藍染めの週末(初回盤)
No | タイトル | 作詞 | 作曲 | 編曲 | 備考 |
1 | 風の斬り方 | 太志 | 太志 | 太志 | |
2 | long slow distance | 太志 | 太志 | 長谷川大介 | 3rd配信シングル 初CD化 |
3 | 置き去りの鉛筆 | 太志 | 太志 | 長谷川大介 | |
4 | 501 with oneself | 太志 | 太志 | 臼井ミトン | |
5 | 太陽と土と花水木 | 太志 | 太志 | 太志 | |
6 | スクールカースト〜底から見た光〜 | 太志 | 太志 | 長谷川大介 | 4th配信シングル 初CD化 |
リリースデータ
2021年11月24日 | 初登場58位 | 売上0.14万枚 | ビクター |
Little Parade2ndミニアルバム。2021年2作目で前作から10ヶ月ぶり。前作を踏襲しての6曲入りで前作以降の2配信シングルを収録。公式サイトの説明では音楽担当の太志、アート担当のMakoto Tonoの2人組ユニットとされ、前作ではイラストをMakoto Tonoが担当し、初回盤の絵本も全面担当していたが、今作ではイラスト未使用でMakoto Tonoが一切関わっている形跡が無く、アートワークは写真メインとなっている(Art Direction&Designも藤田二郎)。初回盤はエッセイ「ほんとうのこと」封入、スリーブケース仕様。
前作はギターの演奏クレジットが無かったりとクレジットが良く分からない事になっていたが今作は1曲ごとに歌詞と一緒に全演奏メンバーと録音ミックスエンジニアも掲載されていてしっかりした表記となった。これによると太志と臼井ミトンのアレンジした曲はギター、ベース、ドラムのサポートを1人ずつちゃんと招いての生バンド編成を基本にして「501 with oneself」ではトランペットとテナーサックスの奏者も呼んでいるが、元Aqua Timezメンバーの長谷川大介がアレンジした曲は基本的に1人オケ制作でギターベースは演奏してそれ以外はall other instruments&programmingという表記。「long slow distance」はピアノとストリングスアレンジのメンバーは呼んでいるもののストリングスが打ち込みで処理。さらにこれらの曲では録音ミックスも長谷川大介名義で「置き去りの鉛筆」のミックスのみ本職エンジニア。よって先行配信されていた「スクールカースト〜底から見た光〜」は全演奏と録音ミックス全てが長谷川大介1人で作られていてそこに太志のボーカルが乗っているという…。単にギタリストでアレンジも出来るだけでなく、エンジニア業までいつの間にか習得していたのか…というか最低1人で曲を仕上げるくらいまでは出来ないと今時サポートギターだけで作詞作曲もしてなかったバンドメンバーが解散後に生き残るのは難しいんだろうな…。生音バンドメンバー起用している臼井ミトンも録音ミックスは1人でやっているし…。
とはいえ生バンド編成とほぼ1人オケ制作でそこまで露骨な差があるわけでもなく、全曲バンドサウンド。前作に続いて総じてAqua Timezよりもサウンドは控えめではあるがロック系もあるし、「501 with oneself」でのジャズ調など新たな方向性も少し見せつつ、それでも大枠でAqua Timezの延長のような太志らしい繊細で暖かい楽曲が並んでいる太志らしい安定の1作といったところ。この点において裏切らないというか、リスナーに合わせているのではなく、基本的に太志はこういう人でそれが素直に出ている感じというか。そんなわけでAqua Timezの楽曲の暖かみに良さを感じていたなら今作も期待通りではある…が、それ以上ではないのも正直なところでもある。
初回盤はエッセイ「ほんとうのこと」が付属するだけで3850円と価格が跳ね上がるが、実際にはよくある20P程度のミニフォトブックみたいな冊子。本来フルアルバムに初回盤DVD/Blu-ray付属がスリーブ仕様でさらにおまけでついているくらいが相場だと思う。6曲ミニアルバムに20Pちょいの冊子でこの価格はかなり強気であり、率直にかなり割高である。
エッセイは思ったよりもまとまりがなく、ある程度書くことを決めつつも思うがままにけっこうつらつらと自由に書かれている感じ。詩というほどではないがやや詩に近いような書き方をしている部分もある。インタビューでも語っているように今もCDを買って手に取るようなコアなファン向けだけに書き下ろしたような感じだし、実際購入した1500人弱程度しか目にしないと考えればそんなにきっちりと出版する本のようには整える必要も無いか。これまで語られなかった内面や過去の話も書かれているが、そんなに意外ではないというか、これまでの歌詞の内容や発言からすれば大いに納得というか。そういった想いや経験を重ねてきたから今もこういう歌詞が書けるし、続けられているんだろうなという事が改めて確認できたという感覚に近い。
しかし2作目にして早くもアート担当のMakoto Tonoが一切今作に関わっている様子が無い(氏のイラストが皆無)というのはどういうことなのか…。毎回イラストが載るわけではなく、参加しないこともあるというゆるっとした関係性なのだろうか。そこまで明確にユニット色を打ち出すつもりがないなら誰だか分からないようなユニット名よりも普通にソロの太志名義、もしくは長谷川大介のようにフルネームのソロミュージシャンとして活動した方が分かりやすいような…。
印象度★★★☆☆
2021.12.11更新