B-SOUL

No タイトル 作詞 作曲 編曲 備考
1 TONIGHT 早川悠 大田紳一郎 BAAD&T.SAITOH  
2 エゴイスト BAAD 大田紳一郎 BAAD&T.SAITOH  
3 恋してはじめて知った君 BAAD 大田紳一郎 BAAD&T.SAITOH 10thシングル 100位圏外
4 百戦錬磨の恋の戦士になって 大田紳一郎 大田紳一郎 BAAD&T.SAITOH  
5 DON'T CRY NOW 新井康徳 大田紳一郎 BAAD  
6 FOLLOW ME 早川悠 大田紳一郎 BAAD&T.SAITOH 9thシングル 100位圏外
7 戻れない時間の中 BAAD 大田紳一郎 BAAD 6thシングル 100位圏外
8 胸に抱いて忘れない 早川悠 大田紳一郎 BAAD 7thシングル 100位圏外
9 BLUE MOON 早川悠 大田紳一郎 BAAD&T.SAITOH  
10 FOREVER 早川悠 大田紳一郎 BAAD&T.SAITOH  
11 Kiss Me 大田紳一郎 大田紳一郎 BAAD&T.SAITOH 8thシングル 100位圏外
12 I Wanna Hold Your Heart 大田紳一郎 大田紳一郎 BAAD 6thシングルC/W

リリースデータ

1998年9月23日 100位圏外 Produced by BMF 日本コロムビア(Beat reC)

メンバー

Vocal 秦秀樹
Guitar&Vocal 大田伸一郎
Bass 小林正道
Drums 新井康徳

BAAD3rdアルバム。前作から3年10ヶ月ぶり。前作以降リリースが止まり、1995年はリリースが無く、アニメ『SLAM DUNK』サントラ盤『Original Soundtrack 3 ['95 SUMMER]』にショートサイズの「ENDLESS CHAIN〜CINE VERSION〜」が収録されたのみだったが、結果的にこの曲が山田恭二の最終参加曲となった。1996年8月に日本コロムビアへ移籍して活動を再開。この際にボーカル山田恭二が脱退しており、新たに秦秀樹がボーカルとして加入した。再始動シングル「戻れない時間の中」から次の「胸に抱いて忘れない」は11ヶ月ものブランク、「胸に抱いて忘れない」から「Kiss Me」までも7ヶ月ブランクがあり、なかなか軌道に乗らなかったが「Kiss Me」→「FOLLOW ME」→「恋してはじめて知った君」は3ヶ月間隔となり、「恋してはじめて知った君」から1ヶ月で今作が発売されるなど1998年になってからは活発なリリースが続いた。結果的に全作100位圏外となり、今作を最後にそのまま自然消滅した。

正式な解散告知は無いままだったが、doa15周年時の大田への個人インタビューでは1999年解散としている。今作を最後に秦も脱退してしまい大田がボーカルとなって残った3人で活動を継続しようとしたが契約の問題があってBAADに見切りをつけて別バンドRAD HAMMERにした旨を振り返っている。RAD HAMMERは大田と新井を中心に結成した4人組としており、残り2人はAckky、Kenで小林は参加していない。2000年2月のFIELD OF VIEWのシングル「Beautiful day」に大田がコーラス参加した際は"from BAAD"という表記がまだあったが、1年後の2001年2月のZARDのアルバム『時間の翼』にコーラス参加した時点では"from BAAD"表記は無くなっていた。RAD HAMMERとしての活動は続いていたものの、やがてかつてレコーディングでコーラス参加した縁からB'zサポートメンバー(コーラス&ギター)の話が来てB'zサポートを通じて徳永暁人と知り合いdoaへの参加へとつながっていった模様。2004年4月でRAD HAMMERは活動休止となったが、メンバーによるブログ更新は1〜2年開く事もあったが続いていた。その後2023年にBAADが「再会」を発表した際は山田恭二・大田伸一郎・小林正道・新井康徳の初期メンバー4人がコメントも寄せたが、秦秀樹は関与していない

日本コロムビアBeat reCレーベルは所属していたPAMELAHも1999年を最後にリリースが停止し、最後まで活動していたFIELD OF VIEWも2001年春にZAINに戻ったことで活動しているアーティストがいなくなり消滅した。Beat reCレーベルのCD作品はBAADに限らず全てが廃盤、ビーイングの配信・通販サイト「Musing」での取り扱いも無かった。2023年のサブスク解禁もZAIN所属の前作までとなっていて、秦秀樹ボーカルの作品は全てCDでしか入手できない状態が続いているが、Beat reCレーベルの中でも特にチャートイン記録のないBAADは市場にほとんど出回っていないので希少価値がついてレア盤と化している。

ボーカルチェンジが最大のトピックだが、編曲もバンド名義になっており、明石昌夫編曲だったザッツビーイングサウンド(?)な山田ボーカル時代と比べると主にキーボード、打ち込みの音の雰囲気が大きく変わった。キーボードとプログラミングは「I Wanna Hold Your Heart」のみ池田大介で、残りは編曲に参加している曲にT.SAITOH、今作のディレクターがTATSUO SAITOHとなっており、同一人物(斎藤辰夫)と思われる。秦の歌声は、この少し前に行われたWANDSと同様に、聞き込んだ人が聞けば明確に違うけど、ライトリスナー的にはわりと似通った高音ボーカル、といった感じ。高音爽やか系というのは共通しているが、秦の方が若干甘めで若々しく、ルックスにしても髪を切って濃い化粧を辞めた当時流行りの元ヴィジュアル系みたいな女性ウケしそうな雰囲気だ。山田時代は山田が一貫して作詞していたが、秦は個人名義で作詞はしておらずBAAD名義、大田、新井がそれぞれ初作詞、そして外部から早川悠という人物が作詞を担当しているがこれ誰…?

あくまでギターサウンド中心のロックではあるが、よりポップな要素を盛り込んでいて聞きやすい。90年代前半のビーイング特有のサウンドから90年代後半の一般的なロックバンドっぽいサウンドになったように思う。メロディーの方は相変わらずの大田曲でハズレはしないんだけど大きな当たりも無いといった感じ。もちろん全作品が100位圏外というのは不当すぎるんだけど、なんかこうパッと聞いて引き込まれるようなもう1つ突き抜けた曲は無かったように思う。シングル曲とアルバム曲に全く差が無いので、アルバムとしては印象がいいし、もう少し先を聞いてみたかった気はする。

B00005EPF8

印象度★★★★☆

2023.11.29修正

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