SCENE V
No | タイトル | 作詞 | 作曲 | 編曲 | 備考 |
1 | birth | ASKA/松井五郎 | ASKA | 澤近泰輔 | |
2 | good time(album ver.) | ASKA | ASKA | 澤近泰輔 | 8thシングル 最高15位 売上5.3万枚 |
3 | 愛温計 | ASKA/松井五郎 | ASKA | 澤近泰輔 | |
4 | walking around the Xmas | ASKA/松井五郎 | ASKA | 鈴川真樹 | |
5 | 心に花の咲く方へ(album ver.) | ASKA | ASKA | 澤近泰輔 | 9thシングル 最高4位 売上2.9万枚 |
6 | 君の好きだった歌へのプロローグ | ASKA/服部隆之 | 服部隆之 | CHAGE&ASKA17thアルバム『Code
Name.1 Brother Sun』収録曲 「君の好きだった歌」のインスト |
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7 | 背中で聞こえるユーモレスク | ASKA/松井五郎 | ASKA | 澤近泰輔 | |
8 | loop("birth" reconstructive mix) | ASKA/松井五郎 | ASKA | 「birth」のリミックス | |
9 | 抱き合いし恋人 | ASKA/松井五郎 | ASKA | 佐藤準 |
Strings arrange:澤近泰輔(4)
リリースデータ
2005年11月23日 | 初登場6位 | 売上6.4万枚 | Produced by ASKA、山里剛 | ユニバーサル |
ASKA6thアルバム。『kicks』以来7年8ヵ月ぶりのオリジナルアルバム、ベスト盤含めてもソロアルバムは6年8ヵ月ぶり。88年、91年にリリースされた『SCENE』シリーズの14年ぶり第3弾。『kicks』以降、00年、03年にそれぞれ単発でリリースされていたシングル2曲はアレンジが変更されたアルバムバージョンで収録された。『SCENE』シリーズとしては初めて提供曲のセルフカバーが収録されておらず全曲オリジナルだが、「君の好きだった歌へのプロローグ」はCHAGE&ASKAとして発表した「君の好きだった歌」のインストとなっている。また「loop」は「birth」のリミックスとなる。今作のマスタリングはTed Jensenが担当し、今作と同時発売で『SCENE』と『SCENEU』をTed Jensenによるリマスターでセットにした『SCENE I & II limited edition』がリリースされた。また翌06年1月にはシリーズ3作から2曲ずつ選曲した6曲入りミニベストアルバム『SCENE of SCENE〜selected 6 songs from SCENET,U,V〜』もリリースされた。初回盤は「birth」「心に花の咲く方へ」のPVを収録したDVD付。「心に花の咲く方へ」のPVはシングルリリース時に制作したものなので音源はシングルバージョンとなる。
90年代まではCHAGE&ASKAと並行して毎年アルバムを仕上げ、時には同じ年にソロとチャゲアス両方を仕上げたりもしていたが、00年代になると一気に制作ペースが鈍化。なんだかんだ1作も新作が出なかった年は無いが、前作以降だと99年はソロベスト1枚、CHAGE&ASKA復活でシングル2枚、アルバム1枚、ベスト1枚をリリース。00年はソロでのツアーもあったが新作は「good time」1作のみ。この時期にソロアルバムの制作にも取り掛かっていたが韓国ライブの準備などがあって断念したことが伝えられている。01年はCHAGE and ASKAでシングル4枚、アルバム1枚をリリース。02年はセルフカバーアルバム『STAMP』をリリースするも新曲は織田裕二に提供して即座にアルバムでセルフカバーもした「そんなもんだろう」だけ。03年は「心に花の咲く方へ」とCHAGE and ASKA/Stardust Revue名義でコラボシングル「デェラ・シエラ・ム」をリリース。04年はCHAGE anda ASKAとしてシングル2枚をリリースするもアルバム発売は無く、25周年ということもあって旧作のBOX発売もあった。
新作ペースは鈍化したが、CHAGE and ASKAの活動はライブ中心で04年まで毎年ロングツアーを敢行していた。25周年を終えて05年になるとCHAGE and ASKAとしての活動はライブも停止となり、ようやくソロ作品へ本格的に着手する事になったようだが、リミックスとインストを入れても10曲に届かないなどフルアルバムというには厳しい曲数。どうしても曲がなかなか書けないスランプに陥ったように思ってしまう。
作品内容は凝縮されて気合の入ったものにはなっていると思う。しかしいかんせん89年と91年から時代も変わったので、続編というよりは別の作品にも思える。バラード中心というところくらいしか正直共通するところは無く、シリーズの特徴の1つだったセルフカバーも今回は入ってないし。今作はほぼ全曲にストリングスアレンジを施した優雅な雰囲気と全体にジャジーなテイストが強いかなり落ち着いた大人のためのアルバムといった印象。かつてのような美メロが炸裂するわけでもなく、地味といえば地味、上質な味わい深さがあるといえばあるような、当時のASKAと同世代のファン向けの作品といった色が強い。曲数が少ないのは気になったが、実際に聞いてみるとこれくらいがちょうどよく、これ以上長かったり曲数が多かったらちょっとダレていたと思う。
正直これ別にシリーズ第3弾じゃなくて、ASKAの新たな方向性を示す大人のためのアルバムとしてリリースした方が評価されたんじゃないかと思うんだけど、やはり全盛期の作品で広く知られた『SCENE』ブランドへの愛着と話題性を取った方が得策という判断だったのか。単純にシリーズにする事で「進化」を強調できる側面もあるし。ただ同時発売で前2作をセット販売したまではいいけど年明けに2曲ずつ6曲を収録したミニベストアルバム『SCENE of SCENE〜selected 6 songs from SCENET,U,V〜』をシリーズの入口になる作品などという理由をつけてリリースしたのは無理がありすぎた。あまりにも制作ペースが落ちすぎて、契約消化が厳しくなっていただけだったんじゃ…。
印象度★★★☆☆
2016.4.26更新