嵐 15周年シングルレビュー 2004-2009
以前のような挑戦的な楽曲がA面に来る事は無くなり、王道のポップチューン+サクラップというスタイルが確立…されたかに思われたが、予想だにしない『花より男子』をきっかけにし、ブレイクの兆しが見え、やがて『花より男子2』以降は人気が急上昇。一気に時代の頂点へと駆け上がっていった。サクラップが徐々にA面に登場しなくなり、C/W送りにされるようになっていった。ラップ無しのポップチューンが連発されるようになり、やがてC/Wからもサクラップが徐々に減っていく一方で本格的に嵐の時代が到来した。楽曲面でのピークは個人的にはこの時期。
※2015年に09年執筆版を改訂、C/Wを追加。
14thシングル サクラ咲け
05年3月23日
作詞:相田毅、Rap詞:櫻井翔、作曲:谷本新、編曲:石塚知生
城南予備校のCMタイアップ。爽快なバンド風サウンドが炸裂するキャッチー&ロックな春らしい応援ソング。サビのド頭が「しまう〜たよかぜにのり〜♪」(THE BOOM)と酷似している気がするがきっと気のせいだろう。シングルでは初めてAメロ、Bメロをソロパートで回しているが、現在でもこれはかなり珍しい。間奏では渾身のサクラップも登場し、当時としては嵐の王道パターン。この時期を聞いているか後追いかで嵐の王道の概念が分かれそうだけど、個人的にはこの王道を守っていってほしかった…。
★★★★☆
5thアルバム『One』
3rdベスト『5×10 All the BEST! 1999-2009』C/W 手つなごぉ
作詞:樽木栄一郎 作編曲:AKIRA
シンプルなR&B風のナンバー。派手なA面の後でかなりこざっぱりした楽曲のため、スーッと流れていってしまうがけっこうメロウな雰囲気が心地よかったりもする。
★★★☆☆
一般発売アルバム未収録
通販限定裏ベスト『ウラ嵐マニア』ジャケ写はこちら
15thシングル WISH
05年11月16日
作詞:久保田洋司、作曲:オオヤギヒロオ、編曲:CHOKKAKU
松本主演ドラマ『花より男子』主題歌。このドラマ、発表がかなり遅かった事から別の企画がうまく行かず急遽企画されたドラマだったようで、全くヒットの期待などなかったと思われる。原作自体も04年まで続いていたが、90年代半ばにアニメ化、アニメ映画化、内田有紀主演での実写映画化など一連のメディアミックス展開があったのでほぼ10年前のコンテンツという感じもあった。当時の松本は03年春の『キミはペット』以来のドラマ出演で04年はドラマ出演が無かったという状態、相手役の井上真央も子役時代からの脱却がうまくいかずに当時は干され気味だったし、小栗旬も松田翔太も阿部力もそこそこ出てはいたけど主演級というほどではなかった。この今更感漂っていたドラマも空前の大ヒット。井上真央は月9主演、朝ドラ主演、大河主演、紅白司会までこなす超大女優へと成長し、小栗旬や松田翔太も月9主演俳優クラスまで上り詰めるなど大ブレイク。この「花より男子」という作品、出演者を後にブレイクさせる魔力を持っているのか、実は内田有紀版の映画も当時無名の谷原章介、藤木直人が道明寺、花沢を演じていた。出演者に大確変を起こすほどのヒット作だけに、曲も予想外のロングヒットとなり、「a Day in Our Life」以来の30万枚突破作品となり、久々に存在感を示した。曲の方は嵐らしいというよりジャニーズ王道中の王道といった感じのキャッチーなポップソング。クリスマス風味のアレンジが施されているのでクリスマスソングとしても扱われているが、どっちかというと年末とか師走の空気を感じる曲といった感じ。ほぼ全編ユニゾンのキャッチー&ポップな曲だったのであまり面白味は無かったけど、いい曲ではあると思う。
★★★★☆
6thアルバム『ARASHIC』
3rdベスト『5×10 All the BEST! 1999-2009』C/W イチオクノホシ
作詞:SPIN、作曲:Kazz、編曲:ha-j
冬の夜を思わせるミディアムナンバー。冬以外にはあまり聞く気がしないもののいい曲だ。
★★★☆☆
一般発売アルバム未収録
通販限定裏ベスト『ウラ嵐マニア』初回盤のみC/W 二人の記念日
作詞作曲編曲:安田信二、Rap詞:櫻井翔
「WISH」と違って明確にクリスマスという単語が登場するクリスマスソング。同じくミディアム調だが、終盤ではサクラップも降臨する。通常盤にはこの曲の代わりにカラオケの後にロングなシークレットトークが収録されている。
★★★☆☆
一般発売アルバム未収録
通販限定裏ベスト『ウラ嵐マニア』ジャケ写はこちら
16thシングル きっと大丈夫
06年5月17日
作詞:SPIN、Rap詞:櫻井翔、作編曲:Shinnosuke
SOUL'd OUTのメンバーShinnosukeが作編曲。HIP HOPというよりドキャッチーな歌メロにサクラップ、そして合唱パートというてんこ盛りな内容だが、そのどれもが際立っていて個人的にはこれが嵐のど真ん中理想的な曲。嵐を聞くならまずはこれを聞け!若者のお気楽な日常という内容はまさにあの頃のSMAPであり、この時期が最もSMAPの後継者っぽかった(近年はジャニーズ内の「派閥」により共演も無くなり、SMAPと嵐の共通点はほぼなくなりつつある)。ただ当時大学4年生(お察し)でこの曲のノー天気さをそのまま受け止められる状態には無く(B'zの「ゆるぎないものひとつ」とかDEENの「Starting Over」がドンピシャな精神状態)、ラキラキベイブ仕事はラストのオーマイグルーヴとかなんだよそれ、そんなドラマみたいな軽いノリで働くとか幻想だろ?という半ばヤケクソな心境でこの曲を受け止めていたように記憶している。
★★★★★
6thアルバム『ARASHIC』
3rdベスト『5×10 All the BEST! 1999-2009』C/W 春風スニーカー
作詞:北川暁、作曲:Trevor Ingram、編曲:CHOKKAKU
8×4のCMタイアップ。爽快なギターポップナンバー。ドコイクナニスル♪と陽気にCMでかかっていたのでけっこう耳に残っていた。次のシングルはこれかと思っていたらあっさりC/W送りになったという…。以降こういうパターンがブレイク後の人気が安定する頃まで増える。2番でメンバー全員にソロパートが回ってきたりと聞きどころも多い。
★★★★☆
一般発売アルバム未収録
通販限定裏ベスト『ウラ嵐マニア』通常盤のみC/W NA! NA! NA!!
作詞:SPIN、Rap詞:櫻井翔、作曲:飯田建彦、編曲:ha-j
陽気なスカ風ナンバー。とにかくノリが良く、1番と2番の間に登場するサクラップも内容にほとんど意味が無いほどでノリ1本って感じで突き抜けていく。総じて5月病を吹き飛ばすようなポジティブなエネルギーに満ちたシングルだった。
★★★☆☆
一般発売アルバム未収録
通販限定裏ベスト『ウラ嵐マニア』ジャケ写はこちら
17thシングル アオゾラペダル
06年8月2日
作詞作曲:スガシカオ、編曲:石塚知生
櫻井主演映画「ハチミツとクローバー」ED。原作作者がタイトルをスガシカオとスピッツの曲名からつけたというほどのファンだったので、アニメ版では劇中歌としてスガシカオ、スピッツ楽曲が相当数使用された。今回はスガシカオが作詞作曲。スピッツが「魔法のコトバ」で主題歌を手がけたので、EDはスガシカオが歌えば良く、別に嵐が出てくる必要性は全くなかったのだが、その辺は出演者に櫻井いるしぃ…という大人の事情が発動したと察しておこう。楽曲はやや地味で当時はあまり印象に残らず、DVD付2種の3パターンジャニーズ商法を行うもさほど売上が伸びなかったというくらいにヒットもしなかったが、改めて聞いてみると名フレーズの連発でさりげなく名曲。「きっとぬりすぎた色って白に戻れないけど それでいい 新しい色で明日を描こう」という変わってしまった(塗りすぎて自分を失ってしまった)自分を受け入れてそこから新しい色を描いていこうとする歌詞が刺さる。同じくスガシカオが作詞した「夜空ノムコウ」にも通じるほろ苦さ。メンバー全員が30代に突入した頃にはこういう痛みの季節を通りすぎたかのようにこの手のA面曲が無くなってしまうので20代半ばに差し掛かってきていたこの頃だから出せた味だったのかも。さすがにラップが登場する余地は無く、サクラップはないが、櫻井がラストサビをソロで歌うというややフューチャーされた扱い。ラップではなく歌で櫻井が目立つというのが新鮮だった。
★★★★★
7thアルバム『Time』
3rdベスト『5×10 All the BEST! 1999-2009』C/W Kissからはじめよう
作詞:youth case、作曲:velvetronica、編曲:ha-j
8×4のCMソング。最早8×4のCM程度ではC/Wでいいということなのか前作に続いてのC/W扱いだが、CM起用されただけあってそこそこいい曲。ストリングスがくどさや豪華さではなくさわやかさを演出しているのがいいスパイスになっている夏らしいさわやかナンバー。気になるのは「21世紀はKissからはじめようよ」という90年代後半から01年前後までよく出てきたようなフレーズが登場すること。確かに100年周期で考えれば06年はまだまだ世紀始だし、その日々を過ごした実感が無ければ(例えば1901年と1906年も20世紀初頭でくくって違和感はない)おかしくはないのかもしれないけど、リアルタイムで世紀末から06年までを生きてきた立場からすると今更21世紀始めんの?という感じはした。00年頃に制作されるも倉庫で眠っていたストック楽曲だったのだろうか。
★★★☆☆
一般発売アルバム未収録
通販限定裏ベスト『ウラ嵐マニア』通常盤のみC/W 夏の終わりに想うこと
作詞:小川貴史、作編曲:上野浩司
さわやかな夏の終わり系ミディアムナンバー。夏の終わりというと切ない感じがするんだけど予想よりはしんみりせずにさわやかな仕上がりに。
★★★☆☆
一般発売アルバム未収録
通販限定裏ベスト『ウラ嵐マニア』アオゾラペダル(初回限定盤A)(DVD付)
アオゾラペダル(初回限定盤B)(DVD付)
アオゾラペダルジャケ写はこちら
18thシングル Love so sweet
07年2月21日
作詞:SPIN、作曲:youth case、編曲:Mugen
松本主演ドラマ『花より男子2』主題歌。前作の大ヒットを受けての続編。ドラマも主題歌も大ヒット。嵐の本格的大躍進はここから始まった。曲自体は個人的にはこのレベルなら今までにも普通にあっただろという感じで、サクラップも無い良メロアイドルポップだったのだがこれに大ヒットドラマというタイアップがつくだけでこうも変わるのかと驚いた。ここで2番ヒットを更新。当時はデビュー以来の代表作(現在は数ある代表曲の1つ)と呼べる勢いにまで達した。確かにいい曲だけど…こういうタイミングでこういう形で大ブレイクしていったのもサクラップ衰退の理由の1つかと思うと少し寂しかったりも(1番は本人がラップでの表現に若い頃ほどの意欲が無くなったんじゃないかと思うけど)。
★★★★☆
7thアルバム『Time』
3rdベスト『5×10 All the BEST! 1999-2009』C/W いつまでも
作詞:SPIN、Rap詞:櫻井翔、作曲:多田慎也、編曲:ha-j
失恋の切ない泣きメロ系+サクラップというこれ以前の嵐であれば比較的王道スタイルのナンバー。隠れた名曲というか、2年くらい前なら普通にシングルA面になっていたんじゃないかという感じだが、これがC/Wになってしまうあたり、転換期だったのかもしれない。さすがに失恋ソングを「花より男子」主題歌にするわけにもいかないし。
★★★★☆
一般発売アルバム未収録
通販限定裏ベスト『ウラ嵐マニア』初回盤のみC/W ファイトソング
作詞:嵐、作曲:二宮和也、編曲:北川吟
今作ではDVD付を出さずに「WISH」同様の初回盤は1曲多い(DVD付をやる場合は通常盤で曲数が増える)というパターン。そんな初回枠で登場したのがなんとまさかの自作曲。メンバー全員で作詞、かねてからギターと作曲が趣味と公言していた二宮が単独で作曲を担当。CD化された二宮の作曲作品としては通算2作目だが、1作目の「スケッチ」は抽選100名プレゼント(後に『ウラ嵐マニア』に収録)だったので、一般流通したものとしてはこれが最初となった。バンド+ブラスサウンドによるポップな印象の楽曲だが『Gの嵐!』の公式応援歌として制作されたためか、オイ!オイ!という掛け声が随所に入り、学生応援団風のノリになっている。アイドルだからなのか、嵐だからなのか、そこまで本気で体育会系のノリにはしていないためか、暑苦しさよりも優等生らしさが漂う。
★★★☆☆
一般発売アルバム未収録
通販限定裏ベスト『ウラ嵐マニア』Love so sweet(初回限定盤) Love so sweet
ジャケ写はこちら
19thシングル We can make it!
07年5月2日
作詞:UNITe、Rap詞:櫻井翔 作曲:Fredrik Thomander & Anders Wikstrom、編曲:鈴木雅也
松本主演ドラマ『バンビ〜ノ!』主題歌。オリジナル曲ではなく、スウェーデンのシンガー、アニエス・カールソン「Love is All Around」を日本語詞&ラップを追加してのカバー。このためかちょっといつもと違う感じの1曲になった。ていうかサビだけ聞くとどうにもちょっと印象の薄い曲になってしまうが、1曲通して聞くといきなりソロパートの歌始まりの構成といい、サビ以外はほぼ5人のソロパート回しで各々がそれぞれこれまでよりも歌で個性を発揮していてそこが最大の聞きどころになっている。それぞれの声に重点を置くと印象が変わる曲かも。サクラップがかなり控えめに登場し、パートが少ないのは元々は無かったラップを加えたからなのかもしれないが、結果的にはサクラップが出てきてもパートが短いという以降のサクラップへの布石みたいな感じにもなった。
★★★★☆
7thアルバム『Time』
3rdベスト『5×10 All the BEST! 1999-2009』C/W Di-Li-Li
作詞作曲:北川暁、Rap詞:櫻井翔、編曲:鈴木雅也
C1000のCMソング。春らしいバンド風前向きポップナンバー。ゴキゲンなサクラップも登場する以前と以後の両方の嵐らしさが同居したような1曲。
★★★☆☆
一般発売アルバム未収録
通販限定裏ベスト『ウラ嵐マニア』初回盤のみC/W Future
作詞作曲:100+、Rap詞:櫻井翔、編曲ha-j
いきなりサクラップから始まる疾走感あふれる打ち込みハイテンションロックナンバー。A面はちょっと異色だったが、C/W2曲が総じてポジティブな勢いに満ちたシングルとなった。
★★★☆☆
一般発売アルバム未収録
通販限定裏ベスト『ウラ嵐マニア』ジャケ写はこちら
20thシングル Happiness
07年9月5日
作詞:Wonderland、作曲:岡田実音、編曲:北川吟
二宮・櫻井主演ドラマ「山田太郎ものがたり」主題歌。嵐のデビュー時点では高校生だったとはいえ何故か高校生設定が妙にハマり役となり、20歳を超えても余裕で高校生役が続き、気が付けば7年経過しても高校生役が回ってくるTHE 高校生俳優ニノだったが、一体いつまで高校生なのか?という問いへの最終章でもあった(違う)。TV進出した多部未華子がいきなりコメディ女優化してしまうなど、コメディしすぎなドラマは正直恐ろしくつまらなかったが、キラキラのタイトルバックで出演者がエアギターしまくるOP映像はやたらと印象的で好印象だった。ギター主体のハイテンションアップテンポナンバー。とにかく元気が出る1曲で、どんどん増していく当時の嵐の勢いがそのままパッケージされたような曲。TVでも後々まで披露される機会が多く、嵐の元気ソングの代表格扱いされている。
★★★★☆
8thアルバム『Dream"A"live』
3rdベスト『5×10 All the BEST! 1999-2009』C/W Still...
作詞作曲:多田慎也、Rap詞:櫻井翔、編曲:NAOKI-T
ちょっぴり切ない良メロ系ポップチューン。「いつまでも」の時と同様にサクラップもある以前の嵐だったらA面確実の王道ナンバーだが今回もC/W送りというのがもったいない…。ただメンバーも思い入れが深かったようで10周年時のメンバーベストセレクション10曲の1曲に選ばれている。
★★★★☆
3rdベスト『5×10 All the BEST! 1999-2009』初回盤DISC-3
通販限定裏ベスト『ウラ嵐マニア』初回盤のみC/W Snowflake
作詞:小川貴史、作編曲:HYDRANT
ここまでは初回盤DVD付の通常盤1曲多い(DVDがもう1種多い事も)だったり、DVD無しで初回盤1曲多いというパターンだったりしたが、後者のパターン、すなわちDVDがつかなかった最後のシングルが今作となった。シンプルなサウンドで歌われるバラードナンバー。9月上旬発売なのにウィンターソングというのは少々気が早かった。
★★★☆☆
一般発売アルバム未収録
通販限定裏ベスト『ウラ嵐マニア』ジャケ写はこちら
21stシングル Step and Go
08年2月20日
作詞:Wonderland、Rap詞:櫻井翔、作曲:youth case、編曲:吉岡たく
今作でO社の初動が一気に30万を突破するなど極端に跳ね上がるという異様なアクションを見せるも(後述のBOXの影響か?)、速攻ランクダウン。その後、次回作以降がロングヒットする中でもほとんど再浮上してこなかったため初動で大半を稼いだ売上の割には前後の作品と比べてもかなり知名度が低い楽曲。チャートアクションの異様さからも当時はスルーされがちだったけどキラキラとした卒業ソングとしてけっこう魅力的な楽曲だと思う。
★★★★☆
8thアルバム『Dream"A"live』
3rdベスト『5×10 All the BEST! 1999-2009』通常盤のみC/W 冬を抱きしめて
作詞:藤瀬聖・杉山勝彦、作曲:杉山勝彦、編曲:石塚知生
C1000のCMソング。乃木坂46の「君の名は希望」などを後に手がけ、各々提供先のアーティストのファンの間では評価が高いとされている杉山勝彦の作家デビュー作品。キャッチーなウィンターポップナンバー。相変わらずC/Wにしておくにはもったいないような楽曲。ただ"冬がやってくる"というフレーズが登場するように明らかに冬が始まる曲だったにも関わらず、冬が終わるころの発売。徐々に生ぬるくていや〜な暖かで柔らかな春風が吹き始め、花粉が飛び交い始めてグジュグジュ桜前線が北上を始めていく頃だけにちょっと遅かった感がある。前作「Snowflake」は早すぎたが、07-08年のリリースタイミングでは冬ソングのリリースは難しかった。
★★★☆☆
一般発売アルバム未収録
通販限定裏ベスト『ウラ嵐マニア』Special Cu[9]bic BoxのみC/W COOL&SOUL for DOME07
作詞:SPIN、All Rap presented by 櫻井翔、作編曲:吉岡たく
携帯ファンサイト限定のグッズ付限定盤『Special Cu[9]bic Box』仕様のC/Wにのみ収録された。嵐が次なるステージを進んだことを宣言した06年のアルバム『ARASHIC』収録曲「COOL&SOUL」の終盤の歌詞を変更した別バージョン(この「COOL&SOUL」原曲自体は10周年ベストの初回盤メンバーセレクションにも選出されている)。元々はfor DOME 07とタイトルにあるように07年の東京ドーム公演で披露されたバージョンで前年からアジアでライブを行っていて日本へ凱旋してきたという事もあってそのあたりを意識したようなリリックが追加されている。ラップクレジットが通常と異なり、All Rap presented by 櫻井翔となっているのは歌詞の大半がラップで構成されているためと思われる。実際にラップしているのは櫻井1人ではなく全編が5人のラップで構成されたクールな楽曲となっていて、歌詞の表記は全面的にラップ詞部分を示す斜体表記。All Rap presented by 櫻井翔などとされている以上は逆に作詞としてクレジットされているSPIN氏が書いた部分はどこなんだという疑問が…。コーラスが歌っているブリッジ部分の「ARASHI IS COOL」くらいしかラップじゃないところが無いんだけど。
★★★★☆
このバージョンではアルバム未収録ジャケ写はこちら
22ndシングル One Love
08年6月25日
松本主演映画「花より男子FINAL」主題歌。大ヒット作の最終作だけに100年先も愛を誓うと歌う壮大なラブソングにしてゴールイン楽曲。イントロの時点で名曲の風格漂う合唱系良メロポップス。個人的には年間1位の次回作よりも年間2位のこの曲の方が08年及び嵐を代表する1曲という気がしている。どうにも大ヒットを連発するようになった一方で、1つ抜けた代表曲が逆に無いという状況になったが、この曲を聞くと明確に嵐が1つの到達点に達した楽曲だったような気がする。
★★★★★
3rdベスト『5×10 All the BEST! 1999-2009』初回盤のみC/W FINAL Remix feat.WISH, Love so sweet & One Love
「花より男子」主題歌となった歴代3シングルのリミックスメドレー。「WISH」「Love so sweet」は1コーラス程度、「One Love」は最後のラララパートとサビ後半部分のみで構成されているので3曲繋いでいるものの合わせて1曲分程度の長さになっている。各楽曲、冒頭はボーカル以外ほぼ別アレンジのようなバックトラックだが、進むにつれて原曲の要素が加味されていくようなイメージ。なかなか面白い。
★★★★☆
このバージョンではアルバム未収録通常盤のみC/W How to fly
作詞:UNITe、作曲:R.P.P. Anderz Wrethov、編曲:吉岡たく
王道のポップナンバーが続いていた中ではかなり異色のフラメンコ風ナンバー。タイトルにしても歌詞にしてもポジティブポップなナンバーを想像するが、情熱とクールさが入り混じったようなこの時期のシングル収録曲としてはかなり新鮮な雰囲気が漂う。
★★★☆☆
一般発売アルバム未収録
通販限定裏ベスト『ウラ嵐マニア』ジャケ写はこちら
23rdシングル truth/風の向こうへ
08年8月20日
通常より1種増やした3パターンジャニーズ商法に踏み切ったのとブレイクの勢いが重なって、このシングルでさらに初動が跳ね上がり、初動だけで2nd〜21stの累計売上をかっ飛ばす大ヒットを記録。最終的に独走状態のまま08年の年間1位となった。truth
作詞作曲:HYDRANT、編曲:前口渉
大野主演ドラマ『魔王』主題歌。復讐をテーマに、最後は主人公含めて主要キャストほぼ全員(ヒロインと刑事以外)全員死亡というBAD ENDを迎えたシリアスで重いドラマだったが、そんなドラマにしっかり合わせたかつてないスリリングな曲。いつになく低音で始まるAメロもかっこいい。大野主演だけにただでさえ多い大野のソロパートがかなり多くなっていて大野と愉快な仲間たち状態のボーカルバランスになっている。いわゆる「いつものポップな嵐」とは大きく異なる曲調だけに非常に耳に残りやすい曲だった。
★★★★☆
3rdベスト『5×10 All the BEST! 1999-2009』風の向こうへ
作詞:多田慎也、Rap詞:櫻井翔、作曲:Pippi Svensson・Anders Dannvik、編曲:Hans Johnson
日テレの北京オリンピックテーマ曲。アコギのカッティングが印象的なポップナンバー。「NEWS ZERO」の関係で実際にオリンピック選手に取材したという経験を基にして櫻井が書き下ろしたサクラップも久々にガツンと炸裂。ラップ部分は取材経験が活かされ比較的選手への応援歌っぽくなっているものの、それ以外はあまりオリンピックの応援歌っぽくはなく、日常の応援歌みたいになっている。日テレとのオリンピック蜜月及び櫻井のNEWS ZEROキャスター起用はずっと続くものの、オリンピックテーマ曲をA面にするのも、そこにサクラップが乗っかるのもこれが最後となってしまった。去りゆく"サクラップメイン時代"末期に輝くサクラップ的名曲。
★★★★☆
3rdベスト『5×10 All the BEST! 1999-2009』通常盤のみC/W スマイル
作詞作曲:Erik Lidbom・youth case、編曲:北川吟
モータウンレゲエ風味のポジティブサマーポップナンバー。ポップサイドの嵐の魅力が詰まった佳作。
★★★☆☆
一般発売アルバム未収録
通販限定裏ベスト『ウラ嵐マニア』ジャケ写はこちら
24thシングル Beautiful days
08年11月5日
作詞作曲:Takuya Harada、編曲:ha-j
二宮主演ドラマ「流星の絆」主題歌。ドラマは1話切りしてしまったので全く記憶にないが、楽曲は切ない泣きメロがたまらず、秋の夜長にしんみり浸りたい。もう会えない人(故人?)への思いを歌っていて、これは恋人でも友人でも家族でも当てはめることができる。聞き手にとって対象が変わり、切なさの度合いも変わる名曲。
★★★★☆
3rdベスト『5×10 All the BEST! 1999-2009』C/W 僕が僕のすべて
作詞:100+、作編曲:加藤裕介
auのCMタイアップ。C/W送りになってしまったものの初回盤/通常盤共通の収録となっているだけまだ扱いが良い。自分を信じてもう1度歩き出そうとする心情が歌われた再生応援歌。翌年の同じタイアップのシングル「Everything」にも通じるが、挫折しても戻ることはできない。受け入れて再生して進むしかない。いつまでも若々しいが嵐もそういう年齢に達していた。
★★★☆☆
3rdベスト『5×10 All the BEST! 1999-2009』
通販限定裏ベスト『ウラ嵐マニア』通常盤のみC/W 忘れられない
作詞:Arika、作曲:HIKARI、編曲:佐々木博史
冬の失恋ソング。形はそれぞれ違うが切ない質感で統一されたシングルとなった。
★★★☆☆
一般発売アルバム未収録
通販限定裏ベスト『ウラ嵐マニア』ジャケ写はこちら
25thシングル Believe/曇りのち、快晴
09年3月4日
鉄壁必殺の3パターンジャニーズ商法により、ついにデビュー曲以来の初動50万突破を達成し、無敵の勢いのまま初動だけでそのまま2009年の年間1位の座を守り続けた大ヒット作となった。2年連続O社年間チャート1位を達成したが、実は2年連続で多田慎也が作詞に関与。どちらも作詞のみだが、同年には「マイガール」を作曲し、さらに翌2010年にはAKB48の「ポニーテールとシュシュ」の作曲も担当するなど、3年連続でO社年間チャートの上位に自身が関与した作品をランクインさせるヒットメーカーっぷりを見せたことはあまり知られていない。Believe
作詞作曲:100+、Rap詞:櫻井翔、編曲:吉岡たく
櫻井主演映画「ヤッターマン」主題歌。実写化は危険じゃないかという空気も最初はあったが、嵐の勢いか、深田恭子のドロンジョのセクシーさが良かったのか映画も大きく話題になった。ひたすらポジティブなアッパーチューンで、前年からの勢いを完全なものにし、3月にして09年を早くも制したNo.1ソング…といった趣き。サクラップもガツンと炸裂するが、結果的にはA面でのサクラップ登場は今作を最後に長く途絶え、嵐といえばサクラップという認識は古くからのリスナーだけの認識へと変化していくことに…。紅白でも披露されたがメドレーの1つになっていたためサクラップ部分はあえなくカットに…。
★★★★☆
3rdベスト『5×10 All the BEST! 1999-2009』曇りのち、快晴/矢野健太 starring Satoshi Ohno
作詞:多田慎也、作曲:QQ、編曲:QQ・佐々木博史
大野主演ドラマ「歌のおにいさん」主題歌&劇中歌。初のソロ名義作品(大野は後に怪物くんとして単独デビューもしている)。大野が演じた主人公、矢野健太の持ち歌という設定。バンドをクビになって子供番組の歌のお兄さんとして嫌々ながら徐々に歌のおにいさんとして自覚を持っていくというストーリーだった。劇中ではかつて所属したバンドに戻らないかという話になり、曲を渡されたが既に矢野健太は戻る気はなくなっており、バンドに提供するつもりで歌詞を入れてこの曲を完成させた。しかしバンドのボーカル(GIRL NEXT DOORの千紗)にこれは健太が歌ってくれと楽曲を返され、矢野健太の持ち歌として自身の子供番組で披露された。それが最終回のラストシーンだったので、わざわざ名義まで役名にしているのに実は劇中歌/キャラクターソングとしては最後の最後に1回使用されただけだった(主題歌としてはもちろん毎週かかっていた)。DANG DANG DANG!と前向きなでキャッチーなサビは非常に覚えやすいが、意外と息継ぎポイントが無く、難しい曲だったりもする。
★★★★☆
アルバム未収録通常盤のみC/W トビラ
作詞:Makoto ATOZI、作曲:多田慎也、編曲:NAOKI-T
これまたポジティブなさわやか応援歌。ただ上の2曲に比べると突き抜けていってしまうような軽さがある。序盤から「未来は僕らをずっと待っている」とか『Believe』サビと被った歌詞が登場するのはいくらテーマが共通だからってどうなのか…。
★★★☆☆
一般発売アルバム未収録
通販限定裏ベスト『ウラ嵐マニア』ジャケ写はこちら
26thシングル 明日の記憶/Crazy Moon〜キミ・ハ・ムテキ〜
09年5月27日
2作連続で初動50万突破。明日の記憶
作詞作曲:平義隆、編曲:石塚知生・佐々木博史
櫻井主演ドラマ「ザ・クイズショウ」主題歌。6年もの記憶を失った櫻井が友人(?)と思われる関ジャニ横山の命令でクイズ番組の司会となり、毎回出演者を追い込んで罪を告白させて追い込んでいく、2人の共通の知り合いの女の子が事故死した過去があり、この死の真相を巡って横山が関係者へいろいろ復讐を企てているというシリアスな内容のドラマだったが、エンディングでドラマと並行してかかっていたのであまり印象に残っていない。関ジャニ横山が徐々に暴走していき、最後には櫻井の記憶を回復させて彼女が死んだのはお前のせいだ!と罪を暴こうとしていたが、実は横山の方が自らの記憶を改ざんしていて、全部自分のせいだったのを捻じ曲げて櫻井に押し付けていたどころか、そもそも櫻井が記憶喪失になったのも暴走して自殺しようとした横山を止めようとしたからだった…というトンデモな結末がインパクトありすぎてほとんど主題歌耳に残ってないっていう…。改めて聞いてみると自問自答の歌詞はかなり深いものがあるけど、5月にこの歌詞は5月病の悪化を招いて危険だ。当時こんな自問自答に浸っているよりは未来へ突っ込め!という勢いがギリで持続していた最後の頃だったので、響かない曲だったし、夏以降は一転して聞ける状態ではなくなったのでほとんど聞かない曲になってしまった。
★★★☆☆
3rdベスト『5×10 All the BEST! 1999-2009』Crazy Moon〜キミ・ハ・ムテキ〜
作詞:Soluna、作編曲:HYPER SLIPPER
コーセーのCMタイアップ。無敵感全開のデジタルギターチューンだが、なんか普通にC/Wかアルバム曲みたいな感じ。ここのところこの程度のタイアップでこの程度の曲なら問題なくC/W送りだったのにA面扱いにしてまでやるような曲だったのかはちょっと疑問。
★★☆☆☆
3rdベスト『5×10 All the BEST! 1999-2009』
ジャケ写はこちら
27thシングル Everything
09年7月1日
作詞:100+、作曲:Shingo Asari、編曲:ISB
auのCMソング。青春の終わりの切なさとか人生の岐路みたいな空気を感じる涼しげでさわやかだけどちょっぴり切ない1曲。ベスト盤の1ヵ月前に発売され、ベスト盤には未収録となったが、リリースが立て込んでいたため結果的にはちょっと地味な存在感のシングルになってしまった気も。こういう切なさを伴った楽曲って意外とこれ以降出てない気がする。なんか一直線にポジティブな曲が増えるし。この曲で痛みを乗り越えたということなのかも。
★★★☆☆
9thアルバム『僕の見ている風景』C/W season
作詞作曲:youth case、編曲:石塚知生
auのCMソング。「Everything」より前に春頃に使用されていた。このため思いっきり春の歌詞になっていて、ひらひら花が舞ったり、旅立ちだったりとサビの歌詞が思いっきり卒業ソングしている。7月の発売では季節が合ってなかった。CMのテーマが「もし僕らが、嵐でなかったら」だったこともあって、センチメンタルさが強調されていたのかも。
★★★☆☆
一般発売アルバム未収録
通販限定裏ベスト『ウラ嵐マニア』ジャケ写はこちら
28thシングル マイガール
09年11月11日
作詞:Wonderland、作曲:多田慎也、編曲:Naoki-T
相葉主演ドラマ「マイガール」主題歌。メンバー4人がすでに主演を複数回経験している中で、相葉にとっては連ドラ初主演どころか連ドラ出演自体が03年の「ヤンキー母校に帰る」の生徒役以来という事で、ドラマ主演がメンバーで1人遅かったこの感じは「いいひと。」の頃のSMAP草gに通じるものがあった。ドラマの優しい雰囲気に合った寸分の狂いも無い王道良メロポップス。
★★★★☆
9thアルバム『僕の見ている風景』C/W 時計じかけのアンブレラ
作詞:Sean-D、Rap詞:櫻井翔、作曲:Fredrik Hult・Robin Fredriksson・Mattias Larsson、編曲:Hisashi Nawata・Fredrik Hult・Robin Fredriksson・Mattias Larsson
ドラマ「0号室の客」主題歌。10月〜翌年3月まで放送された深夜ドラマで1ヵ月、3〜4話で主人公が変わっていくジャニーズドラマ。嵐からは大野が1作目に主演した。年明け以降は主題歌がTOKIOに代わっているが、TOKIOもC/Wで済ませている。バンドネオンっぽい音が鳴り響きタンゴ風の空気を醸し出しつつも電子音主体の不思議な感触のダンスナンバー。良メロアイドルポップス連発の中で、かなり攻めた印象の1曲だ。サクラップも久々にこの世界観の中で少し尖って聞こえる。
★★★☆☆
一般発売アルバム未収録
通販限定裏ベスト『ウラ嵐マニア』通常盤のみC/W スーパーフレッシュ
作詞:Shigeo・Shun、作編曲:Shigeo
年末年始を思わせるハッピーな楽曲。あまり盛り上がりの少ないトラックに、さほど盛り上がらない低めのボーカルパートが続くというかなり淡々とした印象の楽曲。歌詞やタイトルから受ける派手な印象とはある意味対局のクールさだ。
★★★☆☆
一般発売アルバム未収録
通販限定裏ベスト『ウラ嵐マニア』ジャケ写はこちら