貴族探偵 最終話

桐山漣、南沢奈央が殺されているのを相次いで発見した愛香(武井咲)は何者かに殴られて気絶。救ったのは貴族探偵(相葉雅紀)だった。愛香が目を覚ますと既に警察が到着していた。負傷していた愛香は捜査に参加できないままに執事ーズが鼻形(生瀬勝久)と共に事件を捜査・整理していた。執事ーズはやがて自分たちの推理を信じるべきか話し合うという謎の事態に。

全く捜査に参加できなかった愛香だったが鼻形が持ってきた執事田中(中山美穂)の状況整理ボードと話を聞いただけで犯人が分かったと告げ、開始20分少々、初の捜査ゼロで推理を展開しようとする。しかし執事ーズが制止し、自分たちから先に推理したいと申し出た。

1年前のモーターバイク事故関連で恋人を事故で死なせたのが桐山漣だと分かり、金で解決しようとした桐山漣にブチ切れた南沢奈央が衝動的に桐山漣を殺した。さらに南沢奈央は当時の現場にいて一緒に嘘の証言をした佐藤めぐみに話を聞きに行ったが、佐藤めぐみのところには貴族探偵が来ていて南沢奈央の凶行を阻止。しかし南沢奈央を止めている間に佐藤めぐみが南沢奈央を返り討ちにした、女性を見捨てない貴族探偵は証拠隠滅を手伝った、というものだった。貴族探偵は否定も肯定もしなかったが、執事ーズには常に自分たちの推理を信じろと話していたため、それでいいと告げ、ご主人様を犯人呼ばわりした事への御咎めはなし。

愛香は貴族探偵を救ってやると宣言し、執事ーズの推理は「惜しいところまで行っていました」といつも自分が言われている台詞を綺麗そっくりお返ししするというかなり無駄な前置きをして自身の推理を展開。この執事に犯人扱いされた貴族探偵を救ってやる的な態度いつも言われている台詞をそっくり言い返すあたり、やはりなんだかんだ蓄積されてきた悔しさが溢れたのだろうか。

犯人とされた佐藤めぐみだったが実は事件にノータッチだった。真犯人は依頼人だったはずの矢作穂香、巻き込まれて協力したのが兄の辰巳雄大。具同家次男の子供である2人は両親も既にいなくて一家の中では肩身の狭い思いをしていたらしく、具同家の跡継ぎである桐山漣を消したいと考え、そのために南沢奈央をそそのかしたという。

実は1年前の事故現場を矢作穂香も偶然目撃していて(隠滅や警察への証言には加担せず別の場所で見ていただけ)それを知った上で真相を調べないか?と南沢奈央をけしかけた。南沢奈央は矢作穂香の計算通りに桐山漣を殺したがこの際に桐山漣と佐藤めぐみの会話から矢作穂香も1年前の真相を知っていたとバレてしまった。だましていたのかと南沢奈央がブチ切れて襲い掛かって来たので辰巳雄大が止めたが、矢作穂香はその隙に反撃して返り討ちにしてしまった。

1年前の真相は辰巳雄大だけは全く知らされていなかったらしく、この土壇場で知らされた挙句に妹が巧妙な殺人示唆計画をしていた事や、目の前で南沢奈央を殺る場面まで目撃するという連続で理解が追いつかない展開を強いられていたらしい。辰巳雄大にとってはかわいい妹が悪魔のような計画を実行していたリ、南沢奈央は慕っていた先輩だったりしたので、いきなりこの超展開に巻き込まれたのはかわいそうすぎる矢作穂香を裏で指揮していた某犯罪プロデューサー(笑)でもいてくれた方がまだ救いがある勢い。

しかも貴族探偵がこのド深夜にこっそり到着していたのでとっさに矢作穂香はその相手をしなければいけなくなり、兄と南沢奈央の死体を放置。ようやく貴族探偵がいなくなり証拠隠滅を図ろうと思ったら愛香が死体を発見したのでこれも追いかけて殴った。理解が追いついてない兄の辰巳雄大は自室に戻ってもらったので全ての後始末を矢作穂香が1人で行った模様。

この子、前回は病弱なので今な~んもしてない(実質お嬢様ニート)という設定じゃなかったのか。深夜にアグレッシブすぎるだろこれ…。キャラ変しすぎな矢作穂香に対して、真相を暴かれた兄の辰巳雄大は情けない兄でごめん…と謝るのも納得というか…ホントなんもしてないもんな兄貴。1年前の事故にも今回の事件にも1人だけ全く関わってないメイドの高橋ひとみの空気っぷり…。そして貴族探偵は矢作穂香と会って別れてから愛香を救出するまで何してたの?

ようやく1人で事件を解決した愛香だったが、いざ解決したらしたで全く喜ばずに開口一番に執事ーズにわざと間違えましたね?と問いかける。こっちはこっちでなんかキャラが急成長している…。

貴族探偵は約束の切子(井川遥)の死の真相を語らずに去ってしまう。しかし帰宅後に真相が明らかに。今まで愛香と会話していた切子は幻かと思われ、愛香も幻のつもりで接していたようでこれが幻影なのか本物だったのかは最後まで不明だったが、切子は生きていた事が発覚。

とある事件を解決した切子はその裏に潜む政宗是正に命を狙われるようになり、貴族探偵に自分の偽装死を依頼。鈴木(仲間由紀恵)が請け負い、偽装死を完了し、貴族探偵サイドは鈴木を派遣して政宗是正サイドと交渉を続け最近になってようやく切子の身の安全の保障を確約していた。

切子の依頼で鈴木がギリとして愛香を見守り、愛香が訪れる事件現場にはいつも貴族探偵一行が手助けに来ていた。さらに切子は探偵事務所の隣の部屋に潜んでいて時折壁を叩いたりしていたという。これまでの伏線が一気に回収されたが、切子が実際に愛香の前に幻影を装って姿を見せていたのかは曖昧なままにされた。執事ーズに話を聞いた愛香は貴族探偵の元へ向かい切子と再会するが、切子は海外でセレブと結婚するといい、事務所を愛香の名義に変えて旅立ってしまった。弟子の愛香を大切に思っていたと散々やった後にナンダソレ…。

貴族探偵へ一応感謝を告げ、事件を解決したんだから女探偵ではなくちゃんと探偵と呼べと要求する愛香だったが、そこ?「女」がつくかつかないか重要?今回の事件は自分が解決したと豪語する貴族探偵。これは「矢作穂香と会って別れてから愛香を救出するまで何してたのか?」に対する答え=矢作穂香が何をしていたかその時点で知っていた、という事?

一応「探偵さん」と呼んであげたところ、愛香は唐突に貴族探偵を「あばんちゅーる」に誘い、2人がキス…しそうなところで終了(エンドロール後オチにやってくる鼻形がラストカット)。月9の30周年なので最後はラブで締めたかったのかもしれないがこれは唐突すぎた。

全部終わっての感想

途中からは事件がどうでもよくなってしまったが、一応概ねの謎を一気に明かしてスッキリ綺麗に終わった。元からファンタジーでありツッコミながら見てくださいなどと毎回表示していたので、細かいところがおかしかったのや、愛香と会話していた切子が幻影だったのか、本物だったのかとかこだわらない方が良さげ(生きているのが発覚する直前に出たのは幻影じゃなくて本物で、本物に手を握られた感触やワイングラスに本当に飲んだ跡があった事から愛香が幻じゃない?と不思議がる様子はあったけど…)。貴族探偵の正体なんて当然もってのほか

相葉雅紀の貴族は監督サイドの指示が変わって1度撮影したのを撮り直したみたいなニュースもあったように、相葉雅紀の演技力以前に貴族を実写化する上での演出サイドの迷走があったのは確かなようで当初は強烈な違和感しか無かったが、最終的にはそういうものだと慣れるしかなかった。他のキャラが濃かったのと最初からツッコミ待ちの姿勢で楽しく作られていたので、そういう姿勢で見れば楽しいドラマだったと思う。

何より地味に凄かったのが最後まで気合いの入れ方がブレなかった制作サイドの鋼のメンタル

月9の30周年を堂々掲げて、低迷していた月9を昨年紅白司会の相葉雅紀で復活させるという気合いで何とか初回2桁視聴率を確保。しかし肝心の相葉雅紀の貴族キャラが不評で2話以降一桁に低迷。しばらくは最早定番になっている低視聴率をネタにした月9やっぱりオワコン系ゴシップ記事だけでなく、話題を盛り上げるために仕込んでいたらしき隠し玉の仲間由紀恵、そして謎の中山美穂の持ち上げ記事、さらに毎回のゲストの豪華さ(加藤あいの久々のドラマ復帰とか)などドラマを盛り上げるような記事が出回る状態だったが、いつしか上げ記事も下げ記事も出ない無風状態に。フジ社長は解任が決定され、一足早く次のクールが『コード・ブルー』復活だと明かされるなど、ドラマ中盤頃には世間の興味は次に移ってしまうような状態になっていた。

だがそんな中において普通は話がグダったり、ストーリー崩壊したり、ゲストが急にしょぼくなったりしそうなのに、全くブレなかった。1話、2話、4話で延長をやり、先週であらかたのドラマが終わったのに全10話にせずに無理やり引き伸ばしてまで全11話にしてその11話も延長。延長回が実に4回、毎回の凝った演出やゲストの知名度等も最後まで全く落とさずに最初のテンションを保ったまま、伏線も軒並み回収してちゃんと終わった。低視聴率に全くめげず、途中でストーリーを変えたり、削ったりした感じも全くしないまま、もちろん何か謝罪に追われるような案件も起こさずに、初志貫徹で終わったという意味では30周年に恥じない貫禄の1作だったと思う。

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