あなたになりたかった
No | タイトル | 作詞 | 作曲 | 編曲 | 備考 |
1 | ノンフィクション | 平井堅 | 平井堅 | 亀田誠治 | 42ndシングル 最高10位 売上1.8万枚 |
2 | 怪物さん feat.あいみょん | 平井堅 | 平井堅 | トオミヨウ | 2nd配信シングル |
3 | #302 | 平井堅 | 平井堅 | トオミヨウ,石成正人 | 46thシングル 最高11位 売上0.9万枚 |
4 | 1995 | 平井堅 | ケンモチヒデフミ | ケンモチヒデフミ | |
5 | 僕の心をつくってよ | 平井堅 | 平井堅 | 亀田誠治 | 41stシングル 最高7位 売上1.7万枚 |
6 | オーソドックス | 平井堅 | 平井堅 | トオミヨウ | |
7 | ポリエステルの女 | 平井堅 | 増田賢治 | 増田賢治 | |
8 | トドカナイカラ | 平井堅 | 平井堅 | トオミヨウ,石成正人 | 43rdシングル(44th同発) 最高18位 売上0.7万枚 |
9 | いてもたっても | 平井堅 | 平井堅 | UTA | 3rd配信シングル |
10 | 知らないんでしょ? | 平井堅 | 平井堅 | 亀田誠治 | 44thシングル(43rd同発) 最高16位 売上0.7万枚 |
11 | 鬼になりました | 平井堅 | 平井堅 | Seiho | |
12 | half of me | 平井堅 | 平井堅 | 亀田誠治 | 45thシングル 最高15位 売上1.3万枚 |
13 | おやすみなさい | 平井堅 | 平井堅 | 増田賢治 |
リリースデータ
2021年5月12日 | 初登場2位 | 売上2.6万枚 | Produced by 平井堅 | Ariola Japan |
平井堅10thアルバム。『歌バカ2』から3年10ヶ月ぶり、オリジナルアルバムとしては4年10ヵ月ぶり。『歌バカ』→『FAKIN' POP』の時と同様にベスト盤に先に収録されたシングル曲はそのまま再度収録され、『歌バカ2』に先に収録されていた「僕の心をつくってよ」「ノンフィクション」含む前作『THE STILL LIFE』以降のシングル表題8曲(CD6作、配信2作)を全て収録。1995年5月13日のデビューから2020年が25周年でその25周年期間(2020年5月13日〜2021年5月12日)の最後の日という位置づけで発売されたが売上は前作を大幅に下回る不振となった。これはシングルが大量収録されているとはいえ直近のシングル「怪物さん feat.あいみょん」は20年3月発売で1年以上前、加えて2020年は一切のTV出演を行っていなかった事が大きく影響したものと思われる(またあいみょんとのコラボという話題も新コロ緊急事態宣言直下でかき消され、その前のシングルは2019年12月)。
初回盤は2020年12月23日に行われた初の配信ライブ映像
「Ken Hirai 25th Anniversary Special !! Ken's Bar - ONLINE -」15曲を収録したBlu-ray付、DVD付の2種でデジパック仕様。
FC限定盤は3月21日までの予約完全受注生産で2019年12月24日に行われた上海でのクリスマスKen's
Bar LIVE映像「KEN HIRAI Ken's Bar Special!! In SHANGHAI」15曲を収録したBlu-ray付、DVD付の2種で三方背ケース仕様、オリジナルカード付。
通常盤はCDのみ。CDの内容は全種共通。今作では一般発売で映像付2種発売をする複数商法は無くなり、1種がファンクラブ限定盤へと移行した。
1曲目が「ノンフィクション」でまたしてもなシングル過多の内容は悪手だなとはまず思った。1年前に出す話もあったというし、新コロ騒動の影響で先送りになったせいだとは思うけど直近1年以上何も出していない状態で既にベスト盤収録済みの「ノンフィクション」で始まるアルバムというのは…。『FAKIN' POP』でも同じことやって一気に人気落としたのを忘れてしまったのか、それでもアルバム1曲目はヒットシングルで引っ張るという一点特化な考え方なのか(6作連続でシングルを1曲目に置いているし)。せめて5曲の新曲のうち1曲をシングル級のリード曲にしてTV出演でもすれば違っていただろうけど、2020年一切TVに出なかった事でこれまでのこだわりに変化が生じた事は本人も語っている。
またもう1つ明かされているこだわりとしてシンプルな編成の楽曲揃いである事に言及された際に"ここ10年くらいはサビで流麗なストリングスがドーン! 瞳をとじてー! みたいな展開は完全に避けてますね"と明言。本人がアレンジャーは嫌がるんじゃないかというくらい1度完成した後でも気になったらアレンジを変えてもらうほど執拗にこだわると言っているので、"サビで流麗なストリングスがドーン! 瞳をとじてー! みたいな展開"を平井堅に留まらずにJ-POPのあちこちでやりまくってそんな時代を作った亀田誠治相手でも全くそんなアレンジをさせずにストリングスを入れた場合はそれ以外の楽器を極力削ったアレンジをさせているだけに、今作ではいつもと違うシンプルな亀田誠治のアレンジを聞くことができる。トオミヨウはまさに薄味アレンジに長けた人材であり、平井堅にも登場してきて今後もあちこちで見かける事になりそうだが、それだけ"サビで流麗なストリングスがドーン! 瞳をとじてー! みたいな展開"にミュージシャン側も飽きてきたというかこれで売れる時代は終わったという認識が急速に広まっている証拠なのかも。
そんなわけで今作はフルバンド編成はほとんどなく、数本の楽器に特化したようなシンプルアレンジ、もしくは打ち込み系で非常に音数が少なくてひたすら歌に特化。アレンジで派手に盛り上げないので楽曲自体もコンパクトにまとまっていて50分に満たない。非常に聞きやすいが歌詞が濃い曲もあるので突き抜けてしまう事も無くバランスはいい良作揃いのアルバムだと思う。バラードにおけるマンネリ感も否めないところはあり、引き合いに出されている「瞳をとじて」のような曲はもう一切やっていないが、シンプル編成では「even if」みたいな名曲が全盛期にあるので「even if」級がポンポン出てくるかというと難しいところではある。それでも平井堅ここにありの存在感は十分出ていて、これでもう少しシングル過多にならずにアルバムを出せれば…。その点もシングルヒット狙いの考え方を改めるような発言もしているし、恐らくここまでくるともう今作までのようなシングルCDの連発は平井堅でももうできず、配信シングルを切る形に切り替わっていくと思うのでその流れの中で次回作をどれだけ既出曲だらけにならずに出せるかでまた変わってくるかも。
印象度★★★★☆
2021.6.27更新