Believer
No | タイトル | 作詞 | 作曲 | 作詞 | 備考 |
1 | Introduction〜Believer's Theme〜 | 槇原敬之 | 槇原敬之 | 槇原敬之 | |
2 | 一歩一会(Renewed) | 槇原敬之 | 槇原敬之 | 槇原敬之 | 47thシングルC/W |
3 | 不器用な青春時代 | 槇原敬之 | 槇原敬之 | 槇原敬之 | |
4 | Souvenir〜思い出〜 | 槇原敬之 | 槇原敬之 | 槇原敬之 | |
5 | 運命の人 | 槇原敬之 | 槇原敬之 | 槇原敬之 | |
6 | テレビでも見ようよ | 槇原敬之 | 槇原敬之 | 槇原敬之 | |
7 | 5 minutes(Renewed) | 槇原敬之 | 槇原敬之 | 槇原敬之 | 46thシングルC/W |
8 | You are what you eat. | 槇原敬之 | 槇原敬之 | 槇原敬之 | |
9 | A HAPPY NEW YEAR | 松任谷由実 | 松任谷由実 | トオミヨウ | 松任谷由実のカバー |
10 | 信じようが信じまいが | 槇原敬之 | 槇原敬之 | 槇原敬之 | |
11 | 理由 | 槇原敬之 | 槇原敬之 | 槇原敬之 | 47thシングル 最高48位 売上0.3万枚 |
12 | 超えろ。(Renewed) | 槇原敬之 | 槇原敬之 | 槇原敬之 | 46thシングル 最高27位 売上0.4万枚 |
13 | もしも | 槇原敬之 | 槇原敬之 | 槇原敬之 |
リリースデータ
2016年12月14日 | 初登場5位 | 売上2.9万枚 | Produced by 槇原敬之 | Buppu |
槇原敬之21stアルバム。前作から1年9ヵ月ぶり。前作以降の2シングルをC/Wまで4曲全て収録。このうち「理由」以外の3曲は一部の音が追加されるなどしてRenewedとされている。「A HAPPY NEW YEAR」は松任谷由実のカバー。この曲のみカバーアルバム『Listen To The Music 3』に続いてトオミヨウがアレンジを担当している。それ以外は基本的にオケの全てを槇原敬之が担当し、サポートメンバーはギターを佐橋佳幸、石成正人のどちらかが演奏しているのみとなる。第3章の幕開けと銘打たれたて発表された。制作途中の7月にTwitterにてこのような発言をしていたが、アルバム発売告知時に改めての明確な説明がされなかった。初回盤はシングル2曲のMVを収録したDVD付。
発売の随分前の7月にTwitterでは区切りを発言していたようだが(ただし見て分かるように「Such
a Lovely Place」と「Cicada」が飛ばされている)突如第3章の幕開けとだけ明かされても何が何だかだが、いわゆる"事件前"はラブソングを歌うシンガーというイメージで、"事件後"は人としての真理を説いた曲を連発。当初は事件や生活の中での気づきや自身への戒めを歌っていたはずが徐々に説教ソングみたいになってきたが20周年ベストの時に大々的に「ライフソング」と称してラブとライフを区分。このためラブソングを歌っていた90年代を第1章、ライフソングを歌っていた00年代以降を第2章として、今作から第3章、という解釈が一般的かと思われる。
今作には愛を歌った曲も真理を歌った曲もいずれにも属するまたは属さないような日々の生活の中から生まれる感情を歌った曲まで自然体に色々入っている。ラブソング、ライフソングを区別して1章2章とするならすべてが融合した第3章と捉えることが可能でそれなら確かに納得。とはいえ第3章を宣言せずとも近年の作品では一時期全くと言っていいほど歌わなくなっていたラブソングも歌うようになってきていたし、ライフソングにしてもメロディーに乗せてひたすら真理を説明したり場合によっては正義を押し付けてくるような事も減ってもう少し柔らかくなっていたので、章を改めるほどの区切りが前作と今作の間にあるのかは疑問だったりもする。むしろそれまで単に事件後に作風が変わったという程度だったのを20周年ベストでラブとライフを明確にカテゴライズしてしまったがゆえにその2軸のどっちかでしか捉えられなくなってしまい、本人がそのカテゴライズが窮屈になってきてここで第3章を宣言することでラブとライフという分け方を取っ払いたいという事なのかもしれないとも思った。
そんなわけで25周年記念作だった前作も集大成っぽさがあったが、今作はこれまで歌ってきた事全てを踏まえつつ47歳となった現在とこれからへの思いを反映させたような集大成にして今を飾らずに表現したアルバムかなと思う。年齢を重ねた視点、それも成長というより老いを意識していくような雰囲気が随所に見られるし、逆に下の世代へ向けてのメッセージにしても二次元の世界に浸っていた青春時代から現実へ向かっていく事を描いた「不器用な青春時代」など新たな挑戦も。以前も若者への恋愛推奨ソングを歌っていたが、あれが割と年上の立場から単に恋愛を推奨するだけみたいな歌詞だったのに対して、この曲ではより対象を絞ったアニメオタクへの恋愛推奨ソングみたいな印象も一見受けるが、第3者として訴えかけているのではなく、自身の過去を歌っているような歌詞にしている点が以前と異なる。メッセージが直接的過ぎたのはシングルになった2曲くらいだが、シングルだから強めな主張を展開させていたのかも。また今作には犬は出てこないし、唐突な神様も「理由」以外では出てこない。聞きやすい1作だ。
と、これまでを踏まえて変化を探そうとするとそんな感じなんだけど、普通に聞くと近年のいつもの安定感。どの曲も良くてトータルでも好印象だが、過去の名盤に並ぶほどではなく、また特に強く残る1曲というのもなく、近作同様に聞き終えての感触はいいんだけどあまり後で割と印象に残っていないという感じにはなりそう。
印象度★★★☆☆
2017.2.27更新