リバース 最終話

広沢(小池徹平)が蕎麦アレルギーだった事が判明。知らないうちに蕎麦のハチミツを使った珈琲を入れていた事に気づいた深瀬(藤原竜也)は「広沢を殺したのは俺だったのか」とショックのあまり引きこもりになってしまう。

引きこもりになっている間に深瀬の元へやってきた美穂子(戸田恵梨香)は谷原(市原隼人)と遭遇。気まずすぎて謝罪すらどうすればいいかという勢いで言葉の出ない美穂子だったが突き落とされた張本人の谷原が寛容な態度になっていた。穏やかに谷原家に一同が介し、改めてちゃんと謝罪する場を。さすがに夫が意識不明で不安な日々を過ごした明日香(門脇麦)だけは不満顔でなかなかすんなり許せる状態には無かったが、谷原、浅見(玉森裕太)、村井(三浦貴大)は口々に今回の一件のおかげで自分たちの罪に向き合えたと告げ、逆に感謝するくらいの勢い。そのまっすぐなまなざしはきこりの泉にぶち込んで出てきた綺麗なジャイアンのよう。

原作では「広沢を殺したのは俺だったのか」で終わるので果たして深瀬はこの事を改めて告白できるのかみたいな引きでもあったんだけど、深瀬が話すような描写も無いままに既に全員が蕎麦の件も把握済み。重要なのは言えるかじゃなくてどう立ち直って向き直っていくかと、深瀬がこれまで築いてきた人徳によってそれが返ってきて仲間たちの励ましで立ち直るのに重点が置かれた。

引きこもって飲めない酒を無理やり飲んでアレルギー症状を起こしてぶっ倒れていた深瀬を救出したのは小笠原(武田鉄矢)で、隣人を使ってさらに大家に頼んで鍵を開けさせた。小笠原も終盤にかけてどんどん優しくなっていたが過去最高の優しい態度で、ついには深瀬たちを仲間だと思っているとまで告げる。

さらに美穂子とのドア越しのやり取りで何とか復帰した深瀬は、いよいよ本当のことを広沢の両親へ告げるために愛媛へ向かう事に。自分たちがスッキリするだけで両親を苦しめるのではないか?と、これまで真実を告げるべきと初期から1人で主張してきた深瀬だったが、最大要因が自分にあった事が判明した精神状態では言うべきか分からなくなり苦悩。他の3人が逆にそれでも言わなくてはいけない、迷いがあるのはみんな同じだと決意。

そんな中、小笠原が最後の真実が分かったと空港へやってきた。回想シーンでも触れられていた別荘荒らしが出ているという件に絡めたもので、別荘荒らしは別荘の管理人のバイトとして潜入。このため鍵を受け取った際に深瀬たちは遭遇していた。

こいつら大学生だけど金持ってるっぽいな!と別荘荒らしの2人が目をつけるような描写もあったが、既に別荘荒らしがだいぶ評判になってしまっているせいか、深瀬らの別荘は狙わずに周辺の別荘で盗みをし、別荘地を離脱。別荘荒らしは3人組でこのうち2人が別荘荒らしを行い、運転役の1人が迎えに来る算段だったが、例の吹雪によるデスロードのため当初の迎えポイントに踏み入る事ができずに遥か遠方で挫折。仕方なく徒歩で逃亡していた2人は、スタックして鍵を刺したまま放置していた深瀬たちが乗っていた車を発見。盗もうとした。

そこに広沢が駆け付けて抗議したが、この少し前に例の珈琲を飲んでいた広沢は蕎麦アレルギー発動で異変をきたし、フラフラしている間に別荘荒らし2人は車を発進させて逃亡。広沢はそのまま倒れこんで崖下へ転落。ただし小笠原が2人組を見つけ出して話を聞いたうえでの話。広沢を最後に見たのはこの2人組だったというだけなので、2人が去った後に転落したのだろうというのは状況を考えての小笠原の推測。

というのも2人組が小笠原に危害も加えずにあっさり話したのは窃盗だけなら10年前なので時効になっているため。これで広沢に危害を加えた、突き落とした、殺した場合は当然バリバリ再逮捕案件なので話すわけがない。ただそれを考えると広沢が珈琲を飲んでいたかも実は確認しようがない

いずれにせよ広沢の発見場所が車と妙に離れていたのはこのせいだった事と、これにより飲酒運転をしていなかった事と事故っていなかった事が発覚。ただ10キロも下流で広沢が発見されたっていうのとこの状況はなんだか一致しないような

一方車を奪った別荘荒らし2名が例の場所で事故り、血痕もこいつらのもの。車内の方に血痕が残ったため、車を崖下へ落として徒歩で逃走を図ったという。

新事実と言えば新事実だったが、結局別荘荒らし2人が広沢を突き落としたとか広沢に危害を加えたわけではなかったので深瀬たちにとってはあまり何か心構えが変わるような話ではなく、さほど救いにもならない話だった。

実際、広沢の両親に話した際は端的に、無理やり酒を飲ませ(谷原)、無理やり来いと言い(村井)、無理やり行かせ(浅見)、蕎麦のハチミツの珈琲を渡しました(深瀬)、飲酒の件は保身のため隠しました、というもの。

間違っちゃいない…だが言 い 方

全てを受け止め、罪を受け入れたゆえの言い訳一切なしの潔く端的な言動だったが、先ほど判明した別荘荒らしの件どころか、何もかも省きすぎでそのせいでめっちゃ悪どい告白となってしまった。当然のごとく母(片平なぎさ)は大激怒。そのまま出て行ってしまい、補足説明を入れる余地なし。

父(志賀廣太郎)は4人の覚悟を冷静に受け止め、どう死んだかではなく、息子がどんな生き方をしていたのかを聞きたがり、4人は広沢のそれぞれの印象を語る。父に関しては少なくとも表面上は受け入れ、また来なさいと告げるのだった。

母の元へは小笠原がアフターフォローに登場。許す必要はない、彼らはそれを受け入れる覚悟でやってきたなどと告げ、描写はされなかったが、物語開始当初は母親寄りの姿勢だった小笠原もすっかり深瀬たちを信頼して仲間だと思うようになっていたので、色々細かい説明もしたのだろう。したよな…?

浅見はサッカー部の件で相良(鈴木仁)に自分の罪を告白。反省しないコイツの性格からして暴露して退職に追い込む勢いだったが、ラストカットでは突如改心して授業ボイコットを辞めて解決。こればかりは若干雑な処理になった。

谷原は起死回生をかけた企画書を上司が握りつぶしたのをお偉いさんが目撃していた事で、上司の不当なパワハラが発覚。上司が査問会議にかけられるという綺麗な逆転ホームランをぶちかますも、自分の態度にも非があったと寛容な態度を見せる。本社返り咲きは確定的で、今後1番出世しそう。

村井は離婚成立。父も政治家生命が追い詰められ、明日香は父を見限る勢いだったが、釣りに出かける事で親子関係が改善。村井は跡を継がずに自分の仕事を探すと告げるが、以前深瀬に自分は就活もしたことが無いと語っていただけに1番先行きが見えない状態に…。迷いと自身の無さを振り切って今度は父を支える立場になってクリーンな政治家を目指す方が自然に収まったのに…。

小笠原はジャーナリストを辞めて新たな生き方を探すと宣言。年齢的に引退じゃないのか

深瀬は新たな仕事が決まり、大阪に帰った美穂子の元へ向かい、再び付き合いだしたところで終了。なんとか全員が前向きな感じで終わった。

また深瀬が新たな会社の取引先にいたのが杉咲花、美穂子のパン屋の客として窪田正孝が突如出演。チョイ役にしては無駄に豪華でナニコレと思ったら、湊かなえ原作の過去のドラマ『Nのために』(2014)の成瀬慎司(窪田正孝)、『夜行観覧車』(2013)の遠藤彩花(杉咲花)の現在の姿というコラボ展開だったらしい。どっちも見てないから何が起きたのかと思った。

全部終わっての感想

途中で気になって原作を読んだんだけど原作が「俺だったのか」で終わってしまうのでその後含めて各登場人物を丁寧に描いたこのドラマ版、普通に原作より面白かったと思う。上半期のドラマでは1番ハマった。

新たに付け足した事故の真相は結局あってもなくてもあまり深瀬たちの救いになるような話ではなかった。ただ逆に救いにしようとして別荘荒らし2人がアレルギーが出る前の広沢を殺したとか、アレルギーが出て行動不能に陥った広沢を突き落とした、とかにしてしまうと話変えすぎで主題もブレてしまうので付け加えるにしてもこれがギリギリだったと思う。

まあ村井が山中を徒歩で事故現場付近まで行って戻ってくるのに続いて、別荘荒らし2人が車も進めないほどのデスロードで重傷を負いながらも徒歩で逃亡し、村井たちの乗ったタクシーとすれ違うより前に仲間の元へたどり着いて逃げ去っていた…とか雪道関連は最後までハチャメチャだったけどな!

あとこれは深瀬責められないよなと思ったのは蕎麦ハチミツのパッケージについて。これ、裏に小さく原料が蕎麦と書いてあるだけでラベルにはデカデカと「高原ハチミツ」としか書かれていなかった。

ハチミツといえば文字通りのハチのミツというのが一般的な認識だし、この「高原ハチミツ」は商品として危険すぎるんじゃないかと。別荘荒らし2人と広沢の遭遇より、深瀬にもっと救いを持たせるならまさにそこだったと思う。

喫茶店で長野で仕入れたと言って「高原ハチミツ」のままマスターの奥さん(YOU)が持ってきたってことは今もそのまま売ってるって事になってたけど、10年間他に蕎麦アレルギーによる犠牲者は出なかったのだろうか
あの下りを変えて、蕎麦アレルギーの人が発作を起こして問題になり、昔は「高原ハチミツ」として売っていたらしいけど10年後の今はラベル表示が「ソバ蜜」に変わっている、とかでも良かったのでは。なめた瞬間に深瀬ならあのハチミツだ!と一致させられていたと思うし。

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