LINDBERG]U
No | タイトル | 作詞 | 作曲 | 編曲 | 備考 |
1 | 花 | 渡瀬マキ | 小柳昌法 | LINDBERG/前野知常 | |
2 | 君は知らない | 渡瀬マキ | 平川達也 | LINDBERG/前野知常 | |
3 | Anyway you want | 渡瀬マキ | 川添智久 | LINDBERG/前野知常 | |
4 | 願いがかなうように | 渡瀬マキ | 川添智久 | LINDBERG/前野知常 | 31thシングル 最高40位 売上0.9万枚 |
5 | 自転車に初めて乗れた日 | 渡瀬マキ | 平川達也 | LINDBERG/前野知常 | |
6 | アタシは磨けば光るダイアモンドなのに | 渡瀬マキ | 平川達也 | LINDBERG/前野知常 | |
7 | Brand new day | 渡瀬マキ | 平川達也 | LINDBERG/前野知常 | |
8 | いちばん大事なもの | 渡瀬マキ | 川添智久 | LINDBERG/前野知常 | |
9 | 東京ライフ | 渡瀬マキ | 小柳昌法 | LINDBERG/前野知常 | |
10 | この街で | 渡瀬マキ | 小柳昌法 | LINDBERG/前野知常 | |
11 | 青い時計 | 渡瀬マキ | 川添智久 | LINDBERG/前野知常 |
リリースデータ
1999年12月16日 | 初登場55位 | 売上0.6万枚 | Produced by LINDBERG | テイチク |
メンバー
Vocal | 渡瀬マキ |
Guitar | 平川達也 |
Bass | 川添智久 |
Drums | 小柳“CHERRY”昌法 |
LINDBERG12thアルバム。ベスト2作を挟んで1年9ヵ月ぶりのオリジナルアルバム。10月リリースの先行シングル「願いがかなうように」を収録。渡瀬マキが第一子妊娠中の作品制作となり、出産直前に先行シングル「願いがかなうように」、11月に長男を出産した直後に今作が発売された。このため作品リリースのみで99年はライブ活動は休止した。これに伴うプロモーション不足もあったのか、シングルは一気に1万割れの大不振となっていたが、今作はいきなりトップ50落ちしてシングルすら下回る大暴落となった。結果的にテイチクでの新作リリースは今作が最後となった。この移籍の関係で全てのベスト盤における選曲対象も今作までとなっている(今作からは「願いがかなうように」と「花」しか選曲された事ないけど)。
デビュー以来のプロデューサーだった月光恵亮を離れて今作が初のセルフプロデュースとなった。過去にキーボードのサポートメンバーとしてレコーディングにも何度か参加していた前野知常が共同アレンジャーとしては初参加。キーボードとプログラミングを担当している。またライブのサポートキーボードである佐藤達也も3,5,7,9でキーボードで参加している。
セルフプロデュースへ移行という大きな転換点を迎えているが(あと渡瀬マキも30代に突入)、作風としては前作の延長にあり、前作以上に原点回帰してストレートなロックサウンドが炸裂。この辺りは人気激減などもあって予算的な縮小もあったのかもしれないし、そもそも渡瀬マキの妊娠であまり無理ができないのもあったのかもしれないが、今作はおふざけも無く、かなりスマートかつストレートにバンドサウンドを強調していて統一感のあるロックアルバムになった。
今作ではさらに夢や人生をテーマにした曲が増え、最も初期を髣髴とさせる内容になっているのが嬉しい。個人的にはかなり好きな作品。まさに初期LINDBERGの進化系が今作であり、まだもう少し売れている間にこの路線に早く回帰していればここまで人気を落とさずに済んだんじゃないかと思う。さすがにあの頃のようながむしゃらでひたむきな勢いはないし、今更応援歌路線に戻っても…というリスナーも当時多かったようだ。初期の頃のような中高生向けというよりかは"今もなお夢を追い続けている人へ"みたいなそういう深みはあるんだけど、現実問題としてどうしてもこういった歌詞が刺さる人たちは少数派になってしまう。多くの夢は大人になるにつれてしぼんでいってしまうわけで、今作のポジティブさや前向きさ、前が見えなくてもあきらめないという思いはずっと聞いてきたリスナーにはいい年していつまでも何を言っているんだ?と冷めた目で見られてしまったりして残っていたファンにもなかなか伝わらなかったんじゃないかと思う。後追いでまだ学生の頃に聞いた時は単純にストレートでいいなと思っただけだったんだけど、当時の渡瀬マキとほぼ同年代になって、まだあきらめないという歌詞を書けるというのは実は凄い事だし、強さだなとも感じた。逆にもう少し後だったら往年のリスナーもある程度落ち着いてきてまた少し響いて聞こえたかもしれないし、この超速低迷に至る流れに関してはあらゆる面で終始タイミングが悪かったとしか言いようがないが、後期LINDBERGでの最高傑作は今作だと思う。
印象度★★★★☆
2020.9.6修正