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リリースデータ

福山雅治8thアルバム。ベスト盤『Dear』からは4ヶ月、オリジナルアルバムとしては2年10ヶ月ぶり。シングル「桜坂」からユニバーサルへ移籍。BMGでの最後のシングルとなった「HEAVEN/Squall」はベスト盤『Dear』に「Squall」のみ収録されていたが、「HEAVEN」は今作に収録された。シングル4作からC/W2曲を含む6曲を収録。「春夏秋冬」は泉谷しげるのカバーで『桜坂』初回盤のみに追加収録されていた楽曲で『桜坂』の大ヒットに伴って入手困難となっていたが今作にエクストラトラック扱いで収録された(表記上は13曲目ではなくエクストラトラック扱い)。99年に主演したドラマ『パーフェクトラブ!』では主題歌はGLAYだったが劇中音楽を担当し、挿入歌も担当。挿入歌は自身では歌わずに複数の新人歌手に提供するというスタイルでシングルになった松本英子の「Squall」が大ヒットしたがこれらをまとめたサントラ盤『Rendezvous 1』も発売されており、その中で鈴木建吾へ提供していた「Venus」がセルフカバーされている。また同ドラマの劇中音楽を集めたサントラ盤『Rendezvous 2』に収録されていたインスト曲「Cutting the wave」に歌詞をつけて改題したものが「dogi-magi」となっている。初回盤はLPジャケット仕様(中身はCD)。品番は同じだが末尾に"A"が付属する仕様(シングル『桜坂』も同様)。

『HEAVEN/Squall』もロングヒットしてミリオンに迫る大ヒットを記録していたが、サザンオールスターズ「TSUNAMI」が大ヒットを記録した『未来日記』タイアップに起用された「桜坂」は自身最高の200万枚越えの空前の大ヒットを記録。以後の2シングルはさほど大きなヒットにはならなかったものの、今作はシングルヒットが効いて過去最高の初動50万枚を記録して前作売上(38万枚)を初動だけであっさり突破。MISIAが初動80万枚をたたき出したため2位止まりとなったものの、累計売上も90万枚に迫り、『Calling』を上回ってオリジナルアルバムでは自身最高売上、ベスト盤2作に続く自身3番ヒット作となった。

ベスト盤『Dear』での印象とも違うし、自身でアレンジや楽器まで幅広く手がけるようになった03年以降とも印象の違う独立性の高い1作。全てのアルバムの中でも最も作風が広く、ポップ、ロック、以後のメイン路線となるアコースティック、R&B系のバラード、ロカビリー風、ボブディラン風、ブルース風味など1曲ごとに様々なジャンルに挑んでいるためまとまりはないものの、新たな可能性が見えるような1作だ。今作以降しばらく新曲が途絶えて03年に新作リリース再開となったが、徐々にアコバラとロックの二軸に固まっていくのでここまで色々やっている今作は発売当時も新鮮だったが、後追いでも新鮮に感じられる。

「友よ」「Gang^★」「Blues」は単独でアコースティックギター、「Carnival」はサポートと分け合ってアコースティックギター、「家路」はサポートと分け合ってのギターとハーモニカ、「Escape」「春夏秋冬」ではギターソロ、「dohi-magi」ではギターソロ2(1はサポート)を自ら演奏している。アコースティックギターの単独演奏は以前もあったが、今作ではギターソロだけをわざわざ担当した曲が3曲もあり、ギタリストとしての成長も見せた1作となった。

初回盤　　通常盤

印象度★★★★☆

2021.4.12修正

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