ラブとポップ〜好きだった人を思い出す歌がある〜 mixed by DJ和

No アーティスト名「タイトル」 作詞 作曲 編曲 備考
1 Every Little Thing「fragile」 持田香織 菊池一仁 伊藤一朗,桑島幻矢,菊池一仁 17thシングル 最高1位 売上83.4万枚
2 DA PUMP「if...」 m.c.A・T 富樫明生 富樫明生 12thシングル 最高11位 売上34.9万枚
3 Aqua Timez「千の夜をこえて」 太志 太志 Aqua Timez 2ndシングル 最高12位 売上12.7万枚
4 ORANGE RANGE「花」 ORANGE RANGE ORANGE RANGE   7thシングル 最高1位 売上100.0万枚
5 RIP SLYME「One」 RIP SLYME RIP SLYME RIP SLYME 3rdシングル 最高4位 売上32.5万枚
6 CHEMISTRY「PIECES OF A DREAM」 麻生哲朗 藤本和則 藤本和則 1stシングル 最高1位 売上113.2万枚
7 Crystal Kay「恋におちたら」 H.U.B. 坂詰美紗子 Singo.S 17thシングル 最高2位 売上29.5万枚
8 アンダーグラフ「ツバサ」 真戸原直人 真戸原直人 アンダーグラフ、島田昌典 1stシングル 最高6位 売上30.1万枚
9 サスケ「青いベンチ」 北清水雄太 北清水雄太   1stシングル 最高8位 売上27.1万枚
10 蓮井朱夏「ZOO〜愛をください〜」 辻仁成 辻仁成 辻仁成 シングル 最高3位 売上50.7万枚 
川村かおり、ECHOESのカバー
菅野美穂がドラマの役(遠野李理香)の芸名としてリリース
11 光永亮太「Always」 光永亮太 Sin Sin 1stシングル 最高5位 売上24.4万枚
12 キンモクセイ「二人のアカボシ」 伊藤俊吾 伊藤俊吾 キンモクセイ、澤近泰輔 2ndシングル 最高10位 売上23.0万枚
13 ASIAN KUNG-FU GENERATION「君という花」 後藤正文 後藤正文   2ndシングル 最高14位 売上4.3万枚
14 サンボマスター「世界はそれを愛と呼ぶんだぜ」 山口隆 山口隆 サンボマスター 5thシングル 最高7位 売上12.9万枚
15 Whiteberry「夏祭り」 破矢ジンタ 破矢ジンタ 坂井紀雄 3rdシングル 最高3位 売上64.8万枚
2020年アナログ盤 最高68位 売上0.04万枚
JITTERIN'JINNのカバー
16 NANA starring MIKA NAKASHIMA
「GLAMOROUS SKY」
AI YAZAWA HYDE HYDE、KAZ 16thシングル(中島美嘉) 最高1位 売上44.4万枚
17 YUKI「ドラマチック」 YUKI 蔦谷好位置 蔦谷好位置 11thシングル 最高2位 売上7.6万枚
18 センチメンタル・バス「Sunny Day Sunday」 赤羽奈津代 鈴木秋則   4thシングル 最高4位 売上51.0万枚
19 ガガガSP「卒業」 コザック前田 コザック前田 ガガガSP 3rdシングル 最高30位 売上6.3万枚
20 RIZE「Why I'm Me」 Jesee RIZE   3rdシングル 最高10位 売上25.0万枚
21 nobodyknows+「ココロオドル」 nobodyknows+ nobodyknows+   3rdシングル 最高5位 売上24.8万枚
22 麻波25「SONS OF THE SUN」 PASSER,HUNTER PASSER 麻波25 5thシングル 最高4位 売上32.4万枚
23 DJ OZMA「アゲ♂アゲ♂EVERY☆騎士」 Reyam George
日本語詞:DJ OZMA
Farian Frank DJ OZMA 1stシングル 最高4位 売上23.0万枚 
DJ DOC「Run to you」の改作カバー
24 倖田來未「Butterfly」 倖田來未 渡辺未来 渡辺未来 16thシングル 最高2位 売上12.6万枚
25 D-51「NO MORE CRY」 吉田安英 生熊朗 生熊朗 3rdシングル 最高2位 売上40.5万枚
26 木村カエラ「Butterfly」 木村カエラ 末光篤 末光篤 配信限定シングル、5thアルバム『HOCUS POCUS』収録曲
27 REIRA starring YUNA ITO
「ENDLESS STORY」
Dawn Ann Thomas
日本語詞:ats-
Dawn Ann Thomas HAL 1stシングル(伊藤由奈) 最高2位 売上47.2万枚
Dawn Ann Thomas「If I'm Not in Love With You」のカバー
28 河口恭吾「桜」 河口恭吾 河口恭吾 武藤良明 6thシングル 最高4位 売上44.3万枚
インディーズシングル 最高106位 売上0.6万枚
29 元ちとせ「ワダツミの木」 上田現 上田現 上田現 1stシングル 最高1位 売上84.8万枚
30 ZONE「secret base〜君がくれたもの〜」 町田紀彦 町田紀彦 虎じろう 3rdシングル 最高2位 売上74.4万枚
31 花*花「さよなら 大好きな人」 こじまいづみ こじまいづみ パパダイスケ 2ndシングル 最高6位 売上52.8万枚
32 YUI for 雨音薫「Good-bye days」 YUI YUI 松浦晃久 5thシングル 最高3位 売上24.2万枚
33 中島美嘉「WILL」 秋元康 川口大輔 冨田恵一 5thシングル 最高3位 売上14.5万枚
34 一青窈「ハナミズキ」 一青窈 マシコタツロウ 武部聡志 5thシングル 最高4位 売上41.4万枚
35 椎名林檎「ギブス」 椎名林檎 椎名林檎 亀田誠治、椎名林檎 5thシングル 最高3位 売上71.4万枚
36 浜崎あゆみ「SEASONS」 浜崎あゆみ D・A・I 鈴木直人 16thシングル 最高1位 売上136.7万枚

リリースデータ

2017年8月9日 初登場15位、最高5位 売上38.0万枚 Compiled & Non-stop mix by DJ和 fanta record(ソニー)

DJ和24th MIX CD。2000年代のヒット曲を中心に36曲を概ね1コーラス〜2コーラスやTVサイズの原曲を切り貼りして繋いだだけのノンストップミックスで収録。広末涼子がジャケットに採用されている。ブックレットには各楽曲フルサイズの歌詞が掲載され、収録箇所が太字表記されているほか、ライターによる曲ごとの解説も掲載。これに伴い12mmサイズの厚いケースとなっている。

初登場15位から2週目に5位へ浮上(2週連続)、トップ10を何度か行ったり来たりしながらロングヒットを記録(最高位となる5位にも4度ランクイン)、2020年まで300位以内121週ランクインでDJ和作品としては最高売上を記録した。今作発売時点で既に23作のMIX CDを発売して累計110万枚突破邦楽No.1 DJを売りにしていたが今作の大ヒットによりDJ和のネームバリューは格段に上昇し、名前だけで1つ抜けた存在となった。本来の業務を逸脱した依頼(選曲も交渉も必要とされずただ指定された曲を繋ぐだけの誰でも出来るどころか名義貸し同然の仕事)も舞い込むようになり、MIX CDのDJとして確固たる地位を築いた。直接の続編として2019年に『ラブとポップ 〜大人になっても忘れられない歌がある〜 mixed by DJ和』が発売された。

DJ和が地位を決定づけた革新作であり、誰も突かなかったところを突いて潜在需要を掘り越したアイデアと度胸勝ちの究極の企画作品。DJ和はトラック制作能力を持っておらず、今作はリミックス作品ではない。ただ曲間を繋いだだけで、繋ぎ目にもこれといった工夫も加工も施されていない。せいぜいクロスフェードをかける程度であり、波形編集ソフトがあれば誰でも出来そうなものであり、実際この手のMIXは一般人の間でも行われていて、著作権の問題をクリアして投稿できるクラウドサイトも充実してきている。DJ和が圧倒的知名度を誇ったのは誰もがこれは商業ベースに乗せるものではないと暗黙で思っていて踏み込まなかった領域に堂々踏み込んで先駆者となった事、立ち回りの上手さ、ターゲットをDJ文化の外に向けた事によるものだと思う。

00年代以降CDが売れなくなると90年代懐古需要が高まり、90年代以前のヒット曲を中心としたコンピ盤が大ヒットするようになってコンピ盤ブームとなった。ソニーも夏ソングやクリスマスコンピを毎年のようにリリースし、『CLIMAX』シリーズを大量リリースしていたが10年以上も同じことを続けてすっかり飽和し、新たなコンピ盤ヒットも生まれなくなっていた。そんな中で元々はクラブ文化や店頭プロモーション用など狭い世界にあった短く切って繋ぐMIX CDにコンピ盤の要素を融合させたのがDJ和のシリーズであるといえる。当初から00年代の選曲も盛り込んではいたが、今までのコンピ盤の流れに沿っていたこれまでとは傾向が異なり、今作は1986年生まれのDJ和が中高大学生辺りでリアルタイムヒットした00年代前半〜半ばまでの選曲に集中。実はこの世代が直撃した00年代中心のコンピ盤はこれまであまり無く、コンピ盤といえば90年代以前が中心の懐かし需要というのがいつの間にかお決まりになっていた。とはいえ2007年に当時の35歳前後をターゲットにした『R35』がミリオンに迫る大ヒットを記録して早10年。もう00年代のヒット曲を学生時代に聞いていたリスナーでも30代に達していて、00年代のヒット曲も十分に懐かしいあの頃になっていた。

というよく考えればただ10年時が流れた当たり前の事なのに、上の世代がつっかえているせいか、いつまでも90年代、ついには80年代リバイバルな感じで延々コンピ盤作り続けていて置いてけぼりになっていた今(2017年当時)のアラサー世代に向けた絶妙選曲。それが今作だと思う。これは確かに絶妙で到底今までのコンピ盤には入っても中心にはならないような00年代のヒット曲がドッカドカと入っている。しかも改めて聞き返そうにももう持っていない、1曲単位か数曲単位でしか覚えてないので該当アーティストのベスト盤等を探してくるのもちょっとめんどい、ちょっと聞きたいだけなんだというような曲ばかり。同世代であれば確実に刺さるヒット曲が次々とチョイ聞きできるのは魅力だ。しかもこういう選曲はたぶんちょっと気取ったDJなんかでは恥ずかしがってやれないと思うし、この誰でも出来そうながら実際には誰もやってこなかった"ただ俺が学生時代にJ-POP好きとして聞いてきたヒット曲"という視点で選曲をしたのはDJ和の最大の功績といえる。それだけにこれ以降は知名度目当ての名前貸しだけみたいな氏が選曲も交渉もしてないただ繋ぐ以外何もしない、本当に誰でも出来るどころか最早もっと技術のある他の人がやった方がいいような起用が増えたのは残念でもある。

今作で一部気になったのは曲の一部だけを切り取ったのではなく、DA PUMPの「if...」は2番だけカットしたTVサイズになっている、「NO MORE CRY」も冒頭から1番サビまでの後に曲の最後をつけたような編集になっている事。わざわざ途中を削って繋いだとも思えないのでこういうのは最初からTVサイズに編集された音源を渡されているという事なんだろうか。

選曲では中島美嘉が都合2曲あるが「STARS」ではなく「WILL」、RIP SLYMEが「楽園ベイベー」ではなく「One」というのはそれでもそっちもヒット曲だったので分かるけど、アジカンだけ「リライト」「君の街まで」「ループ&ループ」とか差し置いてトップ10入りもしていないブレイク寸前の「君という花」は今作の中では少し知名度的にも弱い気が…。

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印象度★★★★☆

2021.3.30更新

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