SELF PORTRAIT

リリースデータ

槇原敬之4thアルバム。前作から1年4ヶ月ぶり。「北風〜君に届きますように〜」はリメイクだったためかオリジナルアルバム未収録。シングルでミリオン級のヒットは無かったものの（とはいえ「No.1」は初のシングル初登場1位（1位自体は「どんなときも。」以来2度目））前作に続いてミリオンセラーを記録。「彼女の恋人」「猫がふんじゃった」など一部楽曲ではニューヨークで生のストリングスを入れている。「雪に願いを」はクリスマスソングでシーズンに合わせるように1ヵ月後にシングルカットされた。初回盤はブックレットとCDケースが若干分厚い仕様。98年に紙ジャケで限定再発され、2012年11月にはリマスター再発されている。その前の12年9月には7作目までがBOXで先に発売されている。

2024年12月に10月発売の1st,2ndに続いて前作と今作もアナログ化された。2012年リマスター音源使用でボーナストラックとしてC/W「CLASS OF 89」「Red Nose Reindeer」を追加収録。「Red Nose Reindeer」は2012年リマスターとされ『秋うた、冬うた。〜もう恋なんてしない』でのリマスター、「CLASS OF 89」は2013年リマスターとされ『春うた、夏うた。〜どんなときも。』でのリマスターを使用している。

君〜3部作に続いて今作はSELF PORTRAIT=自画像と方向は内面へ向いた。93年始めには大スランプに陥って何も感じなくなってしまったというエピソードも伝えられているが、「MILK」を書いて復活したとされている。内面へ向いたといっても内省的な暗い感じになったわけではなく、陽の部分だけでなく後ろ向きな部分や不完全な陰の部分も表現して「ダメな自分も好きにならなくちゃ」（「MILK」）と前向きに生きようというような意図らしい。表題曲よりも「MILK」のこのフレーズがアルバム全体を示しているかもしれない。そういうわけで詞の幅もさらに広がった。曲にしてもこれまでにないようなクールな6をシングルで出してみたりと前作以上に幅が広がっている。打ち込みサウンドも前作以上に進化しているしどの曲もポップで名曲揃いなのだが、1曲目が今作中最も地味なストレートなバラード曲（いわゆるスロー系量産型バラード）というのが個人的に少しマイナス点。直後に「No.1」がひかえているだけにいきなりこのスローバラードは明らかに違和感があるしいきなりダルイ。もっと中盤辺りにあれば自然だと思うのだが…何年経ってもこの曲とその配置があまり好きになれない。

　　98年再発盤　　2012リマスター盤　　　アナログ盤

印象度★★★★☆

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