The 7th Blues

DISC-1
No タイトル 作詞 作曲 編曲 備考
1 LOVE IS DEAD 稲葉浩志 松本孝弘 松本孝弘、明石昌夫  
2 おでかけしましょ 稲葉浩志 松本孝弘 松本孝弘、明石昌夫  
3 未成年 稲葉浩志 松本孝弘 松本孝弘、明石昌夫  
4 闇の雨 稲葉浩志 松本孝弘 松本孝弘、明石昌夫  
5 MY SAD LOVE 稲葉浩志 松本孝弘 松本孝弘、明石昌夫  
6 Queen of Madrid 稲葉浩志 松本孝弘 松本孝弘、明石昌夫  
7 ヒミツなふたり 稲葉浩志 松本孝弘 松本孝弘、明石昌夫  
8 Strings Of My Soul   松本孝弘 松本孝弘、明石昌夫 インスト
9 赤い河 稲葉浩志 松本孝弘 松本孝弘、明石昌夫  
10 WILD ROAD 稲葉浩志 松本孝弘 松本孝弘、明石昌夫  

 

DISC-2
No タイトル 作詞 作曲 編曲 備考
1 Don't Leave Me 稲葉浩志 松本孝弘 松本孝弘、明石昌夫 14thシングル 最高1位 売上144.4万枚
2 Sweet Lil' Devil 稲葉浩志 松本孝弘 松本孝弘、明石昌夫  
3 THE BORDER 稲葉浩志 松本孝弘 松本孝弘、明石昌夫  
4 JAP THE RIPPER 稲葉浩志 松本孝弘 松本孝弘、明石昌夫  
5 SLAVE TO THE NIGHT 稲葉浩志 松本孝弘 松本孝弘、明石昌夫 1stシングルC/W「ハートも濡れるナンバー〜stay tonight〜」全英語詞リメイク
6 稲葉浩志 松本孝弘 松本孝弘、明石昌夫  
7 破れぬ夢をひきずって 稲葉浩志 松本孝弘 松本孝弘、明石昌夫  
8 LADY NAVIGATION 稲葉浩志 松本孝弘 松本孝弘、明石昌夫 8thシングル 全英語詞リメイク
9 もうかりまっか 稲葉浩志 松本孝弘 松本孝弘、明石昌夫  
10 farewell song 稲葉浩志 松本孝弘 松本孝弘、明石昌夫  

リリースデータ

1994年3月2日 初登場1位 売上163.0万枚 Produced by 松本孝弘 BMGルームス

メンバー

Guitar 松本孝弘
Vocal 稲葉浩志

B'z7thアルバム。93年は初めてアルバムリリースが無く、ミニアルバム『FRIENDS』からも1年3ヵ月ぶり、フルアルバムとしては1年5ヶ月ぶりとなった。初の2枚組オリジナルアルバム。前作以降のシングルは先行シングル「Don't Leave Me」1曲のみの収録。他には1stシングルC/W「ハートも濡れるナンバー〜stay tonight〜」と8thシングル「LADY NAVIGATION」のリメイクが収録されている。前作以降の93年のシングルで最大のヒット作「愛のままにわがままに僕は君だけを傷つけない」と「裸足の女神」は未収録。BOXケースに通常のCDケースで2枚入っている仕様+別冊フォトブックで定価は5500円と高額だったが、難なく初動だけでミリオンを達成し、3週連続1位を獲得した。ただし100位以内登場週数は16週にとどまり、これまでの作品の中ではダントツに少なく、7月には100位圏外となった。2枚組のオリジナルアルバムとしては現在も歴代最高売上記録を保持している。

制作集団B+U+Mは次のシングル「MOTEL」で解散したため、アルバムでは今作が最後となった。今作ではドラムを青山純が演奏しているがB+U+Mメンバー扱いではない。また前作でドラム担当だった田中一光はB+U+Mメンバーから外れているため、最終メンバーは松本孝弘、稲葉浩志、明石昌夫、野村昌之、寺島良一、畠山勝紀の6人となった。

『RUN』でロックに振り切り、『FRIENDS』では抑えに徹していたが今作では明石昌夫が本格的にベースを生で演奏するようになり、より生音バンドっぽさが増した。『RUN』の延長にあるロックというより、ジャジーだったり、ブルージーだったり(ただブルーズというほどブルーズな印象のアルバムではない)、ファンキーだったりと、これまでよりもキャッチーさやポップな感触は減退。といっても割とブラスサウンドやキーボードサウンドも鳴らしている。、前作からの流れだとちょっと暗くなった感じなんだけど、後追いで聞けば事前に聞いていた評判よりは明るかったり、ポップに思える部分もある

2枚組という大作感もそうだけど、DISC-1を全部新曲で固めているところもかなり攻めている。存分に売れたからこそ出来た、売れたからやりたい事を存分にやる、を地で行ったようなアルバムだ。よく売れたら好きな事をやるとは言うが、2枚組で堂々それをやってしまったところは当時のB'zの勢いの凄さを物語る。個人的にあまり好きな曲は無いし、5,6分台のやや長い曲も多いのでこれまでのアルバムの中でもとっつきにくさはあるんだけど、完成度は高いとも思う。「愛のままにわがままに僕は君だけを傷つけない」と「裸足の女神」は正直この作風の中では入る余地が無い。コンセプトに徹したのは正解だったと思う。逆に次のシングル「MOTEL」はハマっていたと思われ、もし今作に入ればさらにグッと締まっていたようにも思う。

何はともかく好き嫌いは抜きにしてB'zを聞くなら1度は通っておくべき1作なんじゃないかと思う。昔から聞いていたリスナーにとっては00年代以降からB'zはマンネリだと言われていた理由が当時は分からなかったがこの頃の作品ごとの大胆な変化を聞いているとそういう声が増えていったのも分かる気がする。

なおリメイクされた2曲のうち「SLAVE TO THE NIGHT」はあまりに激変しているので最早別の曲。「LADY NAVIGATION」は相当ブルージーな激渋ナンバーに変貌してこれまた別物。その後に控えている「もうかりまっか」は今作唯一のお遊びナンバー。何故か関西弁全開で"まさお(仮名)が借金ふみたおしてとんずらこいてもうたらしいわ"とか"田中はん(仮名)はメシの食いすぎで腹をこわしてホスピタル"、終盤は"もうかりまっか"を連呼するなどこの大作の終盤を飾る楽曲とは思えない超絶なユルさ。こういう遊び心もあるので、暗黒時代と呼ばれるほど暗いだけの作品ではないというのも今作の魅力の1つか。

The 7th Blues  

印象度★★★☆☆

2018.2.19修正

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