ハジマリノウタ
No | タイトル | 作詞 | 作曲 | 編曲 | 備考 |
1 | ハジマリノウタ〜遠い空澄んで〜 | 山下穂尊 | 山下穂尊 | 島田昌典 | |
2 | 夢見台 | 山下穂尊 | 山下穂尊 | 湯浅篤 | |
3 | じょいふる | 水野良樹 | 水野良樹 | 田中ユウスケ、 近藤隆史 |
15thシングル両A面曲 |
4 | YELL | 水野良樹 | 水野良樹 | 松任谷正隆 | 15thシングル 最高2位 売上14.1万枚 |
5 | なくもんか | 水野良樹 | 水野良樹 | 本間昭光 | 16thシングル 最高6位 売上3.9万枚 |
6 | 真昼の月 | 山下穂尊 | 山下穂尊 | 本間昭光 | |
7 | ホタルノヒカリ | 水野良樹 | 水野良樹 | 江口亮 | 14thシングル 最高5位 売上4.8万枚 |
8 | 秋桜 | 山下穂尊 | 山下穂尊 | 本間昭光 | インディーズ1stアルバム『誠に僭越ながらファーストアルバムを拵えました...』収録曲 リメイク |
9 | ふたり-Album version- | 水野良樹 | 水野良樹 | 島田昌典 | 13thシングル 最高7位 売上5.9万枚 |
10 | てのひらの音 | 山下穂尊 | 山下穂尊 | 中村タイチ | |
11 | How to make it | 山下穂尊 | 山下穂尊 | ヒダカトオル | |
12 | 未来惑星 | 吉岡聖恵 | 吉岡聖恵 | 西川進 | |
13 | 明日へ向かう帰り道 | 山下穂尊 | 山下穂尊 | 住友紀人 |
弦編曲:クラッシャー木村(7)、eji(12)
No | タイトル | 備考 |
1 | 気まぐれロマンティック | 12thシングル |
2 | うるわしきひと | 5thシングル |
3 | ブルーバード | 10thシングル |
4 | 心の花を咲かせよう | 3rdアルバム『My song Your song』収録曲 |
5 | 帰りたくなったよ | 9thシングル |
リリースデータ
2009年12月23日 | 初登場1位 | 売上56.2万枚 | Epic Records |
メンバー
Vocal | 吉岡聖恵 |
Electric Guitar,Acoustic Guitar&Vocal | 水野良樹 |
Acoustic Guitar,Harmonica&Vocal | 山下穂尊 |
いきものがかり4thアルバム。前作からちょうど1年での発売。前作以降の4シングル5曲、インディーズ時代の「秋桜」をリメイクで収録。3作連続で行われていたボーナストラックでのシングルいずれかのアコースティックバージョン収録とC/W曲の収録は無く、アコースティックバージョン収録に関しては今作以降廃止された。。初回盤は前作を引っ提げてのツアーから5曲を収録したライブDVD付、三方背BOX仕様、24Pスペシャルブックレット「“1999-2009”」、いきものカード017封入。シングルでは『なくもんか』で初めてDVD付を導入するも定着しなかった。アルバムでのDVD付は今作が初となった。「YELL/じょいふる」がシングルでは初の10万枚突破となり、今作も前作を上回り最高売上を記録した。次のベスト盤に続いて現在も2番ヒット、オリジナルアルバムでは最大のヒット作となる。
1曲目からラストのようなバラードで幕を開ける今作は全体的にバラードが多い印象。本間昭光が初参加となり一気に参加曲が急増、ストバラが徐々に増加してストリングスまみれになりつつあるが、合間に「じょいふる」のような針を振り切ったアップテンポや、3人でボーカルを取っている「てのひらの音」などまだまだ多彩な楽曲も揃っている。初期のようなソニーお得意のアニメタイアップ以外に主題歌依頼が増えてきてシングルがパターン化しつつあり、水野はすっかりタイアップソングライターになってしまっているが、今作ではC/Wアルバム専任状態となっている山下が6曲(リメイク含めて7曲)、吉岡が1曲を書き下ろしていて水野によるアルバム新曲はゼロ。極端に偏った編成となったが、アルバム締めのバラードが山下だった事はあるが、1曲目のリード曲まで山下でアルバム全体を山下が引っ張るという山下フューチャーのアルバムは実質今作が唯一。明らかな2番手扱いをされながらも山下がソングライターとして水野に引けを取らない事は十分に示せていると思う。今作ではタイアップに追われていた水野に対してたまたま山下の曲が多くアルバム用にストックされていたにしても、C/W収録無しで山下がこの曲数だけにソングライターとしての山下のキャリアハイだったのかも。
山下曲の採用に関しては謎が多いが、タイアップに採用されないわけではなく、そもそもNコンでも朝ドラでもオリンピックでもタイアップ話があった際に山下も曲を書いて水野曲とコンペしている様子が全く無く、こういった大型タイアップ依頼の時は水野が1人で曲を書いて曲出し会議に提出している事が水野の著書『いきものがたり』からも伺える(水野がタイアップ話があった際に自身の曲採用前提で書いていて「自分の曲が選ばれた」という表現を一切使ってない事、提出会議のくだりで水野しか曲を提出していないように書かれている等)。山下は終始自由に曲を書いていてタイアップに合わせて曲を書く事には興味が無いか、そういうのは全部水野に任せるスタンスなのだろうか。
全体にだいぶストリングスバラードイメージが強くはなってきたけど、今作は初期の多彩なポップ路線の色を残した実質最後の1作だと思う。アレンジャー陣を適宜入れ替えていたのも本間昭光をツアーメンバーにまで迎え入れた時点でだいぶ固まってくるようになったし、ここがターニングポイントだった。個人的にも前作か今作が最高傑作だと思う。今作は飽和点のギリギリ限界点という意味合いでコブクロの『5296』と個人的に似た立ち位置にある印象(多少重たいがピークの勢いでねじ伏せている、次回作以降一気に飽和するという点でも印象が一致)。
初回盤は前作と同様の形態(スリーブ、フォトブック、カード)に加えてDVDがついた形。ただし今作のフォトブックは結成から10年を記念して結成時からインディーズ時代を中心に現在までの秘蔵写真で構成されたヒストリーブックのようになっている。
DVDの方はツアーの最終日から5曲の抜粋。「帰りたくなったよ」はDVD『とってもええぞう』でも特別扱いされてPVの別バージョンが収録されたり、唯一ライブ映像まで収録されていたがここでもまたチョイスされており、かなりのお気に入りのようだ(吉岡のラジオ、オールナイトニッポンのエンディングにもなっていた)。抜粋ではあるが曲間のMCも収録されており、ライブの雰囲気を垣間見ることが出来る。驚いたのは吉岡の歌の安定ぶり。アップテンポな曲ではけっこう飛び回ったり、直前まで観客を煽って叫んでいたりしてもブレが無い。バラードでもきっちりとCDと変わらないか、それ以上のボーカルを聞かせる。
印象度★★★★☆
2021.6.11修正