Get Set

No タイトル 作詞 作曲 編曲 備考
1 On Your Mark atagi,PORIN atagi 蔦谷好位置,KOHD(agehasprings) 21/2/21配信シングル
2 雪どけ atagi atagi 横山裕章(agehasprings) 21/11/24配信シングル
3 夏の午後はコバルト PORIN atagi TOSHIKI HAYASHI(%C)&SR23(StudioBridge) 21/7/6配信シングル
4 you atagi atagi ESME MORI 21/11/3配信シングル
5 Life still goes on atagi atagi 久保田真悟(Jazzin'park) 21/1/12配信シングル
6 color atagi atagi 田中隼人 21/4/29配信シングル
7 息させて atagi,PORIN atagi ESME MORI 21/12/15配信シングル
8 楽園 atagi atagi トオミヨウ  
9 ランブル atagi atagi 永野亮  
10 またたき atagi,PORIN atagi,永野亮 永野亮 21/4/21配信シングル

Brass Arranged by 蔦谷好位置,長橋健一(1)

リリースデータ

2022年3月9日 初登場39位 売上0.1万枚 cutting edge

メンバー

atagi
PORIN
モリシー

Awesome City Club4thアルバム。前作から1年1ヶ月ぶり。前作以降の配信シングル8曲全て収録。初出の新曲は2曲のみ。「またたき」「color」「夏の午後はコバルト」まではその都度配信されていてジャケ写もそれぞれ制作されていたが、「you」の配信時に今作の発売と7作連続配信リリースを予告、「you」以降のジャケ写は同系統で統一された。また7作連続リリースは第6弾、第7弾は発表されずに第5弾「On Your Mark」までで今作に到達した。「ランブル」がドラマ主題歌に起用されここまでのジャケ写を踏襲した新たなジャケ写のような画像が公開されているがこれが第6弾に該当する事になるのかは不明。

Blu-ray付には新木場USEN STUDIO COAST、中野サンプラザでのライブ2本を収録。
レンタル専用CD
は発売日直後の3月12日土曜日にレンタルを開始し(レンタルの水曜入荷が廃止されたので最速が発売週の土曜入荷)、中野サンプラザでのライブの模様から17曲を収録したライブCDが付属する。Blu-ray収録のライブからの抜粋CD化と思われるがライブ音源のみでは発売・配信されていないためレンタル専用盤でしか聞けない模様。

2015年にビクターからメジャーデビューしてシティポップ系という事で一部で注目を集めていたものの、大きなブレイクには至らずに2020年にエイベックスのcutting edgeへ移籍。2019年にはベース、2020年にはドラムが脱退してメンバーが3人(主な演奏パートがボーカル、ギター、シンセのメンバーのみ残った)となっていた。移籍後もCD売上としては全体の更なる低迷に伴い、ビクター時代の3,4000枚程度をMAXにして半分程度にまで落としていた。前作『Grower』に収録されていた「勿忘」はディスコグラフィー掲載の正式な配信シングルとして発売したわけではない2週間前先行配信のアルバム曲だったが映画『花束みたいな恋をした』インスパイアソングとして注目され配信で大ヒット(O社基準で2021年間DL20位、ST8位)。これで年末の紅白にまで出演して一躍大ブレイクした…。

…と思っていたんだけど肝心のその収録アルバムである前作『Grower』はまさかの初動3桁と前々作より落とす結果になっていて最終的には「勿忘」に引っ張られても3000枚台に乗せた程度に留まっていた。今作もまさかの1000枚台の初動であまりに売れてないのに驚いた(3日間しか集計されなかったT-BOLANより低い)。しかも2週目には256位まで吹き飛んでしまう始末で全く売れなかった。

正直現在でも多少でも注目されればアルバムで1万枚〜数万枚はまだ売れる時代であり、もっと知名度の低い注目株バンドでも2万3万は出せているし、少なくとも紅白にまで出た程の話題のミュージシャンであれば最低でも1万前後は売れそうなものだがそんなにこぞってリスナーがみんなストリーミングに流れているのか、そもそもに熱心な固定ファンがついていないのか。「勿忘」収録の前作で3000枚しか売れないのでは今作はどうしようもなかったとも言えるがしかしこんな売れてなかったのか…。今作のインタビューで「勿忘」のヒットによってこれでもう少し音楽を続けられるとホッとしたなんて語ってて、そんな大げさな…割と昔からそこそこの位置で注目され続けていてそこそこ売れてたでしょ!と思ったんだけど、ここまでのMAXで4000枚台、年間チャートトップ10級の1発ヒットを出して紅白にまで出て認知度を大幅上昇させても収録アルバムが過去のMAXに届かない程度、そこそこのタイアップも入ってきて注目の中で発売した今作も1000枚しかCD売れないとなれば大げさでもなんでもなく本当にそう思ったんだろうなというくらい状況は良くなかったのかもしれないし、これでは"もう少し"続けられるも確かに納得。それにしてもCD売れて無さすぎだよなぁ…。これでレンタルでの扱いも良くて複数枚入荷されているトップ級の扱いだしで(普通はとっととレンタル追放されるレベル)、随分と謎な扱いだ。

今作では既にシティポップ的な要素は要素でしかなく、メロディーの良さは生かしつつも完全に打ち込み中心に様々なアレンジャーを呼んで方向性を広げての制作集団としてのAwesome City Clubが詰め込まれているようなイメージ。ざっと前作を通し聞き、バンド時代の曲もさらっと何曲か流してみたが、リズム隊が相次いで脱退した"元"バンド編成のユニットが進むべき方向へ進化している感じはした。バンド時代からトラックメイカー気質なところはある感じで、そんなに熱量のあるバンドサウンドが展開していたわけではないようだし、相次ぐリズム隊脱退によって、明らかにバンドサウンドからどんどん離れていって現在地に至っているように思う。何せドラマーが脱退する際のコメントではドラム以外の楽器もやってくれと打診されたと語っているので、方向性として制作集団化していく中でバンド形態では最早足枷になるような状態だったことが伺え、こういう一応バンドから始まるけど制作集団化してしまうのはいかにも2010年代以降から現在にかけてドンドン加速してきたような今時っぽいスタイルだ。

実際今作にはサポートの演奏クレジットも無く、メンバーの楽器表記も無い。唯一まともに演奏表記があるのは「On Your Mark」で招かれたブラス隊の面々のみ。メンバーとアレンジャーの演奏楽器は表記しないスタイルと思われるが、少なくともベースやドラムは使っていないと思われ(メンバーでベース担当はもういないのでアレンジャーが弾ければベースは一部あるかもしれないけど)、そもそも大半の楽曲が生演奏するような感じの曲ではなく、トラックメイカー的な打ち込みサウンド。凝ってはいるし、良質なメロディーと合わさって心地よく感じられる部分もあるにはあるんだけど、こういう人力感のない機械的なやり方はどうにもハマり切れなかった。「雪どけ」は雰囲気がいいなとも思ったし(これだけシングル感想で取り上げた)、どの曲もそれなりにいいので、全体的にもいいアルバムだとは思うんだけど、こういう今時な作風とはつかず離れずというか、まあまあいいけどさらりと流れていってしまうなぁ…というのが正直なところ。

あとGLAYのアルバムにPORINが参加していたのでてっきりPORINがメインボーカルでatagiやモリシーはサブボーカル兼ラップ担当くらいかと思ったらむしろ男性ボーカルが先に出てくるとか、PORINの方がサブ感のある使い方をしていたり、良くても均等程度なボーカル配分だったのもちょっと意外だった。PORINの声は明らかにリードボーカリストっぽい感じで男性ボーカルの方は本職ではないかアンダーグラウンドなラップ系グループみたいな声なのでこれで均等にボーカル取るのは意外性があった。

B09N78Y5WJBlu-ray付  B09N79SDFKCDのみ 

印象度★★★☆☆

2022.4.2更新

※今作はAmazon Musicのみで視聴したためCDは手に取っていません。作詞作曲編曲や演奏表記はYouTubeの各楽曲情報欄参照。演奏クレジットが本当に無いのかの確認のためレンタル屋でブックレットをチラ見だけしました。

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