誕生
No | タイトル | 作詞 | 作曲 | 備考 |
1 | CHATMONCHY MECHA | チャットモンチー | 福岡晃子 | |
2 | たったさっきから3000年までの話 | 橋本絵莉子 | チャットモンチー | 先行アナログ盤7インチシングル |
3 | the key | 橋本絵莉子 | チャットモンチー | |
4 | クッキング・ララ feat.DJみそしるとMCごはん | 橋本絵莉子, DJみそしるとMCごはん |
チャットモンチー | |
5 | 裸足の街のスター | 福岡晃子 | チャットモンチー | |
6 | 砂鉄 | 高橋久美子 | チャットモンチー | |
7 | ぴろうど | 橋本絵莉子 | チャットモンチー |
リリースデータ
2018年6月27日 | 初登場13位 | 売上1.3万枚 | Produced by チャットモンチー | Ki/oon Records |
メンバー
Guitar,Keyboard,Vocal他 | 橋本絵莉子 |
Program&Sound Make,Keyboard,Bass,Drum他 | 福岡晃子 |
チャットモンチー7thアルバム。3年1ヵ月ぶりのアルバム。全7曲だがミニアルバムではなく通常のフルアルバム扱いとしている。2017年11月23日に2018年LAST ALBUMを発売すると発表、翌11月24日に2018年に完結(解散)すると発表。前作以降2016年、2017年は共に1枚ずつリリースしたシングルCD「majority blues/消えない星」「Magical Fiction」は未収録。5月に配信限定で発売された「I Laugh You」も未収録。6月6日にアナログ7インチ盤として先行シングルとして「たったさっきから3000年までの話」が発売されたものの、今作のために書き下ろされたチャットモンチー完結へ向けての最後の新曲のみで構成されている。また脱退した高橋久美子が脱退後初めてにして最後の作詞を1曲担当した。「クッキング・ララ」にはDJみそしるとMCごはんが参加、「ぴろうど」に参加している子供のボーカルはMy Son(age 4)としか表記されていないが橋本の実子と公表されている。初回盤は三方背ケース入りハードカバー・ブック仕様。1stアルバム『耳鳴り』から全アルバムトップ10入りしていたが、最後にして1stミニアルバム『chatmonchy has come』以来のトップ10落ちとなった。
今作リリース後、ワンマンライブとしては7月6日の日本武道館が最後となった。7月22,23日に地元徳島で主催した「チャットモンチーの徳島こなそんそんフェス2018〜みな、おいでなしてよ!〜」出演を持って正式にチャットモンチーは完結(解散)した。完結後のメンバーは脱退した高橋久美子も含めて「チャットモンチー(済)」と自称され、公式サイトでもこの呼称で以降の2人の活動報告を行っている。
前々作では2人でバンド、前作では男陣、乙女団という異なる男性サポート、女性サポートそれぞれ2名ずつを加えた4人バンド編成をしていたが、今作は2人のみで編成はメカ。つまり2人+打ち込みとなっている。当初は3人編成に戻すつもりだったがライブで3人編成をやる場面がありそこで満足してしまったのでやった事のない打ち込みへ行きついたという事らしい。その変化の過程でリリースされた2シングルは今作とは方向性が違うのと作っていた時はまだ完結決定前だった事もあって未収録となり、今作は完結を前提として書き下ろした曲のみとなっているようだ。
そんな今作だが…正直ナンダコレという…。基本的に橋本はギター、キーボード、ボーカルと比較的今まで通りのパートを担当していて、福岡が打ち込みをメインにあらゆる楽器を駆使してサウンド作りを担当。多くのロックバンドが曲によっては打ち込みを適宜取り入れ、中にはプログラミングを担当して経験を積んでいるメンバーがいたりもするが、チャットモンチーはその経験が無い。3人時代は徹底して3人のサウンドにこだわり、2人になってからは今度は2人での演奏にこだわり、サポートメンバーを入れる際も2つのバンド名を細かく設定するなどしてきた。前述のように福岡も打ち込みは経験が無いと語っているような状態。言い方を変えれば付け焼刃に近い状態でエンジニアと共に悪戦苦闘しながら打ち込みサウンドを作り上げたという事になる。そんな慣れない状況の中で必死に良い悪いの判断を下し、音色やミックスにこだわり抜いたのであればそれは本人たちのやりきった満足感はすさまじそうではあるんだけど、聞いている方としてはチャットモンチーだけ聞いているわけでもないので前2作以上にワケの分からない作品になったなと思う。
2人になってからのチャットモンチーはかなりやりたい放題で、迷走ともいえるような冒険を繰り広げた。気が付けば人気全盛期以上にやたら絶賛されている割に売上が激減していくみたいな世に出回る評価と売上が反比例する状況だったので、分からぬ人は物言わず静かにいなくなり、分かる人だけが残っている状況だったんだと思う。よって今作を最後にまた未開の地を切り開いた傑作アルバムという風に解釈もできるんだろうとは思うし、プロモーション自体がそういう方向でまとめている印象はある。実際なんだか凄い気もするし、ここまでの3作こんな風に活動してきたバンドは後にも先にも出てこないだろう。一方普通に考えてやりきったどころかやりきったのは3人時代までで、2人になってからはやる必要のない果ての果てまで行っての完結にも思える。
いずれにしてもこの先はもうないところまで行ったかつてないほど完結しきったアルバムだなとは思う。3人時代に回帰しないところや、いつの間にか続ける事を目標として決定的な不仲や不振以外での一定の人気を保っているバンドの解散が減って10年20年が当たり前になりつつある現代でここまでの潔い解散にしても、終わった後に「チャットモンチー(済)」と自称するなどこだわりの美学だったとも思えるけど、でもやはりこの後に控えるベスト盤を聞けば3人時代が1番良かったと思ってしまうだろうし、最後に普通のバンド形態での新曲を聞いておきたかったと思うだろうな…。
印象度★★★☆☆
2018.9.13更新