伝言

No タイトル 作詞 作曲 編曲 備考
1 PEACE IN THE PARK 福山雅治・白浜久 白浜久 白浜久  
2 DEAD BODY 福山雅治・白浜久 白浜久 白浜久  
3 まぼろし 福山雅治 佐野日出夫・白浜久 白浜久  
4 BLUE SMOKY 福山雅治 白浜久 白浜久  
5 古い友への手紙 福山雅治 白浜久 白浜久  
6 追憶の雨の中 福山雅治 福山雅治
補作曲:佐野日出夫
白浜久 1stシングル 100位圏外
7 かなしみは… 福山雅治・白浜久 白浜久 白浜久 1stシングルC/W
8 WHITE LIGHT WHITE HEAT 福山雅治 白浜久 白浜久  
9 WIND FROM JUNGLE 福山雅治 佐野日出夫・福山雅治 白浜久  
10 I LOVE YOU 福山雅治 白浜久 白浜久  

リリースデータ

1990年4月21日 100位圏外 Produced by 白浜久 BMGビクター

福山雅治1stアルバム。88年に俳優としてデビュー。90年3月に1stシングルを発売して歌手デビューした1ヶ月後に今作がリリースされた。本人は俳優よりも歌手志向が強く、本来は1年ほど前に歌手デビュー予定だったが、キーに合わない曲を歌い続けてポリープが出来てしまったため延期になっていたとされている。1stシングルからはそのままA面とC/Wを収録。白浜久はギター、キーボード、プログラミングを全面的に担当している。福山本人は「まぼろし」で白浜と共同、「WIND FROM JUNGLE」では単独でギターを演奏している。また同じ事務所のサザンオールスターズの野沢"毛ガニ"秀行が4,8,9のパーカッションで参加している。シングルアルバム共に100位圏外となり、ブレイク後も今作が100位以内に入ることは無く、売上記録は残っていない(中古市場ではかなり出回っているためブレイク後に100位圏外でそれなりに売れていたものと思われる)。

今作ではシンガーソングライターと呼ぶには厳しく、共作が1曲、単独作曲はデビュー作のみだが、これも謎の補作曲クレジットがあり完全な単独ではない。作詞でも共作が3曲あるなどかなりプロデューサー白浜久に先導してもらっている印象だが、一応白浜久プロデュースは福山の希望だったとされている。サウンドは「かなしみは…」のピアノ+シンセ、ギターのみの「I LOVE YOU」以外はギターベースドラムのオーソドックスなバンドスタイルによるビートロック。時代が時代だけにかなり音の響きが古い。90年代になって4ヶ月しか経っていないので当たり前ではあるが完全に80年代の音である。後のベスト盤『Dear』『THE BEST BANG!!』では「追憶の雨の中」がリミックスされて収録されていて、後追いで聞く際にはこの曲だけは知っている人も多いと思われるが、ここまで変わっていたのかと驚くことは間違いないくらい違う音に聞こえてくる。

全体的には硬派な若者の不良気味のロックといったところもあり、声の若さもあって後のイメージとは異なる。というか低音を情感たっぷりに歌い上げる現在の福山雅治のイメージが強いと名前を伏せて今作を聞いたら正直福山雅治だとはすぐに認識できないようなレベル。"僕"や"君"も使用しているものの"俺"や"お前"を多用した強めの言葉遣い、つまらない大人にはならないぜ!的なとんがった若者のロックンロール。別に社会への不満をぶちまけて戦いを挑んでいるわけではないが、"普通とは違う道を行く俺"的な目線。こういう生き様がカッコいいというロックシンガー的な存在自体が90年代が進むにつれて時代に合わなくなっていったこともあり絶滅危惧種となっただけに正直福山雅治も若かったんだな…に尽きる1作。

地味に謎なのが今作ではドラムが入っている曲は「追憶の雨の中」以外は佐野日出夫がドラム演奏しているんだけど、佐野日出夫が補作曲をした「追憶の雨の中」だけ佐野日出夫ではなく湊雅史がドラムを演奏。何故参加していない曲で今作唯一の補作曲なんていうクレジットで関わっているんだ…。

B00005EI5S

印象度★★★☆☆

2021.1.26修正

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