Cicada(初回盤)
No | タイトル | 作詞 | 作曲 | 編曲 | 備考 |
1 | 〜introduction for Cicada〜 | 槇原敬之 | 槇原敬之 | インスト曲 | |
2 | pool | 槇原敬之 | 槇原敬之 | 槇原敬之 | |
3 | Hungry Spider | 槇原敬之 | 槇原敬之 | 槇原敬之 | 22ndシングル 最高5位 売上35.2万枚 |
4 | HAPPY DANCE〜Album Version〜 | 槇原敬之 | 槇原敬之 | 槇原敬之 | 20thシングル 最高14位 売上7.3万枚 |
5 | Star Ferry | 槇原敬之 | 槇原敬之 | 槇原敬之 | |
6 | 青春 | 槇原敬之 | 槇原敬之 | 槇原敬之 | |
7 | STRIPE! | 槇原敬之 | 槇原敬之 | 槇原敬之 | 21stシングル 最高16位 売上6.5万枚 |
8 | この傘をたためば | 槇原敬之 | 槇原敬之 | 槇原敬之 | 22ndシングルC/W |
9 | The Future Attraction | 槇原敬之 | 槇原敬之 | 槇原敬之 | |
10 | BLIND | 槇原敬之 | 槇原敬之 | 槇原敬之 | 20thシングルC/W |
11 | Name Of Love | 槇原敬之 | 槇原敬之 | 槇原敬之 | 寺西一雄への提供曲 セルフカバー |
12 | Cicada | 槇原敬之 | 槇原敬之 | 槇原敬之 |
No | タイトル | 作詞 | 作曲 | 編曲 | 備考 |
1 | 待ってたぜBaby!/Thunder Babies | 槇原敬之&Thunder Babies | 槇原敬之 | 槇原敬之 | 槇原プロデュース、覆面ユニットによる新曲 |
2 | 待ってたぜBaby!〜Backing Track〜 | 槇原敬之 | 槇原敬之 | カラオケバージョン |
リリースデータ
1999年7月7日(初回限定盤8センチCD付) 1999年7月10日(通常盤) |
初登場3位 初登場11位 |
売上39.3万枚 売上15.6万枚 |
Produced,Arranged&Performed by Noriyuki Makihara | SME |
槇原敬之9thアルバム。シングル3作のA面3曲とC/Wから2曲を収録。21stシングルC/Wの「Merry-go-round」のみが未収録となった。「Name of Love」は提供曲のセルフカバーで、いとこのローリー寺西が本名の寺西一雄名義でリリースしていた楽曲となる。ドラマ主題歌にもなった「Hungry Spider」がソニー移籍以降で最大のヒットを飛ばしていた中で発売されたため、今作の売上も順調に伸びていたが8月26日覚せい剤取締法違反により槇原敬之容疑者逮捕。これにより9月から予定されていた今作を引っ提げての全国ツアー「Shadow Pictures'99」が中止、今作に限らず、ワーナー時代まで含めての全作品回収&出荷停止となってしまった。直前にファンが買いに走ったため旧作がベスト100内に急上昇したりもした。初回盤は8センチCD付属で、槇原がプロデュースしたとされる謎のユニットThunder Babiesによる「待ってたぜBaby!」が収録されている。トレイ下には「Hungry Spider」の文字があり、初のマキシシングルとなった「Hungry Spider」シングル盤と「待ってたぜBaby!」のシングルを入れ替えて収納できます、という謎の案内も記載されていた。初回限定盤と通常盤の発売日が異なっていたため、他機関だけでなくO社チャートでも別集計となった。合算すると「Such a Lovely Place」とほぼ同等の売上となる。03年にはソニー時代に発売された3作のアルバムとPV集をセットにした『槇原敬之BOX 1997-1999』もリリースされた。
前作に続いてアマチュア時代からの旧知の仲である沢田知久が録音とミックスを担当し、今回はさらにこれまでBob Ludwigが担当していたマスタリングまで1人で担当している。なおこの時期、ソニー移籍と同時に設立した個人事務所の社長とマネージメントを巡る不協和音や(逮捕後に彼が資金横領をしていたことも発覚)、槇原自身が「責任感のない状態で遊ぶようになっていた」という。しかしこれらの混沌とした状況の中でも楽曲の創作活動は別物であり、全ての楽曲(特に槍玉に挙げられた『Hungry Spider』)に関してこれらの状況とは無関係(つまり覚せい剤の影響はない)だと現在においても槇原自身は強く言い切っている。
テーマは「日本の夏」。マイナーコードを多用したどこか不安で切ない雰囲気が漂う槇原のアルバムの中でも非常に異色な空気感を持ったアルバム。美しさを通り越して不気味なまでに作りこまれたようなトラックといい、どこか達してしまったかのような投げやりやあきらめのような境地も感じられる歌詞などこれまでのような暖かさや幸せな感じが全くしない。確かに前作でひとつの場所に到達したとはいえこういう方向に向かうとは予想外の展開である。10や11などはわりかし本来の雰囲気に戻っているのだが特に前半部分の異様なまでの隙のなさは圧巻である。ラスト12は曲自体は大したことはないのだが歌詞が何とも意味深。真っ暗な土の中で太陽を信じている蝉のことを歌っているのだが「捕まったときは本当にホッとした。これで混沌とした日々を終わらせる事ができる」(要約)と後に語ったように誰よりも太陽を望んでいたのは槇原自身だったのかもしれない。
なお初回盤のみについている槇原敬之プロデュースのThunder Babiesというユニットの8センチCD。男女の歌声が聞こえるが、とても本格的な歌い手とは思えないような素人ボイスであり、正直クオリティは高くない。一説によるとスタッフだとかなんとか。確かにプロの歌手、新人にしてもあまり歌が上手いとはいえない。何故か前作収録の「印度式」のラップが間奏で引用されているなどきわめて遊び色が強い。というか完全な内輪盛り上がりで、その内輪はコアファン限定とかではなく、リスナー無視の槇原とスタッフ同士の内輪盛り上がりという色が強い。
印象度★★★★★