悲しみなんて何の役にも立たないと思っていた。
No | タイトル | 作詞 | 作曲 | 編曲 | 備考 |
1 | introduction | 槇原敬之 | 槇原敬之 | インスト | |
2 | 祈りの歌が聞こえてくる | 槇原敬之 | 槇原敬之 | 槇原敬之 | |
3 | Dance with me. | 槇原敬之 | 槇原敬之 | 槇原敬之 | |
4 | GREEN DAYS | 槇原敬之 | 槇原敬之 | 槇原敬之 | 36thシングル 最高3位 売上5.9万枚 |
5 | カイト | 槇原敬之 | 槇原敬之 | 槇原敬之 | |
6 | Love was sleeping. | 槇原敬之 | 槇原敬之 | 槇原敬之 | |
7 | lose no time | 槇原敬之 | 槇原敬之 | 槇原敬之 | |
8 | 赤いマフラー | 槇原敬之 | 槇原敬之 | 槇原敬之 | 37thシングル(カット) 最高33位 売上0.5万枚 |
9 | Anywhere | 槇原敬之 | 槇原敬之 | 槇原敬之 | |
10 | Circle of Rainbow | 槇原敬之 | 槇原敬之 | 槇原敬之 | |
11 | 五つの文字 | 槇原敬之 | 槇原敬之 | 槇原敬之 |
リリースデータ
2007年11月7日 | 初登場2位 | 売上9.7万枚 | Produced by 槇原敬之 | エイベックス |
槇原敬之15thアルバム。今度はエイベックスへ移籍。これでワーナー→ソニー→ワーナー→東芝EMI→エイベックスとのべ5社目となる。「五つの文字」は移籍前の06年にシングルでの発売が予定されながら発売延期になっていて今作でようやく収録された。このためタイアップ先の「めざにゅ〜」でのOA期間はとっくに終了していた。「赤いマフラー」が1ヵ月後にシングルカットされた。今作における最大の変化はExcutive Producersに記載されたShuichi Okumura(Words&Music)の文字。彼は99年のあの事件の際に槇原と一緒に捕まった"友人"。一部週刊誌などでは復帰直後の段階から"復縁"として報じられてはいたが、ここに来てついに槇原の個人事務所の社長となっていたらしく、CD上でもクレジットされるようになった。また今作以降は録音とミックスのエンジニアはほぼ全面的に滝澤武士で固定された。
たくさん飼っている愛犬のうちの1匹が亡くなったことが今回のアルバムには影響しているという事だが、この年に亡くなった植木等へのオマージュかのようなザ・昭和風のアートワークになっていておどけたポーズのマッキーの姿が随所で見られる。このイメージ通り、全体的に明るい雰囲気のアルバム。今作では説教臭さも軽減された。身近な日々の生活が久々に見えるような印象だ。アレンジ面でも前作にあった実験的な感じが無くなり、以前のような温かみを取り戻している。「GREEN DAYS」も久々のヒット作だけあって名曲だったし、当初はいいアルバムだなと思ったんだけど、終盤にかけて徐々に違和感が…。というのも終盤にかけて「神様」を連発しすぎ。これまでにも「神様」が曲中に出てきた事はあったが、今回に限って気になるのは素敵な事を起こしてくれたのは神様というような解釈になってしまったからである。ここのところ続いているライフソングでは「他人への思いやりや感謝で自分も幸せになれる」という信念が貫かれていた。なのに「五つの文字」では「今日という日は神様からの贈り物」と歌い、他者ではなく「神様」というあまりに大きく実体のないものに対して「ありがとう」という五つの文字を捧げてしまう。前の曲でも同じように幸せを与えてくれる目の前の他者ではなく、神様に対して"奇跡"を感謝しているなどラスト2曲がそうなのでより印象的。前作までのマッキーだったら「ありがとう」はもっと身近な他者へと捧げていたはずだ。いったいどうしてしまったのだろうか…。サウンドや曲調はかつてを思わせる暖かさと明るさに包まれていて聞きやすいアルバムではあるけど、タイトルにしても悲しみが役に立たないってことはないだろうし、前作までだったらこの悲しみにもきっと意味はあるんだ(真理)とか歌ってただろうに急に主張変わってきてない?…という面も多々ある個人的には不思議な雰囲気の1作。
印象度★★★☆☆