ALL TIME BEST〜福耳 20th Anniversary〜

No タイトル 作詞 作曲 編曲 備考
1 星のかけらを探しに行こう again 杏子 杏子・馬場一嘉 福耳Project 1stシングル 最高9位 売上6.1万枚(初回盤)
最高16位 売上21.6万枚(通常盤)
2024年12インチアナログ盤 最高90位 売上0.03万枚
杏子のソロシングル『星のかけらを探しに行こう』リメイク
2 10 Years After 杏子・谷穂ちろる 山崎将義 スガシカオ・森俊之 2ndシングル 最高7位 売上6.5万枚
3 SUMMER of LOVE 谷穂ちろる 佐藤洋介 間宮工 3rdシングル 最高20位 売上1.8万枚
4 ALL OVER AGAIN 谷穂ちろる M&G 間宮工 3rdシングル両A面曲
5 惑星タイマー スキマスイッチ スキマスイッチ スキマスイッチ 4thシングル 最高6位 売上8.2万枚
6 DANCE BABY DANCE 岡本定義 岡本定義 COIL 5thシングル 最高3位 売上3.9万枚
7 夏はこれからだ! 岡本定義 岡本定義 COIL 5thシングル両A面曲
8 LOVE & LIVE LETTER さかいゆう さかいゆう さかいゆう 6thシングル 最高21位 売上0.65万枚
9 ブライト 長澤知之 長澤知之 山崎将義 7thシングル 最高10位 売上1.1万枚
10 Swing Swing Sing 秦基博 秦基博 山崎将義 7thシングル両A面曲
11 イッツ・オールライト・ママ 岡本定義 松室政哉 岡本定義・松室政哉 1st配信シングル 初CD化
12 八月の夢 岡本定義 岡本定義 スキマスイッチ 新曲

ストリングスアレンジ:森英治(1,4)
Rap Lyric:MICRON'STUFF(7)

リリースデータ

2018年8月22日 初登場13位 売上0.7万枚 Produced by COIL(6,7)、さかいゆう(8)、山崎将義(9,10)、岡本定義,松室政哉(11) オーガスタレコード(ユニバーサル)

メンバー(今作発売時点での公式サイト掲載のメンバー)

主な担当パート メンバー
Vocal,Chorus 杏子
Vocal,Chorus,Guitar,Harmonica 山崎まさよし
Guitar,Bass,Chorus COIL(岡本定義)
Drums,Chorus あらきゆうこ
Vocal,Chorus 元ちとせ
Vocal,Chorus
Piano,Other Instruments,Organ,Wur;itzer,Synthesizer
スキマスイッチ(大橋卓弥、常田真太郎)
Guitar,Vocal,Chorus 長澤知之
Vocal,Chorus,Acoustic Guitar 秦基博
Vocal,Chorus,Piano,Organ さかいゆう
Vocal,Chorus 浜端ヨウヘイ
Vocal,Chorus,Acoustic Guitar 松室政哉
Vocal,Chorus 竹原ピストル
Chorus 村上紗由里
オーガスタ退社により脱退
Vocal,Chorus,Guitar スガシカオ(1〜7)

福耳4thベストアルバム。BESTと銘打たれた福耳のアルバムとしては06年『福耳 THE BEST WORKS』、10年『福耳 THE BEST ACOUSTIC WORKS』、12年『ALL SONGS MUST PASS-Office Augusta 20th Anniversary BEST-』に続く4作目となるが、今作は結成20周年記念の初のオールタイムベストアルバムと銘打たれている。また過去の福耳のアルバムは基本的にシングル曲以外は各ミュージシャンの既存曲や共演音源をまとめるというコンピ盤に近い性質だったが、アルバム全曲が福耳の楽曲のみで構成され、さらに福耳としての新曲が収録されたアルバムは今作が初となる。「LOVE & LIVE LETTER」以降がアルバム初収録

初のオリジナルアルバムと銘打った『シンガーとソングライター〜COIL 20th Anniversary〜』と同時発売。こちらはCOILの岡本定義が各ミュージシャンを1組ずつプロデュースした「○○とCOIL」名義での楽曲が収録されており、福耳名義での楽曲は収録されていない

福耳は事務所オフィスオーガスタ所属のミュージシャンによるオールスターユニット。20周年の起点となっている1998年に杏子、山崎まさよし、スガシカオの3人でライブで杏子のシングル「星のかけらを探しに行こう」をコラボしたのがきっかけで、翌1999年にシングル「星のかけらを探しに行こう again」として発売。この時点ではメンバーは完全にこの3名のみだったが、02年に「10 Years After」をリリースした際には当時「ワダツミの木」が大ヒットしていた元ちとせを加え、さらにCOILやデビュー前のスキマスイッチや竹原ピストルと濱埜宏哉による野狐禅などオーガスタの新人もコーラスとして多数参加していた。03年の「SUMMER of LOVE/ALL OVER AGAIN」ではCOILが正式な演奏メンバーに加わり、06年の「惑星タイマー」ではスキマスイッチが楽曲提供して本格初参加。この曲からはそれまでほぼ全編歌っていた杏子だけでなく、他メンバーのボーカルパートが増えていった。08年の「DANCE BABY DANCE/夏はこれからだ!」はCOILによるプロデュースとなり、ここからは本格的に外部アレンジャーやサポートの演奏参加も無くなり、ストリングス以外の演奏まで事務所所属ミュージシャンにより賄われるようになり、ドラムのあらきゆうこも正式なメンバーとなった。12年の「LOVE & LIVE LETTER」以降はボーカルも完全に分け合うようになり、オールスター色がより強くなった。一方で初期3人のうちの1人であるスガシカオは独立して事務所を辞めたため福耳からも脱退した。またCOILから佐藤洋介が脱退したため、福耳からも抜けた扱いにされているが、スガシカオと違って佐藤洋介は事務所には残留しており、演奏参加はしなくなったがCOIL脱退後の7thシングルには録音ミックスのエンジニアとして参加していた(今作にはエンジニア表記は無し)。

オールスターユニットではあるが、全員強制参加というわけではないらしく、現在もオーガスタ所属ながら参加していないミュージシャンもいる模様。また新曲「八月の夢」は参加メンバーが少なくなっており、杏子、山崎まさよし、元ちとせ、スキマスイッチ、秦基博、あらきゆうこの6組7名のみの参加。岡本定義は作詞作曲(楽曲提供)のみでギターベースコーラス等演奏には参加しておらず、ギターやベースは編曲を担当したスキマスイッチの楽曲でサポートを担当した事のある外部ミュージシャンの演奏となっている。

 

毎回ベスト盤と銘打ちながら半分以上が各ミュージシャンのコラボ音源を引っ張ってきただけのコンピ盤みたいな内容のアルバムを不定期にリリースしていたが、ようやく福耳のオリジナル楽曲が10曲以上溜まった事で、初の福耳名義の楽曲だけで構成された決定版ベストアルバムが実現。今作最大の価値はやはりそこだ。当初は最長老の杏子を中心として男性陣がコーラス、元ちとせが1ポイントリリーフのように存在感を発揮…みたいな形式だったが、若手をフューチャーするようになってからは作者がある程度自由に作った曲をみんなで歌うスタイルになって、よりスペシャル感が増したと思う。特に「惑星タイマー」以降は先輩ミュージシャンや同僚たちと歌う曲であり、ファン以外へのアピールチャンスにもなるためか、どのミュージシャンもいつも以上に気合の入った特別な1曲を提供している印象で1曲1曲の力がとても強い。それらの楽曲が集まった今作は結果的にとても素晴らしい1枚になった。

ただやはり単に事務所が同じというだけで合同の野外ライブが毎年夏に開催される…とはいえ、それぞれ個性の強い人たち。一癖も二癖もある人たちが集まって一緒に制作するのは時間的にも厳しいようで、20年(初リリースは99年なので実質19年)でようやく12曲。初のアルバム用新曲「八月の夜」は参加メンバーが少なくなっていて、しかも比較的落ち着いたミディアムなのでここまでの11曲に比べると正直印象は弱めだった。今作以降も単発で1曲、良くて両A面で2曲が数年に1度、運が良ければ年1くらいで聞ける…くらいの感覚がスペシャル感も保ててちょうどいいのかなとも思う。

ALL TIME BEST ~福耳 20th Anniversary~  

印象度★★★★★

2018.11.3更新

戻る