ソルファ(2016)
No | タイトル | 作詞 | 作曲 | 備考 |
1 | 振動覚 | 後藤正文 | 後藤正文 | |
2 | リライト | 後藤正文 | 後藤正文 | 5thシングル |
3 | ループ&ループ | 後藤正文 | 後藤正文 | 4thシングル |
4 | 君の街まで | 後藤正文 | 後藤正文 | 6thシングル |
5 | マイワールド | 後藤正文 | 後藤正文 | |
6 | 夜の向こう | 後藤正文 | 後藤正文 | |
7 | ラストシーン | 後藤正文 | 後藤正文 | |
8 | サイレン | 後藤正文 | 後藤正文& 山田貴洋 |
3rdシングル |
9 | Re:Re: | 後藤正文 | 後藤正文& 山田貴洋 |
22ndシングル(今作音源) 最高9位 売上1.6万枚 |
10 | 24時 | 後藤正文 | 後藤正文 | |
11 | 真夜中と真昼の夢 | 後藤正文 | 後藤正文 | |
12 | 海岸通り | 後藤正文 | 後藤正文 |
リリースデータ
2016年11月30日 | 初登場4位 | 売上3.3万枚 | Produced by ASIAN KUNG-FU GENERATION | Ki/oon Records |
メンバー
Vocals,Guitar | 後藤正文 |
Guitar,Vocals | 喜多建介 |
Bass,Vocals | 山田貴洋 |
Drums,Percusions | 伊地知潔 |
ASIAN KUNG-FU GENERATION2ndアルバムの再録音アルバム。04年の2ndアルバム『ソルファ』を全曲再レコーディングした作品だがリアレンジではなく、一部間奏が変更された楽曲もあるが、基本的に原曲アレンジのままで再録音が行われている。16年3月には今作収録の音源による「Re:Re:」がシングルとして先行リリースされていた。この時点では正式な発売告知は無かったが、既にレコーディングが行われている事は明かされていた。曲順は1曲だけ変更になっており、オリジナル盤では最後に収録されていた「ループ&ループ」が3曲目に移動している。初回盤は「夕暮れの紅」 Recording Documentary、「夕暮れの紅」 Music Clipを収録したDVD付。これは本編には未収録の「リライト」C/Wだった「夕暮れの紅」を今作と同じ手法で再録音する過程を追ったドキュメント&メンバーが今作への思いを語るインタビュー映像となっている。Music Clipもこの際に収録されたスタジオライブ風の映像となっている。
正式な今作のタイトルは『ソルファ』であるため、オリジナル盤と全く同じとなっている。このためO社チャート上の表記も『ソルファ』のままでオリジナル盤とは別の新規での集計がされた。ジャケット絵はほぼ同じだが初回盤はバックが銀色、金色の雲などが追加(スリーブケースに付属)、通常盤は背景が青になるなど見た目もパワーアップしているので見分けはつけやすくなっている。ただタイトル表記において区別がつかないため、便宜上「ソルファ(2016)」として表記する事で区別している販売サイトやリスナーが多い。
最大ヒット作である『ソルファ』は、全アルバムを聞いて考えても紛れもなく代表作であり、とりあえずオリジナルアルバムを最初に聞く際に最新作でないならまずはこれという1作だと思う。ただメンバーにとっては必ずしもそうでなく、当時はもちろん全力を尽くしたようだが今になってみればボーカルにしてももっとこうしておけば良かったという部分が多かったらしく、演奏技術にしても当時は下手だったという意識が強く、特にボーカル後藤が再録音したいという意志が強かった模様。あえて新たなアレンジを施さずに、今の力量での演奏に徹した事で、アレンジ変更に関する考え方の差で揉める事も無く、メンバー全員にとって楽しい再録音作業で満足の1作となったようだ。
細かいフレーズなどは現在の演奏でそれなりに変わってもいるようだがパッと聞きはほぼ同じであり、単純にサウンドがパワーアップしていて好感触。何より12年も経つと演奏はともかくボーカリストによっては声質の変化やキー下げなどを余儀なくされるケースも稀にあるだけに、今作のようにリアレンジではなくほぼそのまま再録音するというのは意外と難しい。それが出来てしまったというのは凄い事だと思う。
一方でオリジナル盤の良さを良くも悪くもガムシャラさにあったととらえているリスナーにとっては、妙にこなれてしまったように感じて微妙だと思う。実際後藤のボーカルは音域が広がったことでかなり余裕があり、特に代表曲である「リライト」のサビに顕著なようにかなりマイルドになっている。演奏以上にこの歌い方の変化でだいぶガムシャラさは薄れた。ただそれはオリジナルの良さであり若さだ。今作で求めるべきは当時と変わらない若さではないし、そこまで同じなら再録音がそもそも必要ない。バンドの成長や円熟味は存分に出ていてそれが再録音の意図だろうし、がむしゃらさが無くなってもやはり今作はアジカンのアルバムの中では最も聞きやすい1作だと思う。また最後が「海岸通り」になった事で以前よりも綺麗に締まるようになったのは良かった。
印象度★★★★★
2017.3.11更新