MISIA SOUL JAZZ BEST 2020
No | タイトル | 作詞 | 作曲 | 編曲 | 備考 |
1 | Everything | MISIA | 松本俊明 | 黒田卓也&Shota Lee | 7thシングル 新録音 |
2 | CASSA LATTE | MISIA,キヨシ | 松井寛 | 黒田卓也&Shota Lee | 先行配信(19年12月) 新曲 |
3 | 来るぞThrilling(feat. Raul Midon) | キヨシ | 林田健司 | 黒田卓也 | 1stジャズアルバム『MISIA SOUL JAZZ SESSION』収録曲 |
4 | Mysterious Love(feat.MIYACHI) | MISIA Rap詞:MIYACHI |
Shusui/ Gioacchino Maurici/ 宮田'レフティ'リョウ/ nana hatori |
黒田卓也&Shota Lee | 新曲 |
5 | 変わりゆく この街で | MISIA | 小島英也 | 黒田卓也 | 13thアルバム『Life is going on and on』収録曲 |
6 | BELIEVE | MISIA | 佐々木潤 | 黒田卓也 | 3rdシングル 1stジャズアルバム『MISIA SOUL JAZZ SESSION』収録曲 |
7 | オルフェンズの涙(feat.Marcus Miller) | MISIA | 鷺巣詩郎 | 黒田卓也 | 32ndシングル 1stジャズアルバム『MISIA SOUL JAZZ SESSION』収録曲 (この時はMarcus Miller表記はなし) |
8 | キスして抱きしめて | MISIA | MISIA | 黒田卓也 | 1stアルバム『Mother Father Brother Sister』収録曲 新録音 |
9 | 真夜中のHIDE-AND-SEEK | MISIA | 鷺巣詩郎 | 黒田卓也 | 31stシングル『白い季節/桜ひとひら』C/W 1stジャズアルバム『MISIA SOUL JAZZ SESSION』収録曲 |
10 | LADY FUNKY | MISIA,キヨシ | 伊秩弘将 | 黒田卓也 | 34thシングルC/W、13thアルバム『Life is going on and on』収録曲 |
11 | 陽のあたる場所 | MISIA,佐々木潤 | 佐々木潤 | 黒田卓也&Craig Hill | 2ndシングル 1stジャズアルバム『MISIA SOUL JAZZ SESSION』収録曲 |
12 | あなたとアナタ(feat.Tusyoshi Domoto) | 堂本剛 | 堂本剛 | 黒田卓也 | 新曲 |
13 | つつみ込むように… | 島野聡 | 島野聡 | 黒田卓也 | 1stシングル 新録音 |
14 | あなたにスマイル | MISIA,Ki-Yo | Ki-Yo | 黒田卓也&Shota Lee | 配信シングル、レンタル限定シングルCD(2015) 12thアルバム『LOVE BEBOP』収録曲 新録音 |
15 | 愛はナイフ | 及川眠子 | Shusui/Carl Sahlin | 黒田卓也&Shota Lee | 新曲 |
16 | アイノカタチ | GReeeeN | GReeeeN | 黒田卓也 | 34thシングル 新録音 |
リリースデータ
2020年1月22日 | 初登場3位 | 売上8.4万枚 | Produced by MISIA,黒田卓也 | Ariola Japan |
MISIAソウルジャズベストアルバム。通算5作目のベスト盤で公式にも7年ぶりのベスト(『MISIA Super Best Records-15th Celebration-』以来)と銘打たれて発売された。全曲ジャズトランぺッター黒田卓也によるアレンジとNY録音による現地ミュージシャンの演奏となっているが、ソウルジャズ系にリアレンジした新録音、元々ソウルジャズ系アレンジだった曲はオリジナル音源のまま、2017年に最初に黒田卓也と組んで制作したジャズアルバム『MISIA SOUL JAZZ SESSION』でリメイクされていた曲はその時の音源が採用されているものと思われ、新録リメイクと既出曲と2017年リメイクが混在しているようだが、詳細は説明されていないため不明。新曲4曲のうち「CASSA LATTE」は年末に先行配信されていた。初回盤は2019年9月18日「MISIA SOUL JAZZ SWEET & TENDER」Zepp Namba(OSAKA)公演から11曲のライブ映像を収録したBlu-ray付A、DVD付Bの2種。
「Everything」「BELIEVE」「陽のあたる場所」「つつみ込むように…」といった初期代表ヒット曲に加えて、2015年紅白で歌唱した「オルフェンズの涙」、2018年から紅白で3年連続歌唱(今作時点では2年連続)していた「アイノカタチ」といったライトリスナーが現在真っ先に聞きたいMISIAのヒット曲が並んでいる今作。3枚組でも「オルフェンズの涙」「アイノカタチ」リリース前なので当然この2曲が入っていない『MISIA Super Best Records-15th Celebration-』よりも現在手に取りやすい選曲になっている…。しかし今作はソウルジャズ系の企画作品のため特にそれら代表曲は全て原曲とは異なるジャズアレンジに変貌しているので原曲目当ての場合は今作は注意が必要だ。
公式にベスト盤として売り出していて詳しい説明も無いので良く分からないが、2017年の『MISIA SOUL JAZZ SESSION』で既に黒田卓也と組んでリメイクしていた曲も混在していたり、「LADY FUNKY」のようにオリジナルが既に黒田卓也によるジャズアレンジだった曲もあって、今作用の新録音は意外と少なく、「Everything」「キスして抱きしめて」「つつみ込むように…」といったまだジャズリメイクされていなかった初期3曲と「アイノカタチ」の4曲が新録音と思われる。「オルフェンズの涙」は『MISIA SOUL JAZZ SESSION』ではMarcus Millerのfeat表記は無かったが明らかにアレンジは同じもので、『MISIA SOUL JAZZ SESSION』の他の曲にはMarcus Millerが参加していた。今作でMarcus Millerを入れて新たに録音しなおしたのかは不明。
というわけでどこから持ってきた音源なのか非常に分かりにくい作品だが、作風はソウルジャズで統一。さらに制作時期は異なるはずだが全曲NY録音で、ピアノ&キーボードは日本人、時々入るパーカッションも日本人だが、ベースドラムとトランペット、トロンボーン、サックスは全て海外演奏陣。ギターは「LADY FUNKY」以外に使用されず、基本はギターなし。またトランペット、トロンボーン、サックスが各4,5人ずつ参加している大所帯の編成が組まれている1,2,4,14,15では黒田卓也は参加せず全員海外勢、それ以外の各楽器1人ずつの編成では黒田卓也がトランペット演奏も兼ねている。
ソウルというよりジャズの要素が強く、非常に凝った上質な演奏とMISIAの確かな歌唱が存分に堪能できる。しかしジャズ特有の濃厚さはなるべく抑えてあくまでMISIAの歌を主役としているのも特徴だ。MISIAが培ってきたこれまでの音楽性も踏まえた上で解釈したソウルジャズという事のようで、歌ではなくジャズのアレンジが目立ちまくる各楽器の長いソロ演奏みたいな箇所はほぼ無い。普段からジャズを嗜んでいるとその点で物足りないかもしれないが、今作は本格ジャズに挑んでライトリスナー置いてけぼりというのではなく、むしろソウルジャズの良さを伝えたいという意識で制作されているように感じた。これによりジャズに苦手意識があったり、そういう凝った演奏中心は苦手だというリスナーでもよほどジャズアレルギーが無い限りは比較的スムーズに聞けて上質さに浸れるんじゃないだろうか。そんなわけでアルバムとして最初に構えてしまいがちではあるが、MISIAを聞こうと思うならまず知っているであろう代表曲もいい感じに並べられていてジャズアレンジで新たな魅力も感じられて非常に聞きやすい1作だった。一方で出展の分かりにくさ、どこまで新規制作なのかよく分からない、けっこう特殊な企画作なのにベストアルバムとして売り出してしまう…などちょっと説明省きすぎではないかとは思う。特に「アイノカタチ」の入ったベスト盤として他に「Everything」などのヒット曲も聞けるとして考えずに今作を手に取ると確実に違うものが出てきた感じにはなるので、勘違いして文句言うリスナーも必ず出てきそう。
印象度★★★★☆
2021.4.21更新