FLIGHT RECORDER 1989-1992 -LITTLE WING-

リリースデータ

メンバー

LINDBERG初のベストアルバム。シングル「さよならBeautiful Days」（先行シングル）、「Magical Dreamer」（C/W共々シングルカット）に続く3週連続リリースの最後を飾った。「さよなら Beautiful Days」は今作がアルバム初収録となり、LINDBERG史上唯一オリジナルアルバム未収録のシングルA面曲となった。『LINDBERG�W』までのJAPAN RECORDS時代の楽曲は全てリテイクされている。PUBLIC IMAGEに異動後の4曲は多少のミックス変更にとどまっている。初回盤のみ8センチシングルで新曲のクリスマスソング「ひとつだけのMerry Christmas」が付属。ブックレットにはメンバー1人1人のコメントや細かいバイオグラフィー、ディスコグラフィーが掲載されている。売上は4th、5thを下回り3番ヒットとなった。

12月4日には今作のカラオケアルバム『VOICELESS RECORDER 1989-1992』もリリースされている。これは男性陣によるコーラスパートは残され渡瀬マキのボーカルを抜いたカラオケ。公式に出ているカラオケアルバムはこれのみ。

今作最大のポイントは初期楽曲をライブを意識したアレンジで再録音した事だった。初期には初期の良さがあったがどの曲もサウンド面では大幅にパワーアップしている。それ以外の曲もリミックスでオリジナルとは多少感触が異なって聞こえる。「I MISS YOU」は変わってないっぽいけど、「恋をしようよ Yeah! Yeah!」はミックス変更、「さよなら Beautiful Days」はシングルではアウトロでの1度フェードアウトから再度フェードインしてくる処理が無くなっている、「Over The Top」はボーカルテイクのみ変えているという違いがある(たぶん)。編曲表記が消え去っているが、サウンドプロデューサーとして2ndアルバムのメインアレンジャーで他には1stと『EXTRA FLIGHT』に参加していた佐藤宣彦がクレジットされているので佐藤宣彦がリテイクのアレンジに関与しているのだろうか。

実際にはJAPAN RECORDSからPUBLIC IMAGEへレーベル内移動した際の権利問題による大人の事情により再録音が必要になったと思われるが、既存音源を並べただけでないのでかなり手を入れた丁寧なベスト盤といえる。メンバーコメントやバイオグラフィーまで載ってるベスト盤って今作だけだし。しかし権利の問題は後々まで尾を引いていて『LINDBERG�W』までの楽曲は今作でリテイクされた音源しか収録されないという状況になってしまう。このため今作から外された初期楽曲はテイチクのベスト盤に選ばれもしない上に、このリテイク音源をリマスターしてのベスト収録が98年以降に散々行われた事で、今作の価値はほとんど無くなってしまった。今作のリテイク音源で1度も他のベスト盤に収録されなかったのは「CRAZY DIAMOND」のみ。リテイク以外の4曲を除くと初回盤の「ひとつだけのMerry Christmas」だけが今作のみの収録曲となる。「CRAZY DIAMOND」はリテイクの中で最もアレンジが変わっているとはいえ、今作だけで聞ける音源が少ないため、わざわざ入口として今作を選ぶ必要性はあまり無い。しかしあくまでこの時点でのベスト盤としては選曲・曲順ともにバランスが良く、メンバーコメントやバイオグラフィーなどの丁寧なつくりにも好感が持ててかなりいいベスト盤だと思う。

初回盤　　　通常盤　　　　『VOICELESS RECORDER』

印象度★★★★☆

2020.5.18修正

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