RYOTA FUJIMAKI Acoustic Recordings 2000-2010
No | タイトル | 作詞 | 作曲 | 編曲 | 備考(レミオロメン原曲) |
1 | 電話 | 藤巻亮太 | 藤巻亮太 | 藤巻亮太 | 2ndシングル |
2 | 昭和 | 藤巻亮太 | 藤巻亮太 | 藤巻亮太 | 1stシングル『雨上がり』C/W、1stアルバム『朝顔』収録曲 |
3 | ビールとプリン | 藤巻亮太 | 藤巻亮太 | 藤巻亮太 | インディーズミニアルバム『フェスタ』収録曲、1stアルバム『朝顔』収録曲 |
4 | 3月9日 | 藤巻亮太 | 藤巻亮太 | 藤巻亮太 | 3rdシングル ソロで2度目のセルフカバー |
5 | 五月雨 | 藤巻亮太 | 藤巻亮太 | 藤巻亮太 | 4thシングル『アカシア』C/W、2ndアルバム『ether[エーテル]』収録曲 |
6 | 春景色 | 藤巻亮太 | 藤巻亮太 | 藤巻亮太 | 5thシングル『モラトリアム』C/W、2ndアルバム『ether[エーテル]』収録曲 |
7 | 永遠と一瞬 | 藤巻亮太 | 藤巻亮太 | 藤巻亮太 | 2ndアルバム『ether[エーテル]』収録曲 |
8 | 粉雪 | 藤巻亮太 | 藤巻亮太 | 藤巻亮太 | 8thシングル |
9 | 太陽の下 | 藤巻亮太 | 藤巻亮太 | 藤巻亮太 | 9thシングル |
10 | 茜空 | 藤巻亮太 | 藤巻亮太 | 藤巻亮太 | 10thシングル |
11 | もっと遠くへ | 藤巻亮太 | 藤巻亮太 | 藤巻亮太 | 13thシングル |
12 | 透明 | 藤巻亮太 | 藤巻亮太 | 藤巻亮太 | 4thアルバム『風のクロマ』収録曲 |
13 | 蛍 | 藤巻亮太 | 藤巻亮太 | 藤巻亮太 | 11thシングル |
14 | Sakura | 藤巻亮太 | 藤巻亮太 | 藤巻亮太 | 配信シングル、ベスト『レミオベスト』収録曲 |
15 | 恋の予感から | 藤巻亮太 | 藤巻亮太 | 藤巻亮太 | 16thシングル |
リリースデータ
2019年4月3日 | 初登場28位 | 売上0.3万枚 | All Songs Produced,Written,Composed & Arranged by
藤巻亮太 Additional Sound Produced by 桑野貴充(アウトバウト) |
SPEEDSTAR RECORDS(ビクター) |
藤巻亮太セルフカバーアルバム。17年9月の『北極星』以来1年7ヶ月ぶり。レミオロメン時代の楽曲をソロでセルフカバーした15曲を収録。当初レミオロメンの弾き語りアレンジアルバムを制作すると発表し、収録曲のリクエストが行われた。リクエストの結果は「永遠と一瞬」が1位、「ビールとプリン」も上位とインタビューで明かされているが詳細は明かされていない。Additional Sound Produced by 桑野貴充という表記があるが、桑野貴充というのは録音とミックスを担当したエンジニア。桑野貴充は藤巻亮太と同級生だったこともあって(単に年齢が同じだけなのか学友だったのかは不明)、アレンジに関してのアイデアをもらいながら作っていったとインタビューで語られているため、このような表記をしたようだ。18年5月にレミオロメンメジャーデビュー以降から在籍していた事務所烏龍舎から独立して最初の作品となったが、レコード会社にはそのまま残留している。
当初の発表と実際の内容に微妙に色々な相違があるアルバムとなった。まず弾き語りアレンジアルバムと言っていたので普通に本人のアコースティックギターと歌のみ、あっても簡易な打ち込みやピアノ等の追加程度かと思っていたら、思いっきりエレキギターやベースも入り、ドラムが入ったバンドサウンドの楽曲が大半(今回もギターとベースは全部本人演奏でドラムやピアノはサポート)。「恋の予感から」はボーカルとピアノ演奏のみでこれが最も音数が少ない編成。「Sakura」のみ1人演奏だがアコースティックギターとガットギターを重ねてハーモニカを交えている。結果的にギター1本で弾き語りしている曲は1曲も無い。
前述のように弾き語りアレンジで聞きたい曲として年明け1月にリクエストを募集したものの、2月には一部の収録曲が早くも決定しており、3月には正式に収録曲決定と発表、そこから1ヶ月で発売…という流れだったのでリクエストは本当に参考程度と思われる。恐らく大半の収録曲は本人選曲で最初から決定して作業を進めていて、数曲程度の枠を残しておき、リクエストを参考にして上位の曲から選んだとかその程度と思われる。
また2000-2010となっているが、実際に収録されている楽曲は全国流通したCD基準では2003-2009の範囲となる(03年より前に自主制作盤を何枚か出しているようで「昭和」や「ビールとプリン」はそちらに収録されていたようだがいずれにしても2000年にはまだ出ていないはず)。またほぼ時系列だが微妙に発表順が前後している。
年数の起点に関しては2000というのは結成年。結成年に今作収録の楽曲が存在したかは不明だが、曲がいつできたかよりもレミオロメン結成年である2000年がそれだけ重要な起点だという事だろう。そして今作最新の「恋の予感から」が2009年、レミオロメンの最後の新曲発売が2011年、休止が2012年なのにタイトルの終点が2010年なのと曲順の微妙な前後に関しては、アルバム単位で振り返ったためと思われる。アルバム単位で見るときっちり発売順に曲が並び、そして最後のオリジナルアルバムとなっている『花鳥風月』は2010年発売。2000-2010というのはそういう事だと思われる。
一応全体的にアコースティック主体、ギターと歌がメインにはなっていて、そこを基礎にして音を足していく形で制作したようだ。インタビューでは最初は本当に弾き語りのつもりだったが、色々構想が浮かんできてこうなったと語られている。このため原曲からすればシンプルなサウンドで研ぎ澄まされているとはいえ弾き語りアレンジという宣伝文句を念頭に聞くとけっこうガッツリアレンジされたように感じる。アレンジはどれも原曲とは違うがソロとしての現在の新解釈としてすんなり聞けるものになっていて、著しくイメージを破壊したりどうしてこうなった…と思うような奇をてらった事はしていない。正直弾き語りで15曲はちょっとなぁ…と思っていたので(弾き語りだとアップテンポなのがバラードにされがちだし、バラードはさらにスローにされがちだし…)、期待を遥かに上回る良作だった。初期のロック色の強い楽曲やロックナンバーが勢い自体は損なわない新解釈なアレンジで聞けるのも面白いが、後半はコバストリングスとピアノが真っ先に浮かんでくるような楽曲が集中的に選曲されている。今作は当然ストリングスを使用していないので、シンプルなアコースティック+少々の編成で「太陽の下」「茜空」「蛍」が聞けたというのはかなり新鮮だった。まあ「茜空」「蛍」なんかはやはり元が暗くて重いので小林武史もレミオロメンも当時あのような激重ストリングスで覆うアレンジにせざるを得なかったところもあるのかなとも改めて思ったりもしたけど…。
印象度★★★★☆
2019.6.29更新