Best LIFE

リリースデータ

槇原敬之10thベストアルバム。デビュー20周年記念ベストアルバム2枚同時発売でこちらはライフソングをセレクト。移籍が絡んでいないベスト盤は初で、本人が積極的に制作に関与したのも実は初。選曲は自ら行いブックレットでは1曲ごとのエピソードも語っている。4曲を新録音。「遠く遠く」は原曲ではなく、06年にリメイクしたバージョンが収録されている。先行シングル「ムゲンノカナタヘ」はアルバム初収録。「明けない夜が来ることはない」のシングルバージョンもアルバム初収録となる。10年3月には銀色のスペシャルギフトパッケージで再発された。中身に違いは無い。

事件後(00年以降)の曲が大半を占めており、事件前(99年以前)の曲は2曲のみ。ライフソングという言葉を言い出したのは事件後だけに（いわゆる教訓を歌ったものや応援歌的な曲）、実質的に20年のうち後半の10年からのベストセレクションにも近い内容。前半10年と違い、この時期に該当するベスト盤は『Song Book』（『太陽』が該当）と『Completely Recorded』のDISC-2後半のみ（だが今回そこからのセレクトはなし）となっているため、「太陽」「遠く遠く」「どんなときも。」以外は全てベスト盤初収録。しかも後者2曲はリメイク版としては初収録なので「太陽」以外はベスト初収録音源である。選曲は一時期ライブで歌いまくっていた(ライブ盤3作皆勤賞）『天国と地獄へのエレベーター』『I ask.』が無いのは驚き。新録音の4曲はどれもアレンジはけっこう変わっているが、特に『どんなときも。』はほとんどリミックス状態。サビ以外のボーカルをロボットボイスに加工するなどやりたい放題になっている。まあこの曲は最大の代表曲だし、原曲は既に持っているのが前提と考えての大胆な改変か。この曲だけバージョン数が併記されているがversion4とはオリジナル、ballad version、'07に続く4バージョン目という意味と思われる(10.Y.Oはアレンジ自体はそのままでミックス変更だけのため含まれず)。ロボボイス加工は最近少し凝っているのか、『世界に一つだけの花』の最初でも思いっきり加工していたり、他の曲でも一部で使っている箇所がけっこうある気がする。

まあこれまでの散々出ているベスト盤にウンザリしている人や説教臭くなってから聞かなくなったという昔のファンが、久々に1枚で手っ取り早く聞いてみるというには非常にいい内容である。説教っぽいところはあるものの、過剰にこーしろあーしろと押し付けてくるような曲はあまり選ばれていないし、わりかし「勇気をもらえる曲」として聞きやすい。

　　1万枚限定ギフトパッケージ盤

印象度★★★★☆

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