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ホーンアレンジ：Al Falaschi,Leo Sidran(1)、竹上良成(2,3,6,9,11,13)

リリースデータ

松浦亜弥2nd企画アルバム。リリース自体は09年2月のオリジナル『想いあふれて』以来。『想いあふれて』の直後にリリースされていたシングル「チョコレート魂」は未収録。06年にリリースした企画盤『Naked Songs』の続編のような内容でカバーやリメイク、新曲を織り交ぜた企画盤となっている。オリジナルの新曲は3曲、リメイクが5曲（うち2度目のリメイクが2曲）、新録カバーが4曲、インスト1曲という構成。全て今作用の新録音となっており、既発音源は無い。「渡良瀬橋」には森高千里がコーラス&リコーダーで参加している（以前のカバーでは参加していなかった）。

生バンドによるスタジオライブ録音だった『Naked Songs』と違い、今作はドラム自体は1曲目でしか使用していない。代わりにホーンアレンジに力を入れており、生のホーンセクションが多くの楽曲で導入されている。1曲目からジャズ風、基本的にはボサノヴァっぽかったりと全曲ミディアム〜バラードで昼下がりのおしゃれなカフェ風で非常に落ち着いている。ここ数作は基本的に地味なミディアム路線だったが、さらに明確に落ち着いた大人路線に振り切ったという感じ。お上品な感じにはなっているが基本的にボサノヴァっぽい路線っていうのは、そこそこの歌い手であれば自動的に大人っぽくなって、それなりに雰囲気が出る。そういう意味では無難ともいえる。さらに原曲（森高本人がドラム叩いていた）、前回のカバーでは生音だった「渡良瀬橋」は今回極めて原曲に近いアレンジに持っていきながらもドラムが打ち込みになっている。他の曲でもバンド風のサウンドに持っていきながらドラムが打ち込みという曲ばかり。これはホーンセクションの方に注力して予算が尽きてしまったのかなんなのか。生音の柔らかい雰囲気を生かしたようなサウンドになっているので、パーカッションがメインのリズムになる曲はともかくとして、バンド風の音をあえて打ち込みにするというのは予算の都合以外に理由が見当たらない。まあここ5年くらいの流れからしてとにかく落ち着いたポップスをやりたいんだろうなというのは分かるし、各楽曲でのボーカルも表現にかなり気を使ったんだろうなと思う。この路線が嫌だ、アイドル路線に戻ってほしいというのは特にない。ただいかんせんあまりに地味すぎる。

印象度★★★☆☆

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