ALL TIME SUPER BEST

No タイトル 作詞 作曲 備考
1 白い声 小高芳太朗 小高芳太朗 2ndシングル 最高50位 売上0.8万枚、1stアルバム『地図』収録曲
2 プリズム 小高芳太朗 小高芳太朗 3rdシングル 最高64位 売上0.3万枚、1stアルバム『地図』収録曲
3 体温 小高芳太朗 小高芳太朗 5thシングル 最高84位 売上0.3万枚、2ndアルバム『月と手のひら』収録曲
4 プルケリマ 小高芳太朗 小高芳太朗 2ndミニアルバム『プルケリマ』収録曲
5 カナリアボックス 小高芳太朗 小高芳太朗 6thシングル 最高79位 売上0.3万枚、3rdアルバム『LUNKHEAD』収録曲
6 すべて 小高芳太朗 小高芳太朗 7thシングル 最高67位 売上0.2万枚、3rdアルバム『LUNKHEAD』収録曲
7 夏の匂い 小高芳太朗 小高芳太朗 8thシングル 最高45位 売上0.6万枚、4thアルバム『FORCE』収録曲
8 桜日和 小高芳太朗 小高芳太朗 9thシングル 最高68位 売上0.3万枚、4thアルバム『FORCE』収録曲
9 素晴らしい世界 小高芳太朗 小高芳太朗 11thシングル 最高49位 売上0.2万枚、5thアルバム『孵化』収録曲
10 スモールワールド 小高芳太朗 小高芳太朗 6thアルバム『AT0M』収録曲
11 WORLD IS MINE 石川龍 石川龍 3rdミニアルバム『V0X』収録曲
12 シンドローム 小高芳太朗 小高芳太朗 12thシングル(タワレコ限定) 最高43位 売上0.1万枚、7thアルバム『[vivo]』収録曲
13 果てしなく白に近づきたい青 小高芳太朗 小高芳太朗 13thシングル(タワレコ限定) 最高77位 売上0.08万枚、8thアルバム『青に染まる白』収録曲
14 閃光 小高芳太朗 小高芳太朗 9thアルバム『メメントモリ』収録曲
15 スターマイン 小高芳太朗 小高芳太朗 15thシングル(タワレコ限定) 最高59位 売上0.1万枚、10thアルバム『家』収録曲
16 決戦前夜 小高芳太朗 大隅知宇 17thシングル 最高55位 売上0.1万枚
17 優しくしたい人がいる 小高芳太朗 小高芳太朗 11thアルバム『アリアル』収録曲
18 はじまれ 小高芳太朗 小高芳太朗 4th配信シングル、12thアルバム『plusequal』収録曲

リリースデータ

2019年9月4日 公式通販・Amazon・ライブ会場限定 チャート対象外 Produced by LUNKHEAD
Except 2,4 根岸孝旨
直球レコード

メンバー

Vocal,Guitar 小高芳太朗
Guitars 山下壮
Bass 合田悟
Drums 桜井雄一(12〜18)
Drums 石川龍(1〜11)

LUNKHEAD3rdベストアルバム。公式通販・Amazon・ライブ会場3販路のみでの発売。前2作のベストの続編ではなく1999年の結成から20周年を記念してのオールタイムベストアルバム04年のメジャーデビュー以降から19年の最新作までの全作品から選曲されている。「決戦前夜」がアルバム初収録。当初20周年に向けての計画では1枚では収まりきらないのでSUPER BESTとULTRA BESTの2枚を用意する予定だったが、その前の『plusequal』ツアーの最終日となる恵比寿LIQUIDROOMのチケットが全く売れない事態に陥った事で先の話が全て立ち消えとなりかけ、売れない窮状を告白する小高のブログ更新に至った。以降ファンの奮起でソールドアウトとなった事でかろうじてベストアルバム1枚と20周年ツアーを決定する事ができたとボーカル小高のブログで語られている。白石元久によるリマスター。

販路は3つのみで、Amazonでの販売は直球レコードが直接Amazonに出店して販売しているため、Amazonで購入した場合でもAmazonから配送されるのではなく直球レコードから直接配送される。つまり公式通販で買う場合と同じだが、Amazonでは送料無料設定で販売しているため、送料のかかる公式通販よりも安く購入可能。

3つの販路で特典CDが異なり、Amazon購入ではライブCD『20190719恵比寿LIQUIDROOM ODAKA MIX part1』、公式通販ではライブCD『20190719恵比寿LIQUIDROOM ODAKA MIX part2』、ライブ会場では弾き語りCD『ALL TIME SUPER BEST 小高弾き語りver.』がそれぞれ付属する。

『20190719恵比寿LIQUIDROOM ODAKA MIX part1』『20190719恵比寿LIQUIDROOM ODAKA MIX part2』は先のチケットが売れない窮状を告白したところファンの奮起でソールドアウトとなった2019年7月19日のツアーFINALのライブ音源をボーカル小高が自ら編集(ミックス)したライブCD。当日披露された全24曲が曲順もシャッフルされて1と2に割り振られている。弾き語りCD『ALL TIME SUPER BEST 小高弾き語りver.』は文字通りに今作収録の全18曲を新規録音した小高の弾き語りバージョンで収録したもの。

インディーズでのデビュー作となる1stミニ『影と煙草と僕と青』を除いて1stアルバムから12thアルバムまでミニアルバム2作を含む全てのオリジナルアルバム14枚から最低1曲は選曲されていてオールタイムベストとして偏りのない選曲。前2作のベストで13曲目までが既にまとめられていて被りも多いが(被っていないのは「プリズム」「すべて」「桜日和」の3曲)、ここまでは本当に濃縮して濃縮したような感じ。ただ前2作のベストから先は当時のリード曲やシングルを外した選曲になっていて、いいにはいいんだけどそこまでの無敵っぷりに比べるとやや停滞した感じもしてくる。この時期だとそれこそシングルやリード曲にしていた「シンフォニア」「うちにかえろう」「小さな反逆」辺りを選曲しなかったのは意外だった。その分だけ最後の「はじまれ」の目の覚めっぷりが際立っていてここからまた何かとんでもない事が始まりそうな予感を残して終わるので聞き終えた感触はいい。

LUNKHEADの曲は全体に暗いイメージのものが多い。悲観的というか後ろ向きというか負の感情が渦巻いているものが多いんだけどボーカル小高はそういった負の感情を単に後ろ向きのまま終わらせずに、がむしゃらなまでの前向きさを持たせて負の感情をバネにして前へと突き進んでいこうとするような思いを曲にぶつけてくる。だからこそより強く響く曲が多い。バンドの変遷の中では初期から中期にかけてはどんどん明るく売れ線になっていく勢いがあり、「プルケリマ」や「カナリアボックス」で一気に開けていって「夏の匂い」「桜日和」での売れようという明確な意志でもってポップ路線へ行こうとしている感じと間に挟まれた「すべて」でのそういった状況下での葛藤のような爆発っぷり、そして結局あまり売れることなく、独自の道を進化していく「素晴らしい世界」から「果てしなく白に近づきたい青」までの流れは圧巻。石川脱退、桜井加入というドラマーの交代もあったが、「果てしなく白に近づきたい青」の時期までのバンドの充実ぶりは1つの到達点でピークだったように個人的に思う。そこから少し停滞した感じが続いていたが、最新作ではまた持ち直してきた感もある。これがすべてではないがそんなバンドの歴史をギリギリでアルバム1枚にまとめ上げた今作は確かにALL TIME SUPER BESTであり、最良の入り口として機能する1作なんじゃないかと思う。

リマスターに関してはけっこうこだわったような事も言っていたが、『[vivo]』からは前ベストも含めてずっと白石元久がマスタリングだったと思うので後半の曲の印象はそんなに変わらない。初期は違う人だったのと年数の経過もあって、初期の曲ほど少し新鮮に聞こえるような感じはある。ベースラインが当時よりも持ち上がって聞こえる…ような…(曖昧)。

特典CDに関してはAmazon・公式通販で2枚購入し、ライブ音源は全曲聞いた熱いライブの迫力が伝わるいいライブCDではあったけど、バンドが一体となっているというよりはややボーカルが前に浮き出ているような印象はあった。これはもう少しボーカルと演奏を一体とさせようとすると逆にボーカルが埋もれて聞こえてしまうだろうから非常にバランスを取るのが難しいところで、本職エンジニアでないボーカリストがミックスしたという特徴が少し出たのかなという印象も。

B07VB73JS3

印象度★★★★★

2019.11.3更新

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