Graduation
No | タイトル | 作詞 | 作曲 | 編曲 | 備考 |
1 | Brand New Wing | 池森秀一 | 田川伸治 | 田川伸治 | 38thシングル 最高18位 売上0.5万枚 |
2 | I wish | 池森秀一 | 山根公路 | 山根公路 | |
3 | The DAY〜僕らは終わらない〜 | 池森秀一 | 池森秀一、 時乗浩一郎 |
田川伸治 | |
4 | 'need love | 池森秀一、 田川伸治 |
田川伸治 | 田川伸治 | |
5 | pray | 池森秀一 | 池森秀一、 近藤薫 |
大平勉 | |
6 | UTOPIA | 田川伸治 | 田川伸治 | インスト 田川ソロ曲 | |
7 | ROAD CRUISIN'〜ジョニーとルーシーの物語〜 | 池森秀一 | 田川伸治 | 田川伸治 | |
8 | Diamonds〜絆〜 | 池森秀一 | 池森秀一 | 大平勉 | |
9 | NEXT STAGE | 池森秀一 | 山根公路 | 山根公路 | 3人ボーカル曲 |
10 | LOVERS CONCERTO〜上海ロックスター Episode2〜 | 山根公路、 時乗浩一郎 |
山根公路 | 山根公路 | 上海ロックスターボーカル曲 |
11 | 卒業 | 池森秀一 | 山根公路 | 山根公路 |
DISC-2(CD) Ballads in BlueU〜The greatest hits of DEEN〜(初回盤のみ)
DISC-3(DVD) DEEN LIVE JOY-Break15〜History〜(初回盤のみ)
リリースデータ
2011年6月15日 | 初登場19位 | 売上0.6万枚 | Produced by DEEN | Ariola Japan |
メンバー
Vocal&Back-up Vocals | 池森秀一 |
Keyboards,Vocal,Back-up Vocals&Programming | 山根公路 |
Electric Guitar,Acoustic Guitar,Percussion,Back-up Vocals&Programming | 田川伸治 |
DEEN12thアルバム。公式では通算で21stアルバムとされているが、オリジナルとしては12枚目。4月に発売されていた先行シングル「Brand New Wing」を収録。デビュー18周年を迎えて、高校を卒業する年齢の18歳に合わせて卒業をテーマとし、さらに2〜10曲目まで歴代のオリジナルアルバムのタイトルを曲名に使用している。1stアルバム『DEEN』はバンド名そのままのため「Brand New Wing」に置き換えられており、『クロール』も夏のコンセプトアルバムであるとの理由で同名の曲は制作されていない。アコースティックなインストナンバーが収録された事は過去にあるが、バンド演奏による田川伸治のソロインスト曲がDEENのアルバムに収録されるのは初。また「NEXT STAGE」での3人ボーカルも初で、特に田川の単独での歌唱パートは初めてCD化された。
初回盤には01年のバラードベスト『Ballads in Blue』の続編『Ballads in BlueU』及び2011年1月22日中野サンプラザで行われたライブから抜粋された15曲(メドレー含むため全7チャプター)を収録したDVD付。20周年BOXには『Graduation』のみの収録。
1stアルバムからディレクター、プロデューサー、作編曲としてDEENに関わり続けていた時乗浩一郎の参加は今作が最後となった。元々はビーイング所属だったようだがDEENと一緒に事務所グッデイに所属したためビーイングも一緒に離脱していたようでDEENの歴史に常に時乗浩一郎の存在があったが、今作リリース後に事務所グッデイを退所したようで、これが最後の参加となった。退所後の時乗浩一郎はこれまでの人脈により、99年にDEENを脱退した宇津本直紀やDEENのサポートであるHIDEや宮野和也らを自身のプロデュースにおいて起用することはあるがグッデイ所属のミュージシャンとの関わりは無くなっている。かつてグッデイに所属した入日茜、藍坊主などもそれぞれがグッデイを辞めた後になって時乗浩一郎と再度関わるなどしている。
また作曲においては近年時乗浩一郎との共作が多かった池森が今作を最後に作曲から撤退、時乗浩一郎の代わりを入れずにディレクターのポジションが空白になるなど、時乗浩一郎がDEENを離れた事は大きな影響を及ぼした。池森の作曲参加は基本的には今作を最後に無くなり作詞に専念する形となった(C/Wやソロ名義の曲で共作での作曲は以降もわずかにある)。
18歳=卒業というのと歴代アルバムタイトルを曲名にするという二重の仕掛けが施された今作。過去のアルバム名を曲名にするというコンセプト上、タイトルが先に決まっていてそこに曲を当てはめていく作り方にはなったと思われるが、過去のアルバムそれぞれの作風と各楽曲には全く関係が無く、各アルバムのサウンドやイメージを再現したわけではない。曲によってはサブタイトルをくっつけたりもしているので若干タイトルが枷になっている感もあるが…。やたらとアッパーなロックナンバーやら、近年の流行に合わせたようなゲストラッパーまで起用したリズム系に特化した曲が合ったり、ラテン調だったり、初めて3人で歌ったり、初めて田川ソロ曲をDEEN作品に収録したり、上海ロックスターがあったりとテンション高めで多彩。多彩さにおいては『DEEN NEXT STAGE』を彷彿とさせるが、今作は07年以降の比較的抑えた感じのポップなサウンドから一転してかなりガツンとした迫力のあるバンドサウンドが炸裂していて1曲1曲の圧がかなり強い。マスタリングに関しても07年頃から抑えめで続いていたが今作で完全に戻ったと思う。
そして卒業をテーマにしているのもあって歌詞も若返って青春感を醸し出しているが、卒業のイメージが日本ではなくアメリカの卒業パーティーのパブリックイメージ(ブックレットの写真でも再現されているが映画なんかで見られる四角い帽子被ったあの感じ)で制作されているため、なんとなくだけどなんちゃってアメリカンな開放的な明るさもあって益々若々しい勢いに満ちている。個人的には3人で歌う「NEXT STAGE」は1つ抜けて好きな曲である。ただ圧が強い割にけっこうあっさりと突き抜けてしまう曲が多くて意外と引っ掛かりが無かったりもする。ライブでは盛り上がりそうな曲が並んでいてバラードの「卒業」以外はライブ後半で出てくればどの曲でも盛り上がりを担う事ができそう。
謎なのは震災の影響でもなく普通に6月発売。もしかしたら少し遅れはしたのかもしれないが、少なくとも2月3月リリースを目指して今作が制作されていた様子は無く、卒業シーズンでもなんでもない時期に卒業をテーマにしたアルバムというのはどうにも季節外れだった。
印象度★★★★☆
2019.7.3修正(DVD除く)