CODE NAME.2 SISTER MOON
No | タイトル | 作詞 | 作曲 | 編曲 | 備考 |
1 | もうすぐだ | 飛鳥涼 | 飛鳥涼 | 村上啓介 | |
2 | 青春の鼓動 | 飛鳥涼 | 飛鳥涼 | 村上啓介 | |
3 | Sea of Gray | 飛鳥涼 | CHAGE・村上啓介 | 村上啓介 | |
4 | river | 飛鳥涼 | 飛鳥涼 | 重実徹 | 38thシングル 最高2位 売上38.9万枚 |
5 | 濡れた夢 | CHAGE | CHAGE | 澤近泰輔 | 36thシングル『めぐり逢い』C/W |
6 | I'm a singer | 飛鳥涼 | CHAGE | 十川知司 | |
7 | One Day | 飛鳥涼 | 飛鳥涼 | 松本晃彦 | |
8 | ピクニック | CHAGE | CHAGE | 山里剛 | |
9 | 港に潜んだ潜水艇 | 飛鳥涼 | CHAGE・村上啓介 | 村上啓介 | |
10 | NとLの野球帽 | CHAGE | CHAGE | 重実徹 | 38thシングルC/W |
11 | 好きになる | 飛鳥涼 | 飛鳥涼 | 清水信之 | |
12 | On Your Mark | 飛鳥涼 | 飛鳥涼 | 澤近泰輔 | 35thシングル3A面3曲目 |
リリースデータ
1996年4月22日 1998年1月21日(再発) 1999年12月16日(再発) 2001年5月23日(現行盤) 2009年11月25日(SHM-CD/リマスター) |
初登場2位 - - - |
売上46.3万枚 - - - |
Produced by CHAGE&ASKA、山里剛 | ポニーキャニオン 東芝EMI 東芝EMI ヤマハミュージック ヤマハミュージック |
メンバー
CHAGE |
ASKA |
CHAGE&ASKA18thアルバム。前作から8ヶ月でのリリース。前作との兄妹作だが、前作と違い今作はタイトル表記が全部大文字になっている。前作時点で楽曲もほぼ揃っていて当初もう少し早く発売する予定だったがツアー中だった事と、曲の修正や新規の書き下ろしなどを行っていたため延期された。前作以降のシングルは「river」のみでC/W共々収録され、さらに前作未収録だった2曲も収録されたため、35〜38thシングルからは全曲が前作と今作に収録された。前作に1コーラスのみ収録だった「君の好きだった歌」はフルコーラスバージョンを今作に収録する構想だったが収録されない事になり、代わりに恒例のブックレットによるASKAによる散文詩として掲載されている。ASKA自身は思い入れがあったようで2010年自身のセルフカバーアルバム『君の知らない君の歌』でフルコーラス版を制作している。前年に既に大きく売上を落としていたが96年になりさらに売上を落とし、今作ではLUNA SEA『STYLE』に及ばず1位を逃し、累計も50万割れとなった。ポニーキャニオン時代の新作(シングル、オリジナルアルバム)は今作が最後となり、今作リリース後にMTV UNPLUGGEDを経てソロ活動へ移行した。
EMIに移籍した際に90年代の6作のみEMIで先に再発されたが、何故かそれより早く1月に真っ先に再発され、80年代以前のアルバムと一緒に12月にも再発されたため今作だけEMI盤が2作存在する。すぐにユニバーサルへ移籍してしまったのでEMI盤はどちらも即廃盤となった。改めて01年にヤマハから再発され、これが現行盤となる(01年以降、現役ではユニバーサル所属ながら旧作の発売元はヤマハという形になっている)。ここまでは1度もリマスターされていなかったが、04年に発売された『25th Anniversary BOX-3』に収録された際には初めてリマスターされた。09年には未CD化だったライブ盤なども含めてベスト盤以外の作品が一斉に紙ジャケSHM-CD化され、この際もリマスターされている。現在のところ、最新盤は09年盤、これが限定扱いのため現行盤は01年盤となるが、2014年のASKA逮捕により、全作品が回収され、新品での流通は全作停止した。17年夏の『VERY BEST ROLL OVER 20TH』の販売再開以降、段階的に配信の再開、他のベスト盤の販売再開、映像作品の販売再開と来て18年4月〜6月にかけてヤマハが権利を持つオリジナルアルバムの販売はすべて再開され、01年盤、限定だったはずの09年盤も全て余っていたのか販売再開となった。今回聞いたのはオリジナル盤。
前作時点でベーシックな部分は完成していたようだけど、ロングツアーを挟んでいた事もあり、ギターを中心としたロック系というところ含めてまさに兄妹盤。しかし歩みを止めないCHAGE&ASKAらしく、微妙に傾向が異なる。重実徹が最新シングルを担当したり、村上啓介の参加が増えたりとアレンジャー陣の起用の仕方が少し変わっているのと、7曲でドラムを打ち込みにするなど打ち込みを多用した事。もう1つはCHAGEとASKAの作曲が6曲ずつで半々になっている事。いつもASKAの方が多めになるが、今作でのASKAはさらに攻めるというよりはシングル「river」にしてもこれまでのイメージに近い曲を書いていてどちらかというと安定している印象。なんだかんだ「もうすぐだ」や「One Day」などASKA曲の方が耳には残るんだけど、CHAGEがいつも以上にアグレッシブに攻めていてアルバムを引っ張っているような印象で、90年代以降ASKAがシングルやリード曲を手掛けてCHAGEはその隙間で自由な曲を提供みたいな全体の印象が今作に限ってはCHAGEの印象も強め。ここに来て「NとLの野球帽」という名曲を生み出してたのも特筆すべき点だろう。
全体にはチャゲアスブーム以降これまで当たり前のようにあったヒットシングルが無く、「SAY YES」以降のパブリックイメージで聞くとコレジャナイ感じのアルバムではあるんだけど前作に続いてこの変化は聞きごたえがあってサウンド面では全盛期よりも個人的には好み。1つ抜けたヒット曲が無いことで逆にアルバムトータルの印象が良くなっているようにも思う。
ライナーには今作の完成を持って2人が「ここにひとつの完結を見た」と語ったとされている。ライナーでは前々回のツアーから前作、前回のツアー、今作という1つの流れとして括れるというわけだなどと解釈して話を進めているが、実際にはCHAGE&ASKAは休止状態となった。「ここにひとつの完結を見た」とはCHAGE&ASKAの活動自体が1つの完結を見たという意味でもあったのかなとも思う。しかしここに来て面白くなってきたところだったのに、ちょっと惜しい。混沌とした世紀末、新世紀の幕開けを試行錯誤しながら駆け抜けてゆくCHAGE&ASKAとか面白そうだったのに、まさかここから09年の活動休止宣言までオリジナルアルバムが3作しか出ないとはなぁ…。
印象度★★★★☆
2016.2.23更新