LINDBERG]
No | タイトル | 作詞 | 作曲 | 編曲 | 備考 |
1 | Monkey Girlの逆襲 | 渡瀬マキ | 川添智久 | LINDBERG/神長弘一/月光恵亮 | |
2 | Sugar free | 渡瀬マキ | 平川達也 | LINDBERG/神長弘一/月光恵亮 | 29thシングル 最高20位 売上3.6万枚 |
3 | YAH! YAH! YAH! | 渡瀬マキ | 平川達也 | LINDBERG/神長弘一/月光恵亮 | 27thシングル 最高15位 売上7.9万枚 |
4 | あなたの気持ち | 渡瀬マキ | 平川達也 | LINDBERG/神長弘一/月光恵亮 | |
5 | 水色の夏 | 渡瀬マキ | 小柳昌法 | LINDBERG/神長弘一/月光恵亮 | |
6 | Love is too late | 渡瀬マキ | 小柳昌法 | LINDBERG/神長弘一/月光恵亮 | |
7 | ゆめ | 渡瀬マキ | 小柳昌法 | LINDBERG/神長弘一/月光恵亮 | |
8 | ドーンとCry | 渡瀬マキ | 川添智久 | LINDBERG/神長弘一/月光恵亮 | |
9 | 明日は明日の風が吹く | 渡瀬マキ | 川添智久 | LINDBERG/神長弘一/月光恵亮 | 28thシングル 最高15位 売上4.7万枚 |
10 | 懲りない恋 | 渡瀬マキ | 川添智久 | LINDBERG/神長弘一/月光恵亮 | 29thシングルC/W |
11 | velvet | 渡瀬マキ | 平川達也 | LINDBERG/神長弘一/月光恵亮 | |
12 | 悲しきTUFF-MAN | 渡瀬マキ | 平川達也 | LINDBERG/神長弘一/月光恵亮 |
リリースデータ
1997年6月18日 | 初登場4位 | 売上12.7万枚 | Produced by 月光恵亮 | テイチク |
メンバー
Vocal | 渡瀬マキ |
Guitar | 平川達也 |
Bass | 川添智久 |
Drums | 小柳“CHERRY”昌法 |
LINDBERG10thアルバム。97年は前半にリリースを固めて2月に「YAH! YAH! YAH!」、4月〜6月に「明日は明日の風が吹く」、「Sugar free」、今作と3ヶ月連続リリースを決行した。前年には人気が回復していたが、97年に入ってからの3シングルは全てトップ10入りを逃して低迷、これらが最後のトップ20ヒットとなった。今作はトップ10入りを果たしたものの売上は暴落し、オリジナルアルバムでは今作が最後のトップ10入りとなった。プロデューサーの月光恵亮はこれまで編曲では井上龍仁のペンネームで参加していたが今作以降はそのまま月光恵亮名義でアレンジに参加するようになった。またサポートキーボードの佐藤ダーリン達也はライブではサポートメンバーとして参加していたがレコーディングにおいては『EXTRA FLIGHT』以来の参加となった。今作のパッケージはスリーブケース、ブックレット、裏表紙、封入のツアー告知のチラシに至るまでプラケース以外の全てのCD中央と同じ位置に丸い穴が開いた仕様となっている。
今作リリース後は3ヵ月の全国ツアーを行い、その最終地点は日本武道館だったが、急速な人気の落ち込みにより、解散前の武道館クラスでのライブはこれが最後となった(09年の再結成で12年ぶりに日本武道館公演を行った)。またこのツアーの終了後、10月に渡瀬マキと平川達也が結婚した。
迷走と人気急失速を象徴する1作にしてかわいらしい声でおふざけ気味の歌詞をにぎやかで楽し気なロックサウンドに乗せて歌うというパーティーロック路線極まる1作。割とバンドサウンドにはガツンとした勢いがあるため全体に落ち着かせる方向性だった『Z』や『[』に比べるとかなり勢い自体は感じられる。しかしかつてのようなカッコいいロックバンドとしてのLINDBERGはほとんど聞く事ができない。「Sugar free」なんかはかなりヘビーなロックサウンドをやっており、演奏だけ聞くとシングルの中でも最も音が重いんじゃないかというくらいカッコいいんだけど、そこに乗っかっている歌詞はフラれて過食して太ってしまったOL視点というふざけまくりの代物で台無しになり、かなりの珍曲になってしまった。結婚を控えていた渡瀬マキは浮かれすぎてちょっとハイになってしまっていたのか、特に歌詞の面では恋愛一直線ではじけまくっている(失恋の曲もありしっとりした曲もあるが勢いのある曲の方が今作は多い)ので特にひたむきな応援歌路線で励まされてきたリスナーにとってはけっこうツライ。サウンド面ではかなり勢いで押していてけっこう楽しめるだけにもう少し歌詞に締まりがあればなぁ…と思う。
結局今作以降人気は壊滅してしまうが、このノリは確かに初期からのファンにはキツかっただろうなと思う。それこそ完全に見切りをつけたくなるレベルで。特にシングルになった3曲は決定打といえる破壊力があり、シングル3曲でこんなんばかりか…と期待せずに聞けば思っていたよりは良かった…となるけど、どっちみち『W』の頃LINDBERGに励まされていた10代も社会人になり現実に揉まれていたような頃に、そんな彼らを励ますような大人の苦みや深みとは真逆のお気楽なおふざけノリというのはついていけなくなって当然だろう。
ただここまで底抜けにお気楽で明るいアルバムは他に無い。早い段階で聞いて良さを感じられるアルバムではないと思うけど、楽しさにおいては最高峰なのも確かで、やるにしてももう少しこうシングル選びとかバランスとか慎重に吟味すればもう少し何か違っていたかもしれない。
印象度★★★☆☆
2020.7.31修正