the end of genesis
T.M.R.evolution turbo type D
シングルレビュー
T.M.Revolutionを突如封印宣言した99年春。立て続けに新プロジェクトとしてこの異常に長いユニットがスタートした。1年間の活動でシングル3枚、アルバム1枚を残して、封印解除となった。この分かりにくい展開でかなり人気を下げたのも確かだが、今にしてみればイロモノ的要素が強くなりすぎていたT.M.Rを1度リセットする意味でも必要だったのかも。なおT.M.Rの時はあくまで西川貴教1人だけが前に出ていたが、この名義の時は作曲編曲プロデュースを手がけていた浅倉大介も前面に出てきており、2人で活動していた。楽曲的にも組曲のような構成で、やたらとインストが多かったりもした。特にアルバム『Suite Season』は9曲しか入ってなくて、シングル3曲と歌入り新曲2曲以外の残り4曲はインストという収録時間はミニアルバムレベルの30分。これで3059円という通常料金だったのが(内容はともかく)ちょっと酷かった…。ファンの間でも不評でこのアルバムはシングル3枚よりも売れなかった。
それでも3曲を一気に聴く唯一の手段『Suite Season』
1st 陽炎-KAHEROH-
99年6月23日
15万枚限定生産。ピークを越えて人気下落気味だったとはいえ当時最低でも30万は軽かったT.M.Rファンを一気にふるい落とした。15万枚は完売したが、中古でもけっこう見かけることも多くそんなにレアではない。曲調がパートごとに変わる組曲のような構成で確かに名前を変えただけのことはあるなという、異色の雰囲気が漂うがヒット曲としては一気に分かりにくくなった感じは否めない。それでも何度も聞いてるとけっこうはまってくる曲だ。通常の数倍は凝ってアレンジを加えていったのではないかと思う。
★★★☆☆
2nd 月虹-GEKKOH-
99年9月22日
2人揃っての活動とはいえ裏ジャケ出演などにとどまっていた浅倉大介が表ジャケットに登場した唯一のシングル。限定ではなかったが17.6万枚とあまり変わらず。それでも3曲中最高売上。ファンの間でも戸惑いが広がり、ミーハーなファンは一気に駆逐されていく中でリリースされたバラード。西川が妙に長髪になってきたりと、見た目も変貌し、もはや完全に別物感が漂う。これまでにないシリアスさで、静かに盛り上がっていく。1度サビ直前の雰囲気まで行っておいて、元に戻るという構成がじらすが、その分サビにたどりつた時の気分が何とも。確かに分かりにくいが名曲に違いは無い。
★★★★☆
3rd 雪幻-winter dust-
99年11月17日
当時唯一借りたシングル。T.M.Rとは違うけど、けっこう雰囲気は『THUNDERBIRD』辺りに近いものがあり、前2枚に比べるとけっこう分かりやすい曲じゃないかなと思う。わりとストレートにサビまで行くし、曲調がパートごとに変わったりもしない。雪がしんしんと降り注ぐというよりかはちょっと降りすぎて(吹雪ではないけど)前が見えないくらいドバ〜ッと降っているようなイメージの壮大なバラード。圧倒的な歌唱力で聞かせる。T.M.R含めてもけっこう好きな曲の1つ。個人的にはT.M.Revolutionを続けるなら、アニメに合わせたアップテンポ連発ではなく、こういう派手バラード路線をもっとやって欲しかった。
★★★★★