発売30周年記念 『いつか僕の腕の中で』~Complete Udenonakade~

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「瞳そらさないで」が30周年であるという事はC/W「いつか僕の腕の中で」も30周年である。過去4作のC/Wはいずれもマニアック枠となっているが、今作は初の山根作曲楽曲の採用、これまでの黒森ナンバーとは一線を画す王道的なバラードナンバーであった事からC/Wで初めてセルフカバーされ(「日曜日」と同じタイミング)、時々ライブでも演奏されている。

「日曜日」ほどの高待遇ではなく、メンバーがどう認識しているかは長らく不明だったが、30周年公式ガイドブック『ALL SONGS STORIES 1993-2024』ではA面以外でファンが好きな曲の上位に入る曲C/Wの中では「いつか僕の腕の中で」と「日曜日」はずっとファンに愛されている曲だと述べている。「日曜日」と並ぶ人気曲と認識されていたようだが、ライブでの披露回数はそこまで多くは無く、夏の曲ながらもリゾートライブでもそんなに出てこなかったりはする。

とはいえ過去4曲に比べればそこそこの量にはなる、という事で今回C/Wで行うのは史上初となるスタジオ音源全バージョンはもちろん、ライブCD、ライブ映像作品に収録された全ての「いつか僕の腕の中で」を完全網羅したComplete Udenonakadeをお送りする。

何せファンに人気とはいえそれでもC/Wである。ミリオン売った2番ヒットシングルのC/Wとはいえ一般知名度は皆無に等しい強がらないで知らない時は知らないと言えばいい。つい先日(2024年3月)までサブスクにあったのは2008年のアコースティックライブ音源のみだった。サブスクに無い曲は存在しないなる格言に従えばちょっと聞いてみてよと勧めるのも現代では難しい存在であった。しかし今はオリジナルバージョンがサブスク解禁された。好きだと言えない季節は過ぎた 今伝えよう

2024.6.22 新規執筆公開

Studio Recording Udenonakade

1st Udenonakade
いつか僕の腕の中で

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1994年6月22日 5thシングル『瞳そらさないで』C/W
作詞:池森秀一、作曲:山根公路、編曲:池田大介
C/Wは池森ソロプロジェクト用の転用が4曲続いていたが、ここで初めて山根曲が採用され、C/Wの流れが変わった記念すべき1曲。池森・山根・倉澤・田川の4人が裏ジャケットには映っていたが、基本的にこの時期ドラマーがいてもアレンジャーの打ち込み処理で済ませていたと思われ、『ALL SONGS STORIES 1993-2024』でも宇津本加入後もレコーディングでドラムを生でレコーディングする事があまり無かった事をほのめかしているため、ドラムとして音源に倉澤氏が参加しているという事は無さそうではある。

5thSg 瞳そらさないで
5thSg 瞳そらさないで 1994年6月22日 デビュー年のハイペースが嘘のように7ヶ月ぶりのシングルにして1994年唯一のシングル。また年明け1月8日付で田川伸治が加入した事になっている。これはかなり前から公式のバイオグラフィーにハッキ

1stC/Wベスト『Another Side Memories~Precious Best~

2nd Udenonakade
いつか僕の腕の中で~Ballads in Blue style~

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2001年6月6日 『Ballads in Blue The greatest hits of DEEN
指定30曲の中からの投票で堂々8位を記録して収録が決定。C/Wから当選した今作と「日曜日」はBallads in Blue styleとしてリアレンジ。2曲とも全面的にアレンジが変わったわけではなく編曲者もオリジナルのまま。リズムトラックが当時のR&BブームやGIZAの主流であったチッチキタカタカした軽いリズムに差し替えられ、ボーカルも再録音されている。変貌ぶりは「日曜日」よりも今作の方が歴然で、キーを変えずにサビの高音部で声を張らず裏声を使用する形に変更しているのが最大の特徴。

BERG期の音源がサブスク解禁に取り残されたためこのバージョンは配信されていない。

2ndBest Ballads in Blue The greatest hits of DEEN
2ndBest Ballads in Blue The greatest hits of DEEN 2001年6月6日 バラードベストアルバム。2001年唯一のDEENとしての単独リリースCD。これ以外はソロやコンピ盤参加に留まり、ライブも

LIVE CD Udenonakade

1st Live CD Udenonakade
ALL TIME LIVE BEST

2008年12月31日Break13ZEPP TOKYO公演の音源。DVDではカットされていて音源のみで初公開となった。その後も映像化はされていない。

アコースティックコーナーでの演奏。アコースティックアレンジ+キー下げ。音源としては1999年横浜アリーナのDVD以来、ライブで演奏したのも2004年のBreak9のアコースティックコーナー以来だったと思われる。4年ぶりまたしてもアコースティックコーナーでの登場となったが、今回は日替わり枠。シンプルにアコースティックギターとコーラスワークを生かした演奏で、キー下げしているもののBallads in Blue style同様にサビの高音は裏声。さすがに下げたキーならサビでも比較的余裕で声を張れたと思われ、低いところから急に裏声になるのでこれは普通に張った方が良かったようには思う。

この次は2010年のBreak15での演奏となり、貴重なバンド演奏だったようだが映像化の際にカットされていて残されていない。

2nd Live CD Udenonakade
DEEN at 武道館2011 LIVE JOY SPECIAL』初回特典CD『DEEN Unplugged Summer Resort Live’11』

2011年9月Unplugged Summer Resort Live’11の音源。これは映像にはなっておらずこのCDのみ。9/18神戸新聞松方ホール、9/23,24軽井沢大賀ホールのいずれかの音源と思われるが不明。

前年のBreak15ツアー(映像ではカット)以来の演奏。ベースドラムとストリングスも加えたキー下げバンド編成だが、Ballads in Blue styleを踏襲したドラムアレンジになっており、微かな音でパスパスした音が鳴っているのみでほとんど聞こえない。今回もキー下げだがサビでは裏声を使用せずに声を張り上げて歌唱、サビ終わりの”明日にときめいて”の“めいて”の部分だけ裏声というスタイル。やはりこのキーだとサビ頭で裏声に行くよりもスムーズだし、余裕で出せるのでこっちの方が良かった。”めいて”も余裕で出せると思われるが、「このまま君だけを奪い去りたい」のサビ終わりの”信じていたいよ”の”て”だけ裏声になってしまうのと同じようなやつだろうか。

3rd Live CD Udenonakade
DEEN at 武道館 2015 LIVE JOY SPECIAL』Blu-ray盤のみ付属CD

2015年10月11日日本武道館ライブの音源。同作品に映像でも収録。

アコースティックコーナーでの演奏。3人+バイオリン下川美帆との4人編成。同期で流れているリズムトラックはBallads in Blue styleを踏襲して新規で打ち込み直したと思われる音。今回は全て声を張り上げて歌唱している。一方でこの時期特有の低い平メロの方が歌いにくそうでやや囁き歌唱気味。

4th Live CD Udenonakade
DEEN at 武道館 2016 LIVE JOY SPECIAL~Ballad Night~』Blu-ray盤のみ付属CD

2016年11月23日日本武道館ライブの音源。同作品に映像でも収録。田川伸治とサポートの宮野和也、HIDEの最終参加音源。CDでは「武道館Speiclal Ballad Medley」で7曲まとめられた中の3曲目となっていて頭出しできない。

初の2年連続武道館演奏。ライブCDとしては初のバンドバージョン。バンド+ストリングス編成でドラムはオリジナルアレンジを踏襲、ギターはエレキ。波音SE~1コーラス+ギターソロまでで次の曲へ移行する。サビは張り上げ歌唱

5th Live CD Udenonakade
DEEN at BUDOKAN DX-30th Anniversary-』完全生産限定盤のみ付属CD

30周年記念で5年ぶりに開催した2023年3月12日日本武道館ライブの音源。同作品に映像で収録。Guitar:侑音、Bass:石田純、Drums:北村望、Saxphone:ヒロムーチョ。CDでは「武道館Special Medley Ⅲ」で6曲まとめられた中の4曲目となっていて頭出しできない。

2020年のリゾートライブ(映像化のみ)では原曲キーで歌っていたが、この曲もかなりキーが高い曲なので原曲キーとキー下げの使い分け方針により、再度キーを下げたバンド+ストリングスでの演奏。サビ+間奏という変則編成。ドラムはBallads in Blue styleとオリジナルを混ぜたようなアレンジ間奏ソロはヒロムーチョのサックスソロに変更されている。

LIVE DVD/Blu-ray Udenonakade

1st Live DVD/Blu-ray Udenonakade
LIVE JOY Special YOKOHAMA ARENA

1999年12月11日横浜アリーナの映像。宇津本直紀在籍時の4人での唯一の映像。2000年初出のVHSではカットされており、1年後の2001年にDVD化された際に「Burning my soul」と共に追加収録された。この都合上、エンドロールの後に追加収録されている。何故かDVD用に新たに作られたメニュー画面では追加された2曲が非掲載なのでメニューから選択再生する事ができない。チャプター分けはされているのでメニューから1番最後の「翼を広げて」を選択してスキップすると次はエンディングなのでさらにスキップすると到達できる。

5thシングルC/Wなので初ライブ時点で存在はしていたが学園祭ライブ、Break1、2、3と一向に演奏された形跡がなく、Break4ツアーで初めてライブで演奏された模様。Break4が33公演もあったのでこの時点で既に演奏回数も30回を越えていてかなり慣れた状態で演奏されていたと思われる。

オリジナルを生演奏で再現した完成度の高いライブ映像。ドラムの音色が抑えめながら自然な生音になり、キラキラしたアコースティックギターのサウンドや全盛期際回るボーカルまで全ての完成度が高いベストアクト。追加収録されて良かった…。一方で映像は全体に暗めのトーンで池森さん以外にライトが当たってないため、時々田川さんが単独で映る以外は暗すぎて山根・宇津本両名はほとんど映らず、サポートメンバーの存在も全く分からないほどの完全なる主役ボーカルとバックバンド扱い。Break5辺りまではこういう暗めでボーカルにしかライト当たってないみたいな演出が多かったように思う。

以降しばらく演奏されず、次は2004年のBreak9のアコースティックコーナーだったようだがツアー自体が音源化されていない。

2nd Live DVD/Blu-ray Udenonakade
DEEN at 武道館 2015 LIVE JOY SPECIAL

2015年10月11日の日本武道館ライブの映像。Blu-ray特典でライブCDとしても収録。

アコースティックコーナーでの演奏。3人+バイオリン下川美帆との4人編成でセンターステージでキーボード・ボーカル・アコースティックギター、背後のメインステージで下川美帆がバイオリンを弾いている構成。リズムトラックはBallads in Blue styleを踏襲して新規で打ち込み直した軽めのリズムトラックを同期で鳴らしているが、以前は3人だけなら限りなく3人だけかせいぜい簡易な同期を足す程度だったが、この頃になるともうそれベースとドラムも入れればいいじゃん…的な同期トラックを織り交ぜる事が当たり前になってきていた。低音が囁き&不明瞭な傾向が続いていたが、サビの高音はバッチリ張り上げていて好調。

3rd Live DVD/Blu-ray Udenonakade
DEEN at 武道館 2016 LIVE JOY SPECIAL~Ballad Night~

2016年11月23日日本武道館ライブの映像。Blu-ray特典でライブCDとしても収録。田川伸治、宮野和也、HIDEによる演奏は結果的にこの時が最後。

初の2年連続武道館演奏。バンド+ストリングス編成波音SE~1番~ギターソロまで。ドラムはオリジナルアレンジを踏襲、ギターはエレキ。前曲の演奏がきちんと終わってからなのでメドレーとして繋がっている感じはなく、単に続けて波音SE~1コーラス+ギターソロまでですぐに次の曲へ移行する。CDではメドレー扱いで直接再生できないがBlu-rayではメドレー扱いの7曲全てが直接再生可能となっている。座り歌唱のアコースティックだった2015年武道館よりも全体に声の抜けがよく、平メロでも囁き歌唱が改善され、サビでも全て張り上げている。

4th Live DVD/Blu-ray Udenonakade
『POP IN CITY~for covers only~』初回盤Blu-ray『DEEN Summer Resort Live~7th wave~2020/9/16 大さん橋ホール

2020年9月16日リゾートライブ大さん橋ホール公演の映像。Guitar:侑音、Bass:石田純、Drums:矢野顕太郎。

原曲キーに戻してのバンド+ストリングス編成でドラムはBallads in Blue styleを踏襲。Aメロからキーの高い曲なので座り歌唱なのにいきなり動きまくり&終始決死の表情での渾身歌唱となっている。よくこれを1曲目に持ってきたな&これで最後まで持つのか?と思うほど見た目には全く余裕がなくまさに決死としか言いようのない表情だけに見ていて力が入ってしまうがその甲斐あってか声自体は出ている。またBallads in Blue styleを踏襲しつつ終始軽めではなく適度な存在感を見せる矢野氏の緩急をつけたドラミングが素晴らしい。映像で見るとどうしても決死歌唱が決死すぎてリラックスして見れないところではあるが、完成度の高さではこの映像が横浜アリーナに続くものじゃないかと思う。

5th Live DVD/Blu-ray Udenonakade
DEEN at BUDOKAN DX-30th Anniversary-

30周年記念で5年ぶりに開催した2023年3月12日日本武道館公演の映像。Guitar:侑音、Bass:石田純、Drums:北村望、Saxphone:ヒロムーチョ。Blu-ray特典でライブCDとしても収録。CDはメドレーの1曲だったがBlu-rayではメニューからも選択可能。

バンド+ストリングスを交えたメドレーの1曲として演奏し、サビ+間奏という変則編成。ドラムの演奏は抑えた雰囲気でイントロ部分ではBallads in Blue style特有の乾いた打ち込み連打カッカッカッが入っているが一緒にオリジナルを踏襲したようなドラムも入っていて、サビの中間のドラムのキメのフレーズはBallads in Blue styleの乾いた打ち込み連打(カッカッカッ)は聞こえず、オリジナルのドラムフレーズ(スタタドン)を踏襲している。間奏のソロがサックスソロに置き換えられるなど新しい要素が多め。また再度キーを下げていて安定感のある歌唱になっている。前回の原曲キーは決死だったが、高い曲は無理せず下げる方針に切り替えた事で、下げたキーでは苦しそうにもならずに伸び伸び歌唱していて、過去のキー下げ音源よりも調子はいい。ただ平メロを歌唱していないのでフルで歌った場合は分からないが、この感じなら大丈夫そうだ。


というわけでスタジオ2音源、ライブCD5音源、ライブ映像5音源であった。他にもっとレアな曲が多すぎるせいで時々披露される曲くらいの認識だったけど十分レアだったこれ。2008年Break13→2010年Break15→2011年リゾートライブ、2015武道館→2016武道館の2年連続武道館の辺りが少し連続していたせいだと思うんだけど、発表からライブ初披露まで5年だったのに始まり、先の2ヶ所以外は5,6年開く事も珍しくはない。次に聴けるのはいつになるのか。人気だという認識はあるようだし、これまでよりは短いスパンになりそうな気もするが…。

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