THE CHANGING SAME
No | タイトル | 作詞 | 作曲 | 編曲 | 備考 |
1 | Introduction -HERE COMES KH- | SE | |||
2 | Love Love Love | 平井堅 | 平井堅 | 中西康晴 | 7thシングル 100位圏外 |
3 | why | 平井堅 | 松原憲 | Maestro-T | 9thシングル 最高8位 売上21.1万枚 |
4 | affair | 松井五郎 | 243 | URU | 8thシングルC/W |
5 | the flower is you | 平井堅 | 割田康彦 | 松原憲 | |
6 | Interlude-BRIGHTEN UP- | 平井堅 | 中野雅仁 | 中野雅仁 | Interlude(歌詞表記は無いが作詞表記はある) |
7 | K.O.L. | 平井堅 | 村山晋一郎 | 村山晋一郎 | |
8 | LADYNAPPER | 平井堅 | 平井堅 | 中野雅仁 | |
9 | Unfit In Love | 平井堅,井辺清 | 平井堅 | 柿崎洋一郎, 久保田利伸 |
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10 | wonderful world | 藤林聖子 | 中野雅仁 | 中野雅仁 | 9thシングルC/W |
11 | Interlude-TURN OFF THE LIGHTS- | 中野雅仁 | 中野雅仁 | Interlude | |
12 | 楽園 | 阿閉真琴 | 中野雅仁 | 中野雅仁 | 8thシングル 最高7位 売上53.8万枚 |
13 | アオイトリ | 平井堅 | 西賢二 | 中野雅仁 | |
14 | The Changing Same-変わりゆく変わらないもの- | 平井堅 | 中野雅仁 | 中野雅仁 |
Co-Arranged by 鈴木大(2)
Strings Arrangement:京田誠一(4)
Chorus Arrangement:久保田利伸(9)
リリースデータ
2000年6月21日 2000年10月1日(再発) 2001年7月4日(SACD) |
初登場1位 初登場100位圏外、最高14位 - |
売上91.3万枚 売上35.2万枚 - |
Album Produced & Organized by 松尾KC潔 for Never Too Much Productions | Sony Records DefSTAR Records |
平井堅3rdアルバム。前作から3年半ぶり。前作以降のシングルのうち最も古い97年のシングル「HEAT UP」は未収録。98年、00年の3シングルとC/Wから2曲を収録。前作が100位圏外に終わり、97年、98年はシングル1枚ずつ、99年はCDリリース無しとなっていた。売れなければこれが最後としてリリースした「楽園」では提供曲によるR&B路線へ転向。初登場66位となり1st以来のランクインを果たした。2週目こそ100位圏外になったものの3週目に89位に浮上して以降はじわじわとチャートを上昇していき、4月にトップ10入り、5月には2週連続で最高位となった7位を記録し最終的に50万枚を越えるヒットを記録した。続く「why」もトップ10入りして20万枚を越えるヒットを記録している中で今作が発売され、初の1位を獲得し、最終的にミリオンヒットを記録した。合算売上では自身3番目、オリジナルでは2番目のヒット作。
00年10月1日にDefSTAR Recordsへ移動し、この際にこれまでの全作品をDefSTAR Recordsで再発。このDefSTAR盤の発売直後はまだソニー盤が出回っていたためランクインしなかったが、10月下旬頃になってDefSTAR盤が初ランクイン。2週ほどソニー盤とDefSTAR盤が同時ランクインした後にソニー盤が圏外になり、DefSTAR盤が上昇していって入れ替わった。当時のO社はこの2種を別集計していたため、O社の記録上は00年10月を境にして売上が分断。00年のO社年間チャートで今作は18位となったが91.3万枚で打ち止めになったソニー盤の売上枚数によるもので実際はもう少し伸びていた。次回作『gaining through losing』と同時発売でSACDでも発売されている。SACD盤は何故かDefSTAR盤と合算集計扱いされているが、SACD発売時点での極端なチャート推移の変動は無かった。
MISIAや宇多田ヒカルの大ヒットでR&Bというジャンルがトレンドとなり、ヒットチャートではそれまでの煌びやかなポップスからチッチキタカタカとクールなリズムを刻む一般的にR&Bと呼ばれたサウンドが主流になった。しかし売れていたのは女性シンガーだけで男性R&Bシンガーの席が空白になっているのに目をつけた平井堅陣営はここだ!とそれまでのポップス路線からR&B路線への転向を決意したようだ。楽曲だけ路線変更したわけではなく、この時の平井堅はドレッドヘアーで元から堀の深い日本人離れした顔立ちがさらにブーストされており、どう見ても純日本人には見えない海外の人かハーフのような風貌をしていた。このため生粋のR&Bシンガーだと勘違いしたリスナーが大半だったと思う。
そんなわけで前作までとは路線が180度違う"R&B男性シンガー平井堅"のアルバム。転向前の「Love Love Love」と「Unfit In Love」では生音のバンドサウンドを聞くことができるが、それ以外はクールな打ち込みリズムによる当時トレンド最前線だったR&B系統の楽曲が並ぶ。シングルはさすがにある程度はコクのあるメロディアスさではあるがそれでもJ-POPというより当時は洋楽テイストがかなり強い本格的なものに感じられた(今聞くとこれもJ-POPとして捉えられるけど)。とにかく本場っぽいR&Bが全面展開する本格的な(気がする)アルバム。クールなリズムに身を委ねれば悪くは無いが、前2作のようなポップなものや、メロディアスなバラードなどは無い。歌だけでなくリズム含めてトータルの音として聞かないとこの路線の良さはなかなか見えてこない。
「楽園」「why」のヒットで平井堅を知り、その線でのアルバムを期待すれば全面的にそれなのでまずもって外さない1作。個人的にも「楽園」で平井堅を知ったので、しばらく平井堅のイメージは本格的なR&Bシンガーだった。売れずに契約を切られる瀬戸際だったとはいえ、これまでやっていた普通のポップス路線をほぼ綺麗さっぱり捨て去って見事なまでの転身は潔すぎる。前2作でファンになっていたら100%ついていけなかったと思うし、前2作から続けて聞くとほとんど別物になってて驚く。
当時J-POPを支配する勢いだったR&Bが苦手だったので、しばらくは苦手意識が強くて当時は聞かなかったアルバムだったが、これはこれで悪くないし、やはり路線変更は正解だったとも思う。作風としてはポップスの前2作の方が好きではあるけど、どっちが耳に残るかといえばやはり「楽園」や「why」や以降のヒット曲になってくるし、何よりこの急な方向転換にもあっさり適応した平井堅はシンガーとして非常に優れていた事を改めて実感する。シンガーソングライターとしての自身にはさほどこだわりを見せなかった事からも、この時点であくまで自分はシンガー、歌バカである事が最大の武器だと本人も分かっていたんだと思う。
印象度★★★★☆
2017.7.13更新