だったんだけど、今作では2015年、2016年(ドキュメントの合間に漏れ聞こえた音声のみ)の時よりはだいぶ持ち直しているようには感じられた。野音や武道館でやった全盛期でも安定感はそこまでなかったし、ファンの間でもライブがなぁ…(ファン以外に勧めにくい)という声は一定あるみたいだけど、前半の若い頃の楽曲もまずまず声が出ていてガッカリするほどではない。後半はメンバーセレクトライブという事もあってややコアな印象だが珍しいライブ映像が見れるのは貴重だ。

ライブではレコーディング音源以上に激しかった渡辺拓郎のドラムと、落ち着いた雰囲気のHAZEのドラムの違いが出ているように思う。やはり40代以降の藍坊主としてはHAZEのドラムというのはかなり適した感じになるんじゃないかなという気はした。

B0C22PZHZP初回盤A(LPサイズジャケ)  B0C22S2D6F初回盤B(DVD付)  B0C2355845通常盤   

印象度★★★★☆

2023.7.2更新

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