K-20 怪人二十面相・伝
北村想の「怪人二十面相・伝」「怪人二十面相・伝 PARTU」が原作。江戸川乱歩の小説に出てくる明智小五郎と怪人二十面相の戦いを二十面相側の視点を中心に新解釈した内容の小説。原作1冊目で初代が活躍して、2冊目では2代目が活躍するという内容だが映画化にあたっては一部の設定やエピソードと登場人物の名前くらいしか残っていないほど大幅に変更されている。
第二次世界大戦が回避され、19世紀の華族制度が続き、帝都と呼ばれる東京では極端な身分社会となっている1949年の架空の日本が舞台。
怪人二十面相が暗躍する世の中、二十面相が次に盗むと予告したのは新エネルギー機械・テスラだった。二十面相のライバル、明智小五郎(仲村トヲル)と助手の小林少年(本郷奏多)にいつものように捜査協力が依頼される。そんな中、サーカスの曲芸師として貧乏ながら平穏な日々を送っていた遠藤平吉(金城武)は、雑誌社の者と名乗る男(鹿賀丈史)に明智といいところのお嬢様である葉子(松たか子)との婚約パーティーをこっそり撮影してきてほしいと頼まれる。依頼を受けた平吉は現地へ出向き、カメラのシャッターを切るがそれは爆破装置だった。怪人二十面相の疑いをかけられてしまった平吉はわけも分からないうちに投獄されてしまい厳しい取調べを受ける。
サーカス団の小道具担当で実は裏の顔はコソ泥だった源治(國村隼)と仲間たちの活躍で、護送中に脱走する事に成功した平吉。無実の罪を晴らし、本物を捕まえるために泥棒の秘伝書を元に修行を開始。やがてその実力を開花させる平吉。そんなある日、怪人二十面相に追われている葉子を救ったことで事態は大きく動き出す…。
無実の罪を晴らすという展開はワクワクものだし、アクションも爽快。見ごたえのある作品。「ALWAYS 三丁目の夕日」で昭和の世界をCGで再現させたチームが参加しているだけに架空の帝都という世界をキレイに表現していて世界に入り込める。松たか子のとぼけたお嬢様ぶりもハマっているし(本人がお嬢様だし)、金城武は相変わらずカッコイイ。脇役ながらしっかり主役を支える國村隼もさすが。誰が怪人二十面相なのかというのは意外な真相!って感じで引っ張ってはいたが、仮面が割れる少し前にもう何となく察しがついてしまうのは仕方がないか。それにしても小林少年だけ何だか不憫だなぁ。
★★★★☆