リノセント

No タイトル 作詞 作曲 備考
1 下北沢 小高芳太朗 小高芳太朗  
2 繋ぐ 小高芳太朗 小高芳太朗  
3 スパイス 小高芳太朗 小高芳太朗  
4 ふわり 小高芳太朗 小高芳太朗  
5 ざわついて、いる 小高芳太朗 小高芳太朗  
6 小高芳太朗 小高芳太朗  
7 スポットライト 山下壮 山下壮  
8 コタン 小高芳太朗 小高芳太朗  
9 ナハトムジーク 小高芳太朗 小高芳太朗 22/2/7配信シングル
10 サンクチュアリ 小高芳太朗 小高芳太朗  

リリースデータ

2022年7月30日(配信限定)
2022年9月10日(公式通販・ライブ会場限定CD)
配信限定
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初登場48位
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売上0.01万DL
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Produced by LUNKHEAD LUNKHEAD RECORDS

メンバー

Vocal,Guitar 小高芳太朗
Guitars 山下壮
Bass 合田悟
Drums 桜井雄一

LUNKHEAD13thアルバム。前作から3年3ヵ月ぶり。2020年に事務所直球レコードを離脱して独立以降初のアルバム。直球レコード離脱直前にリリースしていたシングル「アス」は未収録(AmazonでのCD販売は終了し、新公式通販で引き続きCD販売を継続していたが、2022年になって配信でも発売されている)。2月にリリースした配信シングル「ナハトムジーク」を収録。当初配信限定でCD販売は無いとしていたが、8月19日に要望が多かったとして9月10日からのツアー会場及び9月11日から公式通販限定でCD販売を行うと発表された。

「ナハトムジーク」はハイレゾでもリリースされたが今作は圧縮とCD相当のみ。このためAppleやAmazonのロスレス・ハイレゾ対応のストリーミングサイトではCD相当(16bit/44.1kHz)で配信されている。一般のDLサイトでは圧縮音源だが、OTOTOYではCD相当(16bit/44.1kHz)のロスレス音源でも購入可能(FLAC,WAV,ALAC,aacを同価格で選択可能)。通常DLはmoraを利用しているが、この場合だとDL購入が圧縮音源、Amazon MusicでのストリーミングはHD音源(CD相当)となってしまうため、OTOTOYでのFLAC音源をDL購入し、その後CD発売でCDも購入する事となった。

なおAmazon Musicには同じタイトルの曲が他のシングルやアルバムの別音源に勝手に置き換えられてしまうという特有の不具合(?)が散見され、今作においては明らかに「ナハトムジーク」がシングル音源に勝手に差し替えられてしまっており、今作をAmazon Musicで再生するとシングル配信時に異様に音が小さかった「ナハトムジーク」だけ異様に音が小さいという音量落差が発生する(DLやCDでは「ナハトムジーク」もマスタリングし直されていて他の曲と差が無い音量になっている)。

リリースコメント以外にボーカル小高のブログフルアルバムへのこだわりが書かれている。新作まで時間がかかったのも仕方ないところだ。ただこの3年間でアレンジしてないデモ段階にしてもある程度曲を書き進めていて曲があるのでフルアルバムを出そうというなら自然だが、ミニアルバム程度の曲数しかデモ含めて無いような状況で絶対フルアルバムだと意気込んで追い込んで一気に書き下ろしてようやく10曲揃えた…と語っていてこれがどうも…正直あまり練りこまれていない気がしてしまう。衝動が練りこみを凌駕する事は多々あるし、LUNKHEADは衝動に長けたバンドでもあるとは思うけど、それでも若い時の圧倒的な衝動1発な勢いはやはり年齢と共に無くなるのは受け止めなきゃならない部分でもあるし、何よりこの絶望的な現状が背景にある。これまでとは危機のレベルが異なり、いい曲を書いていいライブをして頑張っても規制だらけのライブ会場に以前の客がフルキャパで戻ってくるわけではない。

正直1曲1曲を練りこんでミニアルバムの方が良かったのではないか…とは思ってしまった。ここでこだわりを貫いてしまうところもらしいといえばらしいのでそういうところも含めてLUNKHEADの良さなんだなとは思うが…。歌詞カードが無い配信限定でのフルアルバムというところではやはりどうなんだろうというのはあって配信ではイマヒトツピンと来なかった。その後CDで歌詞カードもある状態で聞くとやはり言葉の力はLUNKHEADにおいて重要な要素であり、聞こえる言葉としてだけでなく、文字として言葉を見ながら聞く事でもだいぶ印象が変わるなと改めて感じられた。現状を反映しつつも暗く終わるのではなく前向きな言葉が並んでおり、楽曲自体も比較的ポップなものが多いので非常に聞きやすいアルバムではある。ただ状況的にポップな雰囲気の中に空元気っぽさがどうしても漂う。

先日GOINGが現状を語ってWeb記事化されヤフーニュースにもなった『音楽と人』の記事。この号が気になって購入していたんだけど実は小高芳太朗単独インタビューも掲載されていてやはり現実問題と今作についてを語っていた。そちらはやや愚痴っぽくなってしまっており、ライブ動員がどうにもならない現状終わってたまるかという後ろ向きと前向きな相反する感情を赤裸々に語り例えば対バンする体力もないという小高氏に対してライターがそれでもやらないと広がっていかないじゃんと真っ向から突っ込んだり、気持ちは前向きだが空回りする現状にウンザリしてしまうと明かす小高に対して冗談でアコムで借りてこいと言うライター、それは1番ダメな奴だと小高が返すと理想論だけでもダメだけどうんざりするくらいなら現実にしようと行動しないとダメだと指摘したり、LUNKEHADと小高のイジケぐせは良いところでもあると指摘しながらも現状でそれでは負け犬の遠吠えにしか聞こえなくなるとけっこう踏み込んだ指摘をされていてしまって正直ちょっと読んでてしんどくなった。ライターもちょっと呆れてしまっているまでは行かないけど要約するとそんなこと言ったってとにかく動かないとダメじゃないかと指摘するライターとあれもこれもダメだでも気持ちはあきらめていないという小高氏の相反する感情が渦巻くどん詰まりなインタビューなのである。厳しいながらどうにかやってきた中でのこの現状では折れていないだけでも凄いし、愚痴りたくるなるのも真っ当な感情だとは思うんだけど…やはり今作がどこか普通に良い以上の印象にまで刺さってこないのはそういった複雑な感情を無理やり覆い隠すようにポップで前向きな方向に持っていったところにどこか無理が生じているからなのかもしれない。

アルバムが配信限定という衝撃からのツアーに間に合うようにやっぱりCD売ります…というのもマジで要望もほとんど無ければ配信限定のままだったのかもしれないが、残った熱心なファンはシングルならまだしもアルバムまで配信限定というのはさすがにちょっと待ってくれという感じにはなるだろうというのは想像がつくし、しかし厳しい状況の中だけに配信限定と言ってから、多少でもDLを稼いでからの時間差CD化にすることで2度集金を想定していなかったか?と言えばどうなんだろう…というところはある。けっこうきっちりしたスピード感でCD化しているし、配信直後からの1ヶ月強の間にCDプレス準備とCDプレス業者への委託に奮闘したにしてもブックレット写真も普段より多いくらいでばっちりキメて撮影されていて急遽慌ててCD化が決定したというよりは最初からCD化要望が来ることを期待してこうなるのを見越していたような感じもしなくもない。結果今作にDL/CDで2度支払う事になってしまったがライブに行く事もTシャツを買って売上に貢献する事も個人的に無いのでそのくらいはお布施として個人的には問題なかった。

B0B66PW85Z一般発売は配信限定 公式通販

印象度★★★☆☆

2022.10.29更新

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