33rd G4
2006年7月12日
2006年2月には11ヶ月ぶりのライブを行っていたが、新作まではさらに5ヶ月を要し、1年7ヶ月ぶりの単独新作となった。東芝EMIのままだが、事務所アンリミテッドを離脱してキャピトルへ移動し、スタッフも一新しての心機一転での再始動作。
初の4A面シングルとなり、作品タイトルと曲名が異なるミニアルバムのような作品となった。4曲入りという意味以外にもメンバー4人、GLAY For~等の意味も込められているとされる。発売時のTV出演では番組ごとに異なる楽曲を披露し、4曲全てがいずれかの歌番組で披露された。
後に『G4』はシリーズ化したが、今作は全てTAKUROの曲であり、メンバー4人が作った曲を1曲ずつという構想ではなかった。
ROCK’N’ROLL SWINDLE
作詞作曲:TAKURO、編曲:GLAY&佐久間正英
直球のロックナンバー。アルバムではこういうノリのライブで盛り上がるようなロックナンバーはあったが、シングル1曲目、アルバム1曲目としては正直かなり弱い印象でどうにもシングルっぽくない。かつての対談レビューではビーッソーロンリーウェイ!ウェイ!ウェイ!ウェイ!ウェイ!と掛け合いするという打ち合わせしてないのに驚くほど見解一致で息ピッタリという秀逸な応酬となっていたが、久々に聞き返してもやっぱりほぼ同じ印象である。サビが一直線すぎてAメロの方がカッコいい勢いだし、もうひとひねりほしかった感じも。
album ver.はイントロのギターの音色から異なっているので比較的分かりやすい。『LOVE IS BEAUTIFUL』album ver.勢が軒並み『THE GREAT VACATION VOL.1』収録時にシングルではなくalbum ver.で収録されてしまった事と、シングル1曲目であったせいで『rare collectives vol.3』に唯一収録されず(2~4曲目をC/W判定で収録)、まさかのシングルバージョンアルバム未収録のままとなった。
★★★☆☆
シングルバージョンアルバム未収録
9thアルバム『LOVE IS BEAUTIFUL』(album ver.)
4thベスト『THE GREAT VACATION VOL.1~SUPER BEST OF GLAY~』(album ver.)
誰かの為に生きる
作詞作曲:TAKURO、編曲:GLAY&佐久間正英
先の対談で『G4』全体のサブタイトルとして、またその後も便利ワードとして使用したサビで出てくるそれも悪く・ないね♪がこの曲そしてこの時期からのGLAYを端的に示した便利フレーズかなと思う。今作もストレートな爽やかロック系のド王道。これまでを越えるような勢いもそれに代わる2000年代になってから見せていたような進化もほとんど感じないが、それでもらしさは存分にあるので悪く・ないね♪という。『LOVE IS BEAUTIFUL』の時期を象徴する名フレーズが生まれた事に価値がある1曲。
『LOVE IS BEAUTIFUL』の時期を象徴すると書いたが、『G4』で唯一今作だけ『LOVE IS BEAUTIFUL』に収録されず、ベスト盤にも選曲されず…と散々な扱いで機械的にC/Wを収録する『rare collectives vol.3』で唯一のアルバム収録を果たした。扱いは到底悪く・ないねとは言えるものではなく普通に悪かった。
★★★☆☆
3rdコンセプトアルバム『rare collectives vol.3』
恋
作詞作曲:TAKURO、編曲:GLAY&佐久間正英
2004年の映画『CASSHERN』と宇多田ヒカルとの結婚(2007年離婚)で当時新鋭の映画監督として広く名が知られていた紀里谷和明がPV監督を担当した事でも話題に。4曲の中では唯一のバラード。深いところまでの愛をテーマにしているため、全体に暗く重め。通しで聞くのはちょっとかったるい。
それでも今のファンには人気はそこそこあるんだろうなと思っていたら『BALLADE BEST☆MELODIES』『BALLADE BEST☆MEMORIES』にも選曲されなかった。『REVIEW 2』リリース時に追加でメンバーがセレクトした12曲のうちの1曲として『REVIEW 2.5』には選曲された。
★★★☆☆
9thアルバム『LOVE IS BEAUTIFUL』
3rdコンセプトアルバム『rare collectives vol.3』
配信限定アルバム『REVIEW 2.5』
LAYLA
作詞作曲:TAKURO、編曲:GLAY&佐久間正英
4曲の中では最も人気が高くメイン級の風格がある名曲風のロックナンバー。名曲風であって過去の名曲に及んでいく感じではないものの、“まだ俺はやれるのさ かつてのように器用には上手く振る舞えないかもしれないけれど”という部分にはどこかかつてほどの名曲が出なくなってきたなと感じていた当時の感覚と一致した。挫折からの再起を歌った歌詞の内容は色々な事に当てはまる部分でもあり、当時の背景としては事務所独立問題のゴタゴタからの再起・復活・新体制で新始動という部分での心情が強く反映されているようには思う。
album ver.は他の曲と異なり、ここが違うという部分が特になくどこが違うのかイマイチ良く分からない。機材が違うとか言われていたり、テンポが違うとも言われていて、『THE GREAT VACATION VOL.1』もalbum ver.だというのが定説になっているが確証が持てない。演奏時間ではシングル(5分39秒)、『rare collectives vol.3』=『THE GREAT VACATION VOL.1』(5分36秒)、『LOVE IS BEAUTIFUL』(5分38秒)となるので定説は演奏時間の面からは成立しないんだよな…。演奏時間の差は最後の余韻(無音)部分の差っぽいので関係なさそうだけど。
★★★★☆
9thアルバム『LOVE IS BEAUTIFUL』(album ver.)
4thベスト『THE GREAT VACATION VOL.1~SUPER BEST OF GLAY~』(album ver.?)
3rdコンセプトアルバム『rare collectives vol.3』
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