Heart to Heart
No | タイトル | 作詞 | 作曲 | 編曲 | 備考 |
1 | 二つのハート | 槇原敬之 | 槇原敬之 | 槇原敬之 | |
2 | Jewel In Our Hearts(Japanese Ver.) | 槇原敬之 | 槇原敬之 | 槇原敬之 | ニック・カーター(バックストリート・ボーイズ)提供曲 日本語詞セルフカバー |
3 | 犬はアイスが大好きだ | 槇原敬之 | 槇原敬之 | 槇原敬之 | |
4 | LUNCH TIME WARS | 槇原敬之 | 槇原敬之 | 槇原敬之 | |
5 | 林檎の花 | 槇原敬之 | 槇原敬之 | 槇原敬之 | 41stシングル(サークルKサンクス限定) チャート対象外 |
6 | Appreciation | 槇原敬之 | 槇原敬之 | 槇原敬之 | |
7 | White Lie | 槇原敬之 | 槇原敬之 | 槇原敬之 | |
8 | 風は名前を名乗らずに | 槇原敬之 | 槇原敬之 | 槇原敬之 | |
9 | 軒下のモンスター | 槇原敬之 | 槇原敬之 | 槇原敬之 | |
10 | Remember My Name | 槇原敬之 | 槇原敬之 | 槇原敬之 | 配信限定シングル |
11 | 今日の終わりにありがとうを教えよう | 槇原敬之 | 槇原敬之 | 槇原敬之 |
リリースデータ
2011年7月27日 | 初登場6位 | 売上4.0万枚 | Produced by 槇原敬之 | Buppu |
槇原敬之18thアルバム。エイベックスから離脱して独自のBuppuレーベルを立ち上げてからは初のオリジナルアルバムとなる。Buppuレーベル第1弾シングル「林檎の花」は何故かサークルKサンクス限定、その次は配信限定だったので、全国発売された先行シングルCDは無い。Buppuレーベルの全国流通には97年〜99年に在籍したソニーが協力しているようで、Sony Music Shopではソニーから発売された旧作とBuppuレーベル設立後の作品のみが売られている。初回盤は「林檎の花」「Remember My Name」のPVを収録したDVD付。
独自レーベルになったからといって大きな変化は無い。元々近年はギターやたまの管弦を除くと、打ち込みも全て本人がやっているため制作陣に変化が無いためである(ギターも曲によって最近参加するようになった石成正人と、ほぼ初期からの付き合いである佐橋佳幸が続投している)。人とのつながりを重視したハートフルな曲が並んでいて作風も大きな変化は無い。ただ自主レーベルになった影響なのかけっこうはっきりしたことを書いた曲もある。1つは「軒下のモンスター」で、初めて明確に同性愛を歌っている。以前もそれっぽい曲はあったが、どこか曖昧にぼかされていた。この曲では明確に主人公の「僕」が「好きになる相手がみんなと僕は違うんだと」と歌い、相手は「彼女もできずに結局夏祭りに僕を誘った君」となっている。もう1つは今回は制作途中(新青森駅のキャンペーンCMタイアップだった「林檎の花」発売日)に震災を受けたこともあり、それを意識するような曲もあるが(6,7)、特に「Appreciation」である。これは今まで感謝もせずに当たり前に電気を使っていたくせに、原発事故で一斉に攻撃し始めた大衆の動きを見てそこに一石投じるような内容になっている。一部だけ抜粋するよりも全文見てもらった方が早い。続く「White Lie」でも「今の僕らはどうだろう 散々頼っていたものにさえ 何か起こったとたんに 悪く言ってばかりだ」と歌っているし、インタビューでも改めて真意を語るなどしており、相当言っておきたいことらしい。個人的にはインタビューを見てみたらさらによく分からなくなった。言ってることは確かに「正しいこと」なんだけど…。逆にそれが奥深さという風に思えないのはマッキー自身は盗作だと訴えてきたおじいさん相手に逆訴訟起こして徹底的に叩きのめして逆に謝らせたという、今まで散々歌っていた事とやっている事が180度違うようなことをしているためである。そうなってくるとこの歌詞も「無関係の地に住んでいるセレブがTVで見ただけで聖人ぶっている」ようにも思えてきてしまう。まあライフソング路線になってからは、それはそうだよねと思う事もあれば、それは違うんじゃないかな?と思うような「教訓」や「正しい事」が毎回あるので、今回の主張もそのうちの1つではあるんだけどやっぱり意固地な部分がある人なんだろうなぁと改めて思った。ていうかインタビュー見る限りだともしかしてマッキーってものすごく説明下手な人なのか?そういった問題作(?)的な要素もあるけど、基本はわりと暖かさがあるアルバムである。特に「二つのハート」「林檎の花」「風は名前を名乗らずに」「Remember My Name」辺りのラブソングは美メロなミディアム系で、やはり直接こうあるべきだという主張を並べるよりも結果的に「心と心が繋がっている」ような温もりが感じられて非常に良かった。結局ラブソングの中にライフソングがあるのではないだろうか?
印象度★★★★☆