SENTIMENTALovers
No | タイトル | 作詞 | 作曲 | 編曲 | 備考 |
1 | 思いがかさなるその前に… | 平井堅 | 平井堅 | 亀田誠治 | 22ndシングル 最高1位 売上27.2万枚 |
2 | jealousy | 平井堅 | YOSHIKA | OCTOPUSSY | 21stシングルC/W |
3 | 言わない関係 | 平井堅 | 平井堅 | 中西康晴 | |
4 | 君が僕に憑依した!! | 平井堅 | AKIRA | ||
5 | 瞳をとじて | 平井堅 | 平井堅 | 亀田誠治 | 20thシングル 最高2位 売上89.3万枚 |
6 | 青春デイズ | 平井堅 | 田中直 | 田中直 | |
7 | style | 平井堅 | 南ヤスヒロ | OCTOPUSSY | 19thシングル 最高12位 売上4.4万枚 |
8 | signal | 平井堅 | 平井堅 | FILUR | 19thシングルC/W |
9 | 鍵穴 | 平井堅 | URU | URU | |
10 | nostalgia | 平井堅 | 大沢伸一 | ||
11 | キミはともだち | 平井堅 | 平井堅 | 松浦晃久 | 21stシングル 最高5位 売上16.1万枚 |
12 | センチメンタル | 平井堅 | 平井堅 | 塩谷哲 |
Strings Arrange:村山達哉&大沢伸一(10)
リリースデータ
2004年11月24日 | 初登場1位 | 売上166.1万枚 | Total Produce:平井堅 | DefSTAR RECORDS |
平井堅6thアルバム。カバーアルバム『Ken's Bar』から11ヵ月ぶり、オリジナルアルバムとしては1年10ヵ月ぶり。前作からリメイクしてシングルカットした「LIFE is...〜another story〜」は未収録。以降の4シングルとC/Wから2曲を収録。『Ken's Bar』に発売未定の新曲としてピアノインストで収録されていた「〜Intermission〜」は「センチメンタル」として今作で完成され収録された。
シングルでは「キミはともだち」までソニー独自のコピーコントロールCDであるレーベルゲートCD2(04年にバージョンアップした)の採用が続いたが、04年9月に撤退となり、「思いがかさなるその前に…」以降は通常のCDで発売された。レーベルゲートCDだった「LIFE is...〜another story〜」〜「キミはともだち」までのシングルもすべて通常のCDとして再発された。アルバムでのレーベル―ゲートCD2の採用はシングルより1年遅れて04年になってから始まっていたが、この期間にアルバムを出していないのでアルバムでのレーベルゲートCD採用は免れている。
「style」は「Strawberry Sex」に続いてトップ10落ちするなど不振だったが、映画『世界の中心で、愛をさけぶ』が大ヒットを記録し、主題歌だった「瞳をとじて」も大ヒットを記録。自身最大のヒット作となった。この曲は04年のO社年間チャート1位を獲得。「瞳をとじて」が大ヒット中に立て続けにリリースされたため、ドラマタイアップがあったものの1人多重録音に挑んだ意欲作「キミはともだち」はやや埋もれてしまったが、先行シングルとなった「思いがかさなるその前に…」は1位を獲得して好調な売上を記録する中で今作が発売された。結果的に前作の2倍以上のヒットを記録し、3rd4thに続く3度目のミリオンヒットを記録。3rd4thを上回り、最大のヒットを記録した。現在もオリジナルアルバムでは最大のヒット作で、翌年のベスト盤『歌バカ』に続く2番目の売上となっている。
シングル年間1位、オリジナルアルバム最大ヒット…と文字通りの人気絶頂期の1作。前作収録の「Ring」や「LIFE is...〜another story〜」が暖かみのあるバラードでR&Bイメージから離れつつあったのでここで初めて聞き始め、映画『世界の中心で、愛をさけぶ』の大ヒットにはドンピシャでハマっていたので「瞳をとじて」にもハマった。さらにヒット曲としては埋もれてしまった「キミはともだち」もタイアップ先のドラマを見ていたのでしっかり聞き込み、「思いがかさなるその前に…」も名曲じゃないか!と思っているところ今作がリリースされた。このため、今作が初めて手に取った平井堅のアルバムとなった。結果的には今作で手に取ったのは良かったかもしれない。「Ring」が気に入って即座に前作を聞いていたら今作を敬遠していたかも…。
今作ではまたも制作陣が変わったが、これによりR&Bイメージを脱却。初期の1st2ndのような生音志向のポップスを中心として、原点回帰したような1作となった。原点回帰といっても若さとまっすぐさに溢れていたあの頃と違い、この時点で32歳と年齢を重ねてきた視点でのセンチメンタルな空気は懐かしさや哀愁も漂い、深みがある。ブレイク以降の平井堅はR&Bシンガーというイメージであり、作風が前3作のアルバムとはまるで異なるためか、ブックレットの冒頭にはライターによる今作のライナーノーツが掲載され、長文で今作に至る背景などを解説している。それを踏まえて聞くとより見えてくるものがあるかも。
またこれまで大ヒット曲のほとんどが提供曲であり、R&Bは特段に平井堅のルーツだったわけでもない。R&Bはどちらかというと提供主体の方向性だっただけに、本来のポップス、歌謡曲の方向性で自作のシングルが立て続けにヒットした事も大きかったのかもしれない。10周年も翌年に控えていたが、初期2作、「楽園」以降も踏まえた上での平井堅の今を反映した10年間の集大成のような傑作アルバム。ラストを飾る「センチメンタル」の文字通りのセンチメンタルさもたまらない。
印象度★★★★★
当時の感想を2017.8.4全文修正