HY SUPER BEST
No | タイトル | 作詞 | 作曲 | 備考 |
1 | ホワイトビーチ | 新里英之,Tun&Izu | 新里英之&Izu | 1stアルバム『Departure』収録曲 |
2 | Ocean | 新里英之 | 新里英之 | 1stアルバム『Departure』収録曲 |
3 | AM11:00 | TUN | TUN | 2ndアルバム『Street Story』収録曲 |
4 | 隆福丸 | 新里英之 | 新里英之 | 2ndアルバム『Street Story』収録曲 |
5 | トゥータン | 新里英之 | 新里英之&Izu | 2ndアルバム『Street Story』収録曲 |
6 | あなた | Izu | Izu&Yuhei | 2ndアルバム『Street Story』収録曲 |
7 | Street Story | TUN | 新里英之&TUN | 2ndアルバム『Street Story』収録曲 |
8 | てがみ | TUN | TUN | 3rdアルバム『TRUNK』収録曲 |
9 | そこにあるべきではないもの | TUN | TUN | 3rdアルバム『TRUNK』収録曲 |
10 | Song for… | 仲宗根泉 | 仲宗根泉 | 3rdアルバム『TRUNK』収録曲 |
11 | モノクロ | TUN | TUN,仲宗根泉 | 4thアルバム『Confidence』収録曲 |
12 | NAO | 仲宗根泉 | 仲宗根泉 | 4thアルバム『Confidence』収録曲 |
13 | HYSUMMER | 新里英之,TUN,仲宗根泉 | 新里英之,TUN,仲宗根泉 | 4thアルバム『Confidence』収録曲 |
14 | この物語 | 新里英之 | 新里英之 | 4thアルバム『Confidence』収録曲 |
No | タイトル | 作詞 | 作曲 | 備考 |
1 | 未来 | 名嘉俊 | 名嘉俊 | 5thアルバム『HeatY』収録曲 |
2 | 366日 | 仲宗根泉 | 仲宗根泉 | 5thアルバム『HeatY』収録曲 |
3 | 告白 | TUN | TUN | 6thアルバム『Whistle』収録曲 |
4 | Answer | 仲宗根泉 | 仲宗根泉 | 6thアルバム『Whistle』収録曲 |
5 | 時をこえ | 仲宗根泉 | 仲宗根泉 | 6thアルバム『Whistle』収録曲 |
6 | ガジュマルビート | 名嘉俊 | 名嘉俊 | 7thアルバム『Parade』収録曲 |
7 | 私のHERO | 仲宗根泉 | 仲宗根泉 | 7thアルバム『Parade』収録曲 |
8 | いちばん近くに | 新里英之,仲宗根泉 | 新里英之,仲宗根泉 | 8thアルバム『Route 29』収録曲 |
9 | バイバイDay | 新里英之 | 新里英之 | 8thアルバム『Route 29』収録曲 |
10 | 二人で行こう | 仲宗根泉 | 仲宗根泉 | 8thアルバム『Route 29』収録曲 |
11 | 旅立ち | Tun | Tun | 1stアルバム『Departure』収録曲 |
リリースデータ
2014年2月26日 | 初登場7位 | 売上4.9万枚 | avex trax |
メンバー
Vocal,Guitar | 新里英之 |
Drums,Rap | 名嘉俊(TUN) |
Bass | 許田信介 |
Keyboard,Vocal | 仲宗根泉 |
Guitar | 宮里悠平 |
HY1st非公認ベストアルバム。初のベストアルバムだが事務所/レーベル移籍に伴う非公認作品のため公式サイトには掲載されていない。これまでHYはデビューから一貫してテレビ朝日ミュージックに所属し、東屋慶名建設という自主レーベルからインディーズ扱いでリリースしていたが今作は何故かエイベックスからのリリースとなっている(バックはエイベックスだったということだろう)。これまでの全アルバムからリリース・収録順に時系列で2〜5曲ずつ収録されているがラストだけは1stアルバムの最終曲となっている。DVD付には存在するPV20曲を収録。メンバーからは非公認である旨のコメントがひっそりと公式サイトより出されたが、非公認だから買うなといった呼びかけはしておらず、「聴きたい方は、是非、聴いて下さい」とするスタンスを表明していた。新体制によるオリジナルアルバム『GLOCAL』と同時発売となったが、公式では『GLOCAL』のキャンペーンのみで、今作は正式な発売告知や収録内容告知すら一切行わなかったにも関わらず今作の方がヒットした。
HYはシングルを出しておらず(1度だけ『Whistle』の先行で『レール』というレンタル限定シングルを出した事はあるが発売は無し)、一貫して自主レーベルからのアルバム発売を主軸としていた。当然こういった移籍絡みでの勝手に出されるベスト盤とは無縁で伸び伸びやっていると思っていたが…事務所とレーベルを移籍するという発表だけでも驚いたのにこういった非公認ベストが出るとは驚いた。しかもインディーズであるというスタンスをずっと取っていたのに最後の最後に思いっきりエイベックスが発売しちゃうってことは実はバックはエイベックスで楽曲の権利を持っていたのはエイベックスだったということ?つまりインディーズレーベルっていうのはロードオブメジャー(初期)、サスケなどバックが最初からエイベックスだった人たちと同様にあえてインディーズというブランドを強調する事でメジャーレーベルのイメージに捉われないようにするためのイメージ戦略的なポーズだったということなのか?といった謎が…。
選曲は各アルバムから均等とは言えないまでもよく知られた曲、アルバム1曲目とかリード曲になっていたような一般人気が高そうな曲を選んでいる。HYをこれから聞いてみたいリスナーがとりあえず求めている選曲に最大公約数で応えたような感じ。ただPVを制作して当時はリード曲として扱っていた形跡があるものの、そこまで代表曲にはなっていないと判断されたのか収録されていない曲もいくつかある。レンタル限定シングルという形ながらHY唯一のシングルCDのタイトル曲となった「レール」もそれに該当するが、これらを聞きたい場合はDVD付の方を入手すれば網羅できるので問題ないだろう。そんなわけなので非公認ながらHYを初めて聞くリスナー、久々に聞いてみたい人には手っ取り早くてそこそこ満足できそうな1作になっている。むしろこれ1作で完全完結されそうな気がするほどライトリスナーが欲しいところは押さえきってしまっていると言ってもいいかも。
HYはけっこうハードなサウンドをラップと共に展開するミクスチャーロック路線で始まったにも関わらず、ラップやハードな曲調は初期だけにとどまり、どんどん落ち着いたバンドサウンドやミディアム〜バラードを主軸に切り替えていった。そんな中で『HeatY』に収録されたドラマタイアップもついた泉のバラード「366日」が一般的にもかなりの人気を獲得して以降はそれまであくまでHYの持ち味の1つだった泉バラードがほぼ一般イメージの中心になった。売れた頃からMステなどには出ていたものの、この頃に紅白にも出演したりしたので、ボーカルっぽい感じのお兄さん(新里英之)が中央にいるのになんかあまり歌ってなくて、横でピアノ弾いてるお姉さん(仲宗根泉)がほとんど歌っているみたいな光景が"動いてるHY"の印象で固まったリスナーも多いんじゃないだろうか。
今作ではそんなバンドの変化の過程がベスト盤だけにより分かりやすく反映されていて、聞き進めていくほどにおとなしい曲ばかりになっていく。それでもDISC-1は変化していく過程が分かるし、個人的にはこの頃はリアルタイムよりも後追いで聞いた時期なんだけどこの時期の方がバンドとしても面白かったと思う。最大のヒット作でありミリオンセラーまで記録し、今作の中では最多の5曲が選ばれた2ndアルバム『Street Story』は最もバランスが良い傑作だったなと改めて思う。その後はどんどん落ち着いていったが、まだ抑えた良さが感じられたりと、初期には無かった落ち着きをいい意味で取り入れていったというバンドが進化した印象の方が強い。ところがDISC-2になると一般ウケがいいのがバラード、時代もストリングスバラードは売れ線!という空気になったためか、本格的にバラードばかりになってしまい、似たような曲が増えてどうにもパワーダウンしたように感じてしまった。それでも『Parade』なんかはけっこうアレンジを工夫してもうちょっと楽しい曲調を増やそうとしたアルバムだった印象があり、その一端は今作においては唯一「ガジュマルビート」にだけ現れている。DISC-2においては他と違う意欲を感じるという意味で面白いのはこの曲くらいだと思う。もうちょっとアッパーな曲や楽しい曲も交えていけばバラードも映えたと思う。THE 勝負バラードみたいなのが2曲も3曲もどんどん出てこられると良さも相殺されてしまう。特にDISC-2はこれがHYの全てではない!と言いたいところだが、でも"ベスト盤"として選曲していくと、人気があるのも耳に残るのも結局はバラード、それ以外は"アルバムとしての幅"みたいな…。初期はむしろ泉バラードの方が"アルバムでの幅"だったのに全く逆の状態になっている印象も確かにある。なのでDISC-2はどうしてもこういう選曲もこうなってしまうだろうなとも思えてしまうわけで…正直ポップで普通にいい曲以上の印象を抱けなくなりつつもあり、ちょっと今後は勝負どころなのかなと思う。
印象度★★★★☆