blossom

No タイトル 作詞 作曲 編曲 備考
1 ユメノキオク 藤村鼓乃美・北川勝利 北川勝利 acane_madder・北川勝利  
2 Don't Know Why 北川勝利・藤村鼓乃美 北川勝利 acane_madder・北川勝利 2/9先行配信
3 You Can Make Me Dance 矢野博康 矢野博康 矢野博康  
4 Moonlight Magic 花澤香菜 北川勝利 北川勝利 14thシングル 最高18位 売上0.3万枚
5 GSSP 大河内航太 大河内航太 大河内航太  
6 Miss You 沖井礼二 沖井礼二 沖井礼二  
7 LOVE IS WONDER 岩里祐穂 ケンカイヨシ ケンカイヨシ  
8 港の見える丘 花澤香菜 北川勝利 北川勝利 14thシングルC/W
9 息吹 イン ザ ウィンド 小出祐介 小出祐介 釣俊輔  
10 草原と宇宙 岩里祐穂 ミト(クラムボン) ミト(クラムボン)  
11 SHINOBI-NAI ポルカドットスティングレイ
・ながしまみのり
21/11/3配信シングル
12 青い夜だけの 宮川弾 宮川弾 宮川弾  
13         CD限定シークレットトラック 配信版(DL/ST)には未収録

Strings Arrangement:Tansa(4,6)、塩野海(7)
Horn Arrangement:神前暁(MONACA)(10)

リリースデータ

2022年2月23日 初登場19位 売上0.4万枚 Sound Produced by 北川勝利
Producer:大日向洋
ポニーキャニオン

花澤香菜6thアルバム。前作から3年ぶり。2019年の前作以降リリースが停止し、前作を引っ提げてのツアーを最後に音楽活動自体が行われなくなっていたが、2021年になると中国での人気を受けて中国で音楽活動を再開、日本でも7月になってポニーキャニオンへの移籍を発表して音楽活動を再開した。中国語バージョンを除く、先行シングル収録の3曲全てを収録、2月9日に「Don't Know Why」を先行配信。

初回盤は「Moonlight Magic」のMV、「SHINOBI-NAI」「Don't Know Why」のMV&メイキング、今作のジャケットメイキング&インタビューを収録したBlu-ray付、フルカラーフォトブック付属、スリーブケース仕様。
きゃにめ限定盤は『HANAZAWA KANA Showcase Live 2021 “Moonlight Magic”』ライブ映像&ドキュメンタリーを収録したBlu-rayが初回盤の内容に加えて追加で付属する。
通常盤はCDのみ。
180g重量盤2枚組LP(A式ダブルジャケット)はきゃにめ・PCSC SHOP・マサドラ・ぽにレコで数量限定販売で5月中旬頃に発送とされている。

一切の告知、表記が無いがCDには13曲目にシークレットトラックが追加収録されている。配信版(DL/ST)には収録されていない

前作でプロデューサが佐橋佳幸に変わったが今作では1st〜4thまでの北川勝利に戻り、提供作家陣も大半が1st〜4thまでに参加していた面々が復帰。逆に前作のみ提供陣も含めて完全に浮いた立ち位置となってしまったが、移籍してまで音楽活動継続となった際にはやはり北川勝利ともう1度という事になったのだろうか。そもそもなんで音楽活動が停止してしまったのかも謎だ。3rd以外は全て2月の誕生日付近にアルバムを発売しており、アルバムから次のシングルまでは今までもかなり間を開けていた。1番早かった最初の頃でも10月に次の新曲、次の時には年末にギリ1枚…その次は年越し…と段々アルバムの次のシングルが出るのが遅くなる傾向にあり、4thから次のシングルまでは1年開くようになっていたので、5thから次のシングルは1年以上、1年半くらい開きそうだなという感じはあった。ただ5thから1年、すなわち2020年2月以降は新コロ元年に突入。ますます新曲どころじゃないんだろうなと思っていたが、20年7月には同業者の小野賢章との結婚を発表。2021年に中国から音楽活動を再開した辺りからして本人の意欲は高かったことが伺えるだけにSACRA MUSIC的には元々右肩下がりの売上がOVER 30'sと結婚でもう売上が見込めないと判断されてしまったのだろうか…。いずれにせよポニーキャニオン移籍により元の制作陣に戻して再開できたのだから良かった(ポニーキャニオンはほぼ新曲まともに出せなくなってるけど同じくOVER 30's+結婚してアイドル需要ダダ下がりの竹達彩奈も切らずに活動継続させているのでSACRAよりは面倒見がいいはず…)

というわけで制作陣を戻しての再スタートなので原点回帰するのかと思いきやなんだかかつてない作風に変貌。北川勝利のROUND TABLEにしても沖井礼二と矢野博康がやっていたCymbalsにしても渋谷系、ネオ渋谷系と区分されることが多く、当時の洗練された都会的な感じのオシャレな音楽をやっていたグループでこれまでの提供曲もそういったオシャレな色が強かった。しかし今作はそれとは真逆の90年代に渋谷系が出現する前時代のサウンドである80年代臭が凄い。特に「Don't Know Why」「息吹 イン ザ ウィンド」でのあからさまなポンポンしたリズムはまさに80's特有のサウンド。コンピューターミュージックの進化と共に一躍ブームになってこぞってポンポンしまくっていたのに90年代以降の価値観の著しい変異で時代の彼方へと葬り去られたような80年代特有のあの独特の響きや音色を惜しげもなく再現。極端なのはこの2曲だがそれ以外もバンド風打ち込みドラムではない、打ち込みならではのコンピューター音リズムを駆使した曲が多くて今作の特徴になっている。生ドラムはミト氏が編曲した「草原と宇宙」とポルカドットスティングレイがそのまま演奏も担当した「SHINOBI-NAI」の2曲だけだがよくある人件費削減ではなく、1人オケ制作もあるけどギターやベースは比較的呼んでいるし、それこそ打ち込みで済ませがちなピアノまでわざわざ奏者を呼んでいる曲もあるくらいなのでこだわりにこだわっての打ち込みドラムと思われる。ドラマーの矢野博康もドラム叩いてないし。また昨今流行な感じの電子音とも一線を画しているので今作での打ち込みの駆使の仕方は個人的にかなり好印象だった。

正直もう少し前だとわざわざだっせぇ80'sサウンドにしなくても…と思っていたところだが完全に1周回っていてこの80's感がなんか面白い。このおかげで退屈せずに一気に突き進んでいけるアルバムになっているし、案外これまでのアルバムよりも印象に残ってくるかもしれない(というかこれまでのアルバムどれも好印象だったんだけど薄味な印象もあったので全く聞き返してなくて結局そこそこ好印象だった事しか覚えてない)。

CD限定のシークレットトラックはブックレットにも何も書かれていないので曲名も不明だが、1分程度の短曲。しかし内容は音楽活動再開への決意を込めたような内容になっているので、移籍して再スタート作となった今作を締める役割としてはかなり重要な1曲でこれがあるのとないのでは聞き終えた時の感触が地味にけっこう変わってくる。DL/STで済ませたのではなくCDをわざわざ買ってパッケージとして(一時的でも)所有の意志を示して聞こうと思ったリスナーに向けての特別なメッセージと考えればなかなか粋な演出だ。なおmoraではハイレゾ版をDLすると特別メッセージが聞けるほか、ストリーミングのSpotifyでは北川勝利とのトーク番組「Anime Music Deep Talk」を配信するのを筆頭に各ストリーミングサイトでも何らかの特典があるようだ。全部チェックしたい人大変だこれ。なおAmazon Musicはハイレゾ音源である以外には何の特典も無く、何よりCDシークレットトラック収録情報を得たので急遽Amazon Music視聴からCD購入へと切り替える事になった。

B09M4D1WCB初回盤Blu-ray付  B09M4DVDVZ通常盤 

印象度★★★★☆

2022.3.21更新

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